2007年06月22日

Follow Me Original Soundtrack (Geffen/Universal Japan)
The Electrifying Guitar of Walter Raim (Mercury/Universal Japan)
California '99 - Jimmie Haskell (Geffen/Universal Japan)

Follow Me Original Soundtrack The Electrifying Guitar of Walter Raim A Thematic Fairytale [California '99]

 久々に到着の「ジャケガイノススメ」シリーズ続編。まず1枚めは1969年に公開されたサーフィン映画「Follow Me」のサントラで、音楽を担当しているのはスチュ・フィリップス、そして4曲(+ボーナス1曲)で60年代のキッド・グループ、ディノ、デシ&ビリーがボーカルを担当している。

Surf... Sex and Cycle-Psycos... A Diverse Potpourri of Antediluvian Film Music by Stu Phillips 実はこのアルバム、正確には今回が世界初CD化ではない。などと書くと話がややこしくなるかもしれないが、一昨年イギリスでスチュ・フィリップスのサントラ録音を集めた「Surf... Sex and Cycle-Psycos...」というコンピレーションが発売されており、そこにはこのアルバムのディノ〜たちによるボーカル録音以外のすべてが収録されている。映画のストーリーはサーファーが世界中のサーフスポットを巡って波に乗る・・というもののようで、フィリップスはその国々(ポルトガル、モロッコ、セイロン、インド、香港、ハワイ)のイメージに沿ったインストナンバーを提供。さすがはベテランらしい、手堅い曲の数々。

Rebel Kind: The Best of Dino, Desi & Billy しかし、このCDを入手する音楽ファンの真の目的は、前述のCDからは漏れたディノ、デシ&ビリーの録音の方なのだろう。オールディーズファンだったら誰でも知ってる2世グループの彼らは、65年に何曲かのTOP40ヒットを飛ばした後は活動は尻つぼみ、この頃になるとレコード会社も彼らのシングル盤をなかなか出してくれない状態になっており、そんな“低迷期(結局彼らはこの翌年にブライアン・ウィルソン作曲の「Lady Love」をリリースした後解散してしまう)”の貴重な録音がCDで聴けるようになったのは嬉しい。彼らが参加した録音では何れもソフトなボーカルが楽しめ、ソフト・ロックファンであれば十分満足出来る内容だろう。

endless possibilities - Walter Raim Cencept ディノ〜のボーカル曲、そしてこの美しいジャケ写を手許に置けるという点だけでも、このCDは入手する価値があるだろう。続くウォルター・ライムは昨年韓国でボーカルアルバム「Endless Possibilities」がCD化され話題となったギタリスト/アレンジャーで、「The Electrifying Guitar of 〜」はそのタイトルの通り彼のギターが存分に楽しめるインスト・アルバム(65年発表)。内容はといえば、これが妙にノスタルジックなサウンド。クールジャズ風な編成ではあるのだが、ライムのギターの音色が何故かスティール・ギターっぽくて(別段スライドを多用している訳ではないのだが)、ハワイアン系のリゾートミュージックが連想されて仕方がない。あくまでもこれは個人的な印象だけれども。非常にリラックスした雰囲気のムード音楽、ただし一番評価すべきは、ジャケットデザインなんだろうな、これも。

 最後はジミー・ハスケル。1950年代から多くの名作ポップスを手がけているアレンジャーで、特にサイモンとガーファンクルの「明日に架ける橋」における仕事が名高い。「California '99」は彼がその「明日に〜」でグラミーを受賞した翌年(71年)に発表されたコンセプト・アルバムで、20世紀末のカリフォルニアが一体どうなっているのか?がテーマとなっている。

Jimmie Haskell これも「ジャケガイノススメ」の一環で出ているので、当然オリジナルの紙ジャケがミニチュアサイズで復刻されているのだが、これがなんとアメリカ地図のポスターが折り畳まれているだけで、CDはそれに挟み込まれる形で入っている。ポスターは大体B4版の大きさなのだが、オリジナルのアナログでは一体どれほどの大きさだったのだろうか??ポスターには1999年に至るまでのアメリカの社会状勢(勿論架空)なども書かれているが、音楽そのものはそれほど近未来的なものではなく、当時既に存在した楽曲を寄せ集め、ゲストボーカルにより披露されている。

 迎えられたボーカリストたちはジミー・ウィザスプーン、ママス&パパスのデニー・ドハーティ、ジョー・ウォルシュら。中でもソフト・ロックファンが注目すべきはデニー・ドハーティがミレニウムの「To Claudia on Thursday」を歌っている点(ついでにいえば、この曲に続いてもう1曲ミレニウムの「Prelude」が登場する点にも注目したい)で、出来はどうということはないが、とにかく珍しい。ゲストの中ではジョー・ウォルシュが一番いい仕事をしており、ブレイク前の彼の録音という点でも貴重だろう。

 アルバムは何故かザ・フーの「Tommy」に収録されていた「Underture」のカバーで幕を閉じ、結局何が言いたかったのかはよくわからない。幾つかの珍しい録音、そしてこのポスタージャケの復刻を実現させた企画者の情熱を、まずは評価することにしよう。
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2007年06月19日

Live at The BBC 1967-1970 - The Moody Blues (Deram)
The Complete BBC Sessions - Dusty Springfield (Mercury)
Live in London: The BBC Recordings 1972-1973 - Judee Sill (Water)

Live at The BBC 1967-1970 - The Moody Blues The Complete BBC Sessions - Dusty Springfield Live in London: The BBC Recordings 1972-1973 - Judee Sill

 BBCのライブものが3種。まずムーディ・ブルースは1967年から69年まで(1曲だけ70年録音の「Question」が入っている)と、ジャスティン・ヘイワード加入後の数年に期間を絞ったもの。実はデニー・レイン在籍時もBBCの録音は存在するそうなので、そちらもいずれCD化して欲しいところ。昨年ゾロゾロと発売された彼ら初期のアルバムの「デラックス・エディション(下掲)」を持っていれば、今回のCD収録曲はすべてボーナス・トラックで聴けるんじゃないか?という話もあるが、そういった話はとりあえずおいといて。彼らが最も創造的だった時期の貴重な録音がまとめて聴けることをまずは喜ぼう。

Days of Future Past - The Moody Blues ('67) In Search of The Lost Chord - The Moody Blues ('68) On The Threshold of A Dream - The Moody Blues ('69) To Our Children's Children's Children - The Moody Blues ('69)

 2枚組41トラックという大変なボリューム、人気バンドということで同じ曲を何度も演奏しており、「Nights in White Satin」「Voices in The Sky」「Ride My See-Saw」あたりは3バージョンずつ収録されている。それぞれを聴き比べて、楽器編成や録音コンディションを検証してみるのも面白いか。基本的にはレコードに忠実で破綻のない演奏をする彼らなので、そこをさすがと評価するか、それとも面白みがないと感じるか・・。

Dusty Springfield お次はダスティ姐さん。彼女のCDの方は「スプリングフィールズ」の一員として出演した1962年から、円熟期を迎えた1970年までの全22曲を収録。スタジオミュージシャンの演奏ははっきりいってややショボめだが、彼女の歌声はこれが生だったら大変なもの。「Top Gear」や「Saturday Club」といった番組に彼女はかなり頻繁に登場していたようで、彼女自身のヒット曲よりも、その時々のヒット曲のカバーを数多く聴くことができ、この点もマニアには嬉しいところ。

 ベストテイクを挙げるとすれば、初期だったらベティ・エヴァレットの「I Can't Hear You (No More)」、後期だったらやはり「Son of A Preacher Man」だろうか。スタジオ録音では聴けない彼女の生々しさが楽しめる。なお現在未だ収録曲が確認出来ていないが、これのDVD版も発売されるそうで、だったらDVDを買った方がよかったのかも。。

Judee Sill 最後3枚めは昨今再評価が過熱気味なジュディ・シルで、こんな音源までCD化されてしまった。72〜73年にかけて行われた3回のライブレコーディングからの18曲を集めたもので、レパートリーが少ない(何しろ彼女は生前2枚しかアルバムを発表しなかったのだ)のと、決してカバーは歌わない人だったようで、各回毎にかなり曲のダブり(「The Kiss」と「Down Where The Valley Are Low」は3ステージいずれでも歌っている)があり、絶対曲数としてはやや少なめ。だからといってそれがこのCDの価値を下げる訳ではないが。

 どの曲も彼女のギターかピアノによる弾き語りで披露されており、スタジオ録音のオーケストレーションが取り除かれた作品の「素」の部分が聴けるのは興味深い。しかしよくこれだけの録音が残っているものだ、当時全然売れなかった人なのに。今後もあれこれ発掘録音がCD化されていくのだろうか?多分僕はその度買っちゃうんだろうけど。
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2007年06月16日

The Pomus & Shuman Story: Double Trouble 1956-1967 (Ace)
The Leiber & Stoller Story Vol.3: Shake 'Em Up & Let 'Em Roll 1962-1969 (Ace)

The Pomus & Shuman Story: Double Trouble 1956-1967 The Leiber & Stoller Story Vol.3: Shake 'Em Up & Let 'Em Roll 1962-1969

 エイス・レコードからR&Rの殿堂入りを果たしている2組のソングライターチームのコンピが到着。まずドク・ポーマス&モート・シューマンの方はR&Rブームに沸いた1956年から約10年間に世に送り出した作品を集めたもの。彼らの手によるR&Rクラシックは数多く、このCDでもミスティックスの「Hushaby」、ディオンとベルモンツの「A Teenager in Love」、フェビアンの「Turn Me Loose」、シャンソンのスタンダードにもなったドリフターズの「Save The Last Dance for Me(この曲の成功がきっかけとなったのか、モート・シューマンは後年フランスにも活躍の場を広げている)」、そして現在もラウンジ・クラシックと見なされているアンディ・ウィリアムスの「Can't Get Used to Losing You」など、有名曲をたどるだけでこのCDの内容の濃さがわかる。

Elvis chante Mort Shuman & Doc Pomus (France) ポーマス&シューマンといえばエルヴィスに数多くの作品を提供したことでも知られており、このCDでは彼の歌は67年の「Double Trouble」しか聴くことは出来ないが、替わりにデル・シャノンの「(Marie's The Name) His Latest Flame」、ラヴァーン・ベイカーが歌った「Little Sister」のアンサー・ソング「Hey Memphis」、テリー・スタッフォードの「Suspicion」などで雰囲気を味わうことが出来る。エルヴィスのそっくりさん、ラル・ドナーの「So Close to Heaven」のあまりのクリソツさには大笑い。

 その他ジェームス・ダーレンの「Angel Face」、日本では「なみだの日記」で知られるバリー・ダーヴェルの「A King for Tonight」などのティーンポップものから、アーマ・トーマスのソウルフルな「I'm Gonna Bry 'Til My Tears Run Dry」、マッコイズのビートロック「Say Those Magic Words」まで幅広い作風の曲が収録されており、オールディーズ入門者からベテランのマニアまで楽しめる内容になっている。

The Leiber & Stoller Story Vol.1 もう1枚はある意味R&Rの生みの親、ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーの作品集第3弾。このシリーズはこのブログでも発売される度に紹介しているが、今回は60年代半ばから後半にかけての作品が集められている。彼らは63年に一時代を築いたアトランティック・レコードと契約を解消して独立、翌64年にはレッドバード/ブルーキャットというレーベルで成功を収めるのだが、その時期に生まれた作品を、比較的知られていないものを中心に集めた感じ。

The Leiber & Stoller Story Vol.2 勿論ヒット曲も結構収録されてはいて、ディオンの「Drip Drop」、ジェイとアメリカンズの「Only in America」、そして僕は初めて知ったのだがジョニー・キャッシュとジューン・カーターが歌った「Jackson」も彼らの作品だったとは。彼らの作品のテーマは一貫して「R&Bサウンドとラテン・リズムの融合」にあったようで、どの曲でもユニークな試みの痕跡が認められる。60年代後半になるとその作風はかなりジャズ寄りなものとなり、カーメン・マクレーの「Flying」、ペギー・リーの大ヒット「Is That All There Is?」などはかなりの聴きごたえ。

Peggy Lee Sings Leiber & Stoller (Hip-O Select) 特にこれまで何となく聴く機会を逃していた「Is That All There Is?」は、語り半分、歌半分の感動的な作品で、これまで知らなかったのを後悔したくらい。彼女が歌ったリーバー&ストーラー作品を集めた「Peggy Lee Sings Leiber & Stoller」というCDも出ているので、近々入手して聴いてみることにしたい。リーバー&ストーラー作品集はこの第3弾が最後で、彼らが残した作品の、かなりマニアックな部分までまとめて聴けるようになったことには感謝。ポーマス&シューマン編と併せて、学究派オールディーズファンは是非とも持っておきたいコンピレーションである。
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2007年06月13日

Best 1000 - Gloria Gaynor (Polydor)
Best 1000 - Glenn Frey (Geffen)
Best 1000 - Rupert Holmes (Geffen)

Best 1000 - Gloria Gaynor Best 1000 - Glenn Frey Best 1000 - Rupert Holmes

 普段は60年代の音楽ばかり聴いている僕だが、たまには80年代ものなども懐かしくなって聴きたくなる場合がある。そういう時に手軽に入手出来るベスト盤などあるといいなと思っていたところ、ユニバーサルジャパンが1枚1,000円という“出血価格”で様々なベストCDを数十種類リリースしてくれた。

 この値段だったら曲のダブりなど気にせずどんどん購入出来そうなものだが、やはりそこはマニアの悲しい性、ちゃんとヒット曲が漏れなく収録されているかなどをチェックし始めると、色々と気になって手を伸ばしにくくなってくる。収録漏れのヒットが気になって、結局もう1枚買い直すことになったら意味がないので。

 そんな中でこの内容だったら買ってもいいかな、と選んだのが上掲3枚。まず最初は70年代半ば、ドナ・サマーの成功に先駆けて「ディスコの女王」の座に上り詰めかけたグロリア・ゲイナー。このCDは彼女のHOT100ヒット7曲すべてが収録されており、その点でまず合格。彼女といえばまず「Never Can Say Goodbye」、そして日本では何故か布施明がカバーした「I Will Survive」の2大ヒットが有名だが、それ以外のディスコヒットも非常にゴージャスなサウンドでカッコいい。ディスコチャートで1位を記録した「How High The Moon」なんて、聴いててしびれるくらい。

No Fun Around - Glenn Frey ('82) 続いてはイーグルスのグレン・フライが80年代に放ったソロヒット集。残念ながらアサイラム時代の音源は収録されていないが、それはアルバム1枚買えばカバー出来るので問題なし。MCA時代のHOT100ヒット7曲中6曲が聴けるので、ベスト盤としてとりあえず合格といっていいだろう。ウェストコーストサウンドとか、そういったこととは関係なく「MTV世代」としては「Heat Is On」とか「You Belong to The City」といった曲に無条件に反応してしまう。他にも非常に渋い「Smuggler's Blues」とか、イージーな感覚が心地よい「Sexy Girl」とか。純粋にノスタルジーに浸れる1枚。これで1,000円は、やっぱり安いな。

 最後はよりAOR寄りのルパート・ホルムズ。“出会い系”の新聞投書欄で趣味の合う女性を呼び出したら、やって来たのは自分の妻だった・・という「現代の怪談」のような「エスケイプ」をはじめ、彼がMCAで放ったHOT100ヒット全5曲を収録。これくらいのヒット数のアーティストが、一番ベスト盤を作り易い。個人的には洋楽を聴き始めるちょっと前の時代の音楽なので、初めて聴く曲も多いのだが、80年代初頭の“クリスタルな”雰囲気たっぷりな作品集。これも悪くない。

 ユニバーサルの「The Best 1000」シリーズ、他にも色々出ているのだが、ヒットの漏れが多かったり、既に持っているCDと殆ど同内容だったり。また続編が出たら細かく内容をチェックして購入しようと思う。
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2007年06月10日

The Birth of Soul Vol.4 (Kent)
The Birth of Surf (Ace)
Hawaiian Music 100 (BMG Japan)

The Birth of Soul Vol.4 The Birth of Surf Hawaiian Music 100

 最近エイス・レコードは制作体制に変化でもあったのか、これまで長いことペンディング状態にあったシリーズ物の続編が次々とリリースされている。今回は「R&Bからソウルへ」がテーマのコンピレーション「The Birth of Soul」の第4弾が到着、これの第3弾が出たのは2001年だから、実に6年ぶりの登場。

The Birth of Soul ('96) The Birth of Soul Vol.2 ('98) The Birth of Soul Vol.3 ('01)

 今回選曲された24曲は、1959年から64年にかけての録音。ヒット曲は少なく、比較的名の知られたアーティストの、これまであまり知られることのなかった曲を多く集めた印象。例えばイントルーダーズがまだギャンブル&ハフと出逢う前の1964年に録音したノーザン佳曲「Jack Be Nimble」とか、ボビー・デイがベンE.キングばりに歌い上げる「Pretty Little Girl Next Door」とか、「Love Letters」のヒットで知られるキティ・レスターの“お色気歌謡”「Please Don't Cry No More」とか。

 無名アーティストものではハル・ミラーというシンガーが歌う「On My Own Two Feet(作曲はボブ・クリューとエディ・ランボウ)」、カントリー畑のボビー・ベアがプロデュースしたガールグループもの、シャーメンズの「Where is The Boy Tonight」あたりが面白いか。“アーリー・ソウル”テイスト満載の、聴いてて非常に和む1枚。

 お次はエイスの新シリーズ、名付けて「サーフの誕生」。1958年のデュアン・エディ「Ramrod」に始まり、1963年のサーフィン・ブームに至るまでに生まれたインスト名曲を、これでもかとばかりに詰め込んだ全26曲。凄い。ビーチ・ボーイズもジャン&ディーンも登場しないが、何の過不足もない素晴らしい選曲。多分1枚もののCDとしては、これまでに出た中で最も素晴らしいサーフ・コンピではないだろうか。

Volcanic Action! - The Belairs ベンチャーズやシャンテイズ、サファリーズといったお馴染みのヒット曲に加え、ギャンブラーズの「Moon Dawg」、ベルエアーズの「Mr. Moto」、ライヴリー・ワンズの「Surf Rider」など、ヒットこそ記録しなかったもののサーフロックの古典と見なされている曲も外さないし、通常はサーフィンとは切り離して語られることが多いジョニーとハリケーンズの「Crossfire」、リンク・レイの「Jack The Ripper」などを違和感なく滑り込ませるセンスも凄い。

 初CD化曲としては、サーフメンの「El Toro」、オリジナル・サファリーズの「Latin Soul」、ハワイ出身の俳優、アキ・アレオンがノーブルズというバンドと録音した「Earthquake」など。こうして聴くとカリフォルニア出身のバンドのサウンドには独特の“濡れた”感触があり、それがこのジャンルの音楽を魅力的にしていることがわかる。初心者にもお薦めの、夏気分いっぱいのコンピ。第2弾を出すなら、是非ともボーカル編を!

Best Hawaiian 100 最後はもう一つ夏ものを。ここ何年かレコード会社各社がクラシックをはじめ色んなジャンルの音楽を100曲集め、それを3,000円くらいの廉価でリリースする「ベスト100」ものが流行しているようだが、これはそれのハワイアン編。BMGの音源を駆使した5枚組だが、この選曲が凄い。

 このボックスは日本人が「ハワイアン音楽」と聴いて思い浮かべるイメージを5パターンCDにしてみたような内容で、それぞれが全くバラバラ。まず1枚目は「フラ・ソング」、確かにハワイといえばフラ・ダンスだし、映画「フラ・ガール」もあったし、昨今のカルチャースクール人気もあるだろう。なのでこれはこれで需要ありそう。ハワイのミュージシャンの録音ばかりを集めたのも好感が持てる。で、続く2枚目は「ハワイアン・ムード」、これもあるねー。ヘンリー・マンシーニにロス・インディオス・タバハラス、マウナ・ロア・アイランダーズ・・・RCAが誇るイージーリスニング系のアーティストで、気分はすっかりビアガーデン。非常に和むなー。そして3枚目のテーマは「スティール・ギターの調べ」で、ここではポス宮崎と大橋節夫のスティールが10曲ずつ堪能出来る。やはり日本のハワイアンといえばこの2人でしょう!というのは、どこら辺の世代まで通用するのだろうか・・?僕は構わないけど。こちらも非常にビールがすすむ1枚。

 4枚目はちょっと新趣向、近年ハワイで盛り上がりを見せているという「スラック・キー」と呼ばれる独特のチューニングが施されたギターの演奏ばかり20曲が集められている。勉強になりますなー。この項だけ妙にライナーがマニアックで、曲毎にチューニングの解説が書いてあったりするのが面白い。確かにこういう音楽、何年か前にハワイに行った時やたら色んなところでかかっていたような気がする、っていうか最近沖縄に行くとこういう音楽BGMでかかっているよね、という雰囲気。

(They Call Him) Chicken of The Sea - The Go-Go's ('65) で、これら4枚のCDもいいのだが、僕が目当てだったのは5枚目の「ポピュラー・スタイル 〜 ハワイ、太陽、渚」。ポップスでハワイといえばなんといってもエルヴィスの「ブルー・ハワイ」でしょう!とRCAのカタログから選曲してみたけど、ハワイじゃ足りないから可能な限り拡大解釈してみました・・という感じの、ある意味いい加減な選曲が面白い。アンソニー・パーキンスの「月影の渚」はエルヴィスも「ブルー・ハワイ」で歌ってるから許すとして、その何曲か後にハリー・ベラフォンテの「日の当たる島」が出て来てしまうのは凄い。もう海が変わっちゃってるじゃん!その他突っ込みどころ満載の選曲は各々楽しんでいただくとして、僕が嬉しかったのは65年に日本だけで流行ったゴーゴーズの「チキン・オブ・ザ・シー」の収録。ジャニーズが歌ったことでも知られるこの曲がCD化されたのは恐らくこれが初めてで、このボックスの「いい加減な」選曲ポリシーに感謝するばかりである・・。他にもオリジナル録音ではないようだが、やはり日本だけでヒットした「太陽のスイム」の収録も嬉しい。

 いやー、こういう日本でしかあり得ない選曲って、好きだなー。ただし、このCD5枚とも楽しめる人は、殆ど存在しないだろうけど。5枚で3,000円だから、1枚くらい聴かないCDがあってもいいよね、ということなのか・・。個人的にはスラック・キー・ギターとは何ぞや?を知るきっかけになったのは有り難いし、5枚目のハチャメチャさも好きだし・・。こんなボックスを出してくれたレコード会社に感謝している。。
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2007年06月07日

Country Moog/Nashville Gold - Gil Trythall (The Omini Recording Corporation)
Malvina Reynolds (The Omini Recording Corporation)
The Electric Lucifer - Bruce Haack (The Omini Recording Corporation)

Country Moog/Nashville Gold - Gil Trythall Malvina Reynolds The Electric Lucifer - Bruce Haack

 テーマが面白いコンピレーションを見つけると次々と買ってしまって。気がつくと実はそれらがどれも同じレーベルから出ていることに気づいて驚くことが何年かに一度ある。つい最近そんな思いをしたのがオーストラリアの「The Omni Sounds Corporation」で、上掲の奇妙な3枚を立て続けに入手。

Swithed-On Bach ('69) まず1枚目はムーグもの。60年代後半に注目された電子楽器「ムーグ(正しくは“モーグ”?)」で有名なアルバムといえば、ウォルター・カーロスがバッハ作品を演奏した「Switched-On Bach」があるが、これはそれのカントリー版といった趣きで、サブタイトルにはわざわざ「Swithed On Country」と入れられている。アルバムの主人公はジル・トライソールという作曲家/ミュージシャン、このCDは彼が72年と73年にリリースしたアルバム2枚とシングル音源などを集めた全25曲である。

 「Foggy Moutain Breakdown」「Folsom Prison Blues」「Orange Blossom Special」といったカントリー・クラシックから、「Gentle on My Mind」「Polk Salad Annie」「Ode to Billie Joe」など当時のコンテンポラリーなヒットまで幅広く集められているこの2枚(すべてムーグのみで演奏されている)を聴くと、やはりこの手の作品に重要なのは「ユーモア感覚」なのだなと思う。その点でいくとこのCDは十分合格で、その大胆な料理方法に思わず吹き出してしまう作品も多数。逆にシリアスな曲調の曲だと、今ひとつもの足りない印象も。

 アルバムの最後にはテーマがカントリーから離れた73年録音の「Echospace」という12分半の大作が収録されており、ここで聴ける前衛さがトライソールの本分なのかもしれない。現在も音楽学校で教鞭をとり続けているという彼、この2枚のアルバム以外情報がまだあまり出回っておらず、今後続々と過去の作品が発掘されることになるのかもしれない。要注目の才能である。

Malvina Reynolds 2枚目は60年代の「フォークばあちゃん」、マルヴィナ・レイノルズ。生まれたのが1900年というからルイ・アームストロングより年上(!)の彼女は60〜70年代も精力的に活動し、残された作品にはサーチャーズの「What Have They Done to The Rain」やシーカーズの「Morningtown Ride」など、ヒットチャート入りを果たしたものもある。高田渡の「自衛隊に入ろう」の原曲が彼女の作品(未だにタイトルがわからない・・)だというのも、考えてみれば凄い話。

 今回CD化されたのは彼女が70歳の時に録音したアルバムで、プロデュースはライムライターズのアレックス・ハシレフ、レコーディングにはバーズやディラーズ、サンシャイン・カンパニーのメンバーらが集められている。サウンドは穏やかなカントリー・ロックで、曲によってはロジャー・マッギンのコーラスなども聴け、その方面でもなかなか好評を博しそうな内容だが、主人公のマルヴィナ婆さんはそんな若者たちを凌駕する矍鑠さ&辛辣さ。

 ♪死にかけのこの世界が美しく見えるわ〜と歌う「The World's Gone Beautiful」や♪LSDよりもDDTが貴方を確実に死に追いやるのよ〜と殺虫剤「DDT」の危険性(実際アメリカでは73年に使用禁止になったらしい)を説いた「D.D.T. on My Brain」など。英語にあまり強くない僕にも平易で力強いメッセージがひしひしと伝わってくる。凄いわ、この婆さん。その知名度の高さの割に音源の復刻が進んでいない彼女、「自衛隊に入ろう」の原曲を突き止めるまで、今後も僕はしつこく音源を探そうと思っている。

Dance Sing and Listen ('63) Dance Sing and Listen Again & Again ('65) The Way-Out Record for Children ('68) The Electronic Record for Children ('69)

 最後はこれもムーグもの(?)ブルース・ハーク1970年のアルバム。以前このブログでもチラッと触れたことがあったが、彼が「ミス・ネルソン」とコンビで60年代に自主制作の形で発表したアルバムの数々は、上掲のアルバムジャケットのヤバさからも察せられる通り電波がユンユン飛びまくる怪作揃い。これらが子供の情操教育のために作られたというのは驚きだが、ピカソが「子供の時の感性を大人になっても持ち続けた天才」と称されるように、ハークのとっ散らかった電子音楽も、同じ類いの才能の賜物なのかもしれない。。

 そんな彼の活躍(?)にメジャーのレコード会社が目を付け、コロンビアからリリースされたのがこのアルバム(ジャケットに初めて色がついた!)。ミス・ネルソンの登場はなく、内容も大人向けに、ややシリアスになった印象。メジャー・リリースを意識してか、かなり“エレクトリック・ポップ”な部分が強調されており、エキセントリックさこそ相変わらずではあるが、結果的に彼のアルバムとしては最も聴き易い内容になっている。でも、こうなると以前の天真爛漫さが懐かしくなるんだよなー。最初聴いた時は散々ひきまくったくせに・・。

 なおこのCDにはボーナスで同年にカナダのラジオのために録音されたインタビューが延々と収録されており、彼がビートルズやムーディ・ブルースの作品に触発されてアルバムを制作していた・・なんて事実もわかったりするのだが、ここでの語り口を聴く限り、ブルース・ハークは凄く真っ当で理知的な人のように思える。それでも音楽はああなっちゃうんだから、本当に人間はわからないものである。。

 なお「The Omni Sounds Corporation」のカタログを調べたら、この手の「ストレンジ系」なCDばかりでなく、かなりマニアックなカントリーなども復刻していることがわかった。そこら辺も入手次第ご報告したいと思う。
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2007年06月04日

A Brand New Me - Liberace (Collectors' Choice Music)
The Whole Enchilada - Trini Lopez (Collectors' Choice Music)
The Beau Brummels (Collectors' Choice Music)

A Brand New Me - Liberace The Whole Enchilada - Trini Lopez The Beau Brummels ('75)

 次から次へと珍しいアルバムをCD化してくれるコレクターズチョイス・ミュージック。今回も普通の発想ではちょっと思いつかないようなアルバムをリリースしてきた。

Liberace!! まずはリベラーチェ。ラウンジ系の高名なピアニスト、というより元祖「おねえMANキャラ」で知られる彼は、没後20年を迎えようという現在もなお、ラスヴェガスではエルヴィスと並ぶ名物的存在。恐らくリトル・リチャードも、エルトン・ジョンもこれまでに何千回と「R&R版リベラーチェ」と称されたであろうくらい「その業界」の先駆者なのだ。

 生前の彼は数えきれない枚数のアルバムを残しており、今回CD化されたのはそのキャリアの後期にあたる1969年にワーナー・ブラザーズからリリースした「A Brand New Me」。アルバムタイトル曲から察せられる通り当時の最新ヒットを彼のやたら装飾の多いピアノ演奏でカバーしてみせたもので、ソフトロック的な見地からも楽しめる選曲になっている。中でも面白いのがビリー・ジョー・ロイヤルの「Cherry Hill Park」とリチャード・ハリスの「McArthur Park」、キース・バーバーの「Echo Park」を並べた「公園メドレー」で、よくもこんなバカバカしいアイディアを思いつくものだと思う。各曲の「つなぎ」は結構上手くいっているとは思うけど。

 他にメドレーではニール・ダイアモンドの「Holly, Holly」と「Sweet Caroline」を合わせたもの、あとこれはメドレーではないがCSNの「青い瞳のジュディ」をインストでやってしまうのも、結構凄い発想(正直いってあまり意味がない)。“単品”では如何にも「エレベーターのBGM」なアレンジのB.J.トーマス「雨にぬれても」、クラシックス・フォーの「トレイセス」あたりが楽しい。

 2枚目はやはりエンタメ界の人気者、トリニ・ロペスが1969年に発表したアルバム「The Whole Enchilada(あるものすべて)」。彼の人気が下り坂にあった時期の作品なので、初期の勢いは感じられないのだが、これはこれでまずまず楽しめるアルバム。

 プロデュースを担当しているのはトミー・ボイス&ボビー・ハートで、彼らの作品が4曲収録されているのもポイント。「I Wonder What She's Doing Tonite」「Come A Little Bit Closer」「My Baby Loves Sad Songs」どれも悪くはないのだが、サウンドが当時としても相当チープで、もうちょっと工夫があってよかったのかも。

 その他カバー曲では超クールなマーヴィン・ゲイの「悲しい噂」がネタとしては最高、あとドノヴァンの怪し気な「Lalena」あたりも聴きどころか。トリニ・ロペスファンよりも、ボイス&ハート〜モンキーズ近辺の音源を一生懸命集めているタイプの音楽ファンによりアピールする内容かもしれない。

 最後3枚目はボー・ブラメルズが1975年に一瞬だけ再結成して残したアルバム。この時期のアメリカは何故か回顧調の音楽が流行っていて、「アメリカン・グラフィティ」がヒットしたり、ビーチ・ボーイズが復活したり、カーペンターズが「ナウ&ゼン」を発表したり・・と、60年代の音楽が再び注目される空気があったように思われるのだが、そんな中で彼らも「もう一回やってみない?」と声がかかったのかもしれない。

As Time Goes By - Harpers Bizarre ('75) で、肝心の内容だが、意外なことにこれが相当いい。僕たちの好きな「ボー・ブラメルズ」の音楽がここにはある。勿論アルバム「Triangle」のような華美な世界は存在しないが「Bradley's Barn」を愛聴している人であれば、これは是非とも入手すべきアルバムだろう。「You Tell Me Why」のリメイク以下、収録曲すべてがロン・エリオットの手による、というのも嬉しい。

 ちょうどこれと同じ頃、かつてレーベルメイトであったハーパース・ビザールもテッド・テンプルマン抜きで再結成し、アルバム「As Time Goes By」を発表しているが、あのアルバムが意外なことに60年代のハーパースの面影を色濃く残した佳作だったのと同様、このアルバムもハーバンク・サウンドのファンであれば手許に置いておきたい1枚。お薦めします。他にもこの当時いろいろ出ていたであろう「再結成もの」アルバムの存在が気になってきた・・。
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2007年06月01日

The Definitive Collection - Neil Sedaka (Razor & Tie)
The Complete Cadence Recordings 1959-1964 - Lenny Welch (Ace)

The Definitive Collection - Neil Sedaka ('07) A Taste of Haney: The Complete Cadence Recordings 1959-1964 - Lenny Welch

 つい最近、一部のオールディーズファンの間で「R&R3大おねえMANS」というのが話題になったことがある。1人はリトル・リチャード、納得。もう1人はエルトン・ジョン、彼も欠かせない。で、あと1人がなんとニール・セダカ。えーっ!確かに当時の映像など見ると少々“おキャンな”雰囲気なきにしもあらずだが、実の娘とのデュエット・ヒットもある彼を「おねえMANキャラ」にしちゃうのはなんだか失礼だなーという気もしなくはない。

 先日の訪米報告でも書いた通り、彼のライブをニューヨークで観てきた。生で観たセダカ先生は勿論「どんだけーっ!」などと絶叫するはずもなく、妻や娘、孫まで客席に招待して非常に元気なところを見せてくれた。その彼がちょうどその頃リリースしたCD(ライブはこのプロモーションのために開催された)が「Definitive Collection」。クレジットが余り詳しくないので幾分推測混じりではあるが、全22曲のうち60年代のヒットの再録(雰囲気はあまり変わっていない)が6曲、70年代の録音が約10曲、その他貴重なデモ録音や最近の録音が数曲ずつという構成。

 彼のキャリアをザァッとたどれるなかなかいい内容のコンピなのだが、オールディーズ・マニア的に気になるのはやはり初出のデモ録音。今回収録されたのはコニー・フランシスの「Where The Boys Are(ボーイハント)」とジーン・ピットニーの「It Hurts to Be in Love」のオリジナル・バージョンで、前者は当初かなりアップテンポな感じで作られていたことを知ることが出来るし、後者はデモの段階で殆ど完パケ状態(セダカとピットニーの声を入れ替えただけ)であったことがわかって面白い。

The Globetrotters ('70) あとこれは初出ではないが、1970年に彼の長年のビジネスパートナーであるドン・カーシュナーが制作したアニメ番組「The Globetrotters」のサントラに提供した「Rainy Day Bells」のセダカ・バージョンも非常に素晴らしい出来で、これが聴けるのも嬉しい。「The Globetrotters」はニューヨークに実在するバスケットボール・チームだが、レコーディングに参加したメンバーは元ドリフターズ、コースターズ、プラターズなどの「60年代ドゥワップ・オールスターズ」。アルバムはオールディーズ・マニア垂涎のレア盤なので、是非近いうちに世界の何処かでCD化が実現することを願いたい。

Anthology (1958-1966) - Lenny Welch ('96) 「The Definitive Collection」はビルボードチャート初登場22位(!)という好成績を記録したので、今後彼の過去の音源復刻に拍車がかかるかもしれない。個人的には60年代後半の「The Complete Kirshner Years」なんてのが出てくれると嬉しいなー、なんてことを考えているのだが。で、もう1枚は60年代前半に活躍したバラディアー、レニー・ウェルチのベスト盤。彼のヒット曲を集めたCDといえば、1996年にTaragonというレーベルからリリースされたものがあったが、今回はそれから約10年ぶりの新装盤で、彼の全盛期であるケイデンス時代のコンプリート録音集。

 「You Don't Know Me」「Ebb Tide」そして「Since I Fell for You」と、バラードを得意とした彼なので、やはりバラードが多く、しかもそこら辺はほとんどTaragon盤で聴ける。新たに追加された曲の方はR&R系の曲が多く、彼がバラード一辺倒の歌手ではなかったことがわかるが、でもここら辺の録音って、当時も今も評価されていないものなので・・。音が良くなったのが、このCD最大の評価点だろうか。。

 なおこのCDには収録されていないが、ウェルチは1970年にニール・セダカの「Breaking Up is Hard to Do」をリメイクしヒットさせている。このためにセダカが録音したデモ・バージョンが、その後76年にセダカ自身が再録音し大ヒットを記録したこの曲のスロー・バージョンそのもので、初めて聴いたとき非常に驚いた覚えがある。レニー・ウェルチ版「Breaking Up 〜」も、いずれCDで聴けるようになるといいのだが。
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2007年05月28日

New York見聞録(レコードショップ編)

Washington Square 1ヶ月続けた訪米レポート、最終回はニューヨークのレコード屋巡りのご報告。ニューヨークのレコード屋、特にアナログ盤を扱っている店はグリニッチ・ヴィレッジ周辺に集中しているようなので、ネットで得た情報を頼りに、ヒット曲のタイトルで有名なワシントン広場を起点に1日歩き回れるだけ歩き回ってみることに。

Cafe Wha? 行ってみて判ったことだが、番地を確認しながら10数軒回ってみて、未だに営業を続けていた店はその半分ほど。廃業してしまったのか、それともネット通販に専念してしまったのか・・。レコード小売業はどこの国も厳しいようだ。また置いてあるアナログ盤も80年代のものが中心になっている店が多く、これも時代の移り変わりというやつか。60年代ものは店の隅に寂しく一箱にまとめられている・・というケースが多かった。

Breeker Street Records

Bleeker Street Records サイモンとガーファンクルの歌のタイトルにもなっている「ブリーカー・ストリート」に面したレコード店。店の1階はCD店、その地下がアナログ売り場になっており、品揃えはそれほどいい訳ではないが、値段は比較的良心的。15ドル以上の「貴重盤」はレジ前の棚にまとめて置いてあるので、てっとり早くそこだけを見てもいいのかもしれない。店のオヤジがカウンターの上に裁縫道具を並べて、銀ラメのドレスを縫っていたのは不気味だった・・・アンタが着るのか??

The Bob Crewe Orchestra Plays The 4 Seasons’ Hits! (’67)

Bob Crewe Orchestra Plays The 4 Seasons' Hits! これは多分「Jersey Boys」を観たから買う気になったのだろう。フォー・シーズンズのプロデューサーであるボブ・クリューが「ボブ・クリュー・ジェネレーション」以前に発表していたインスト・アルバムで、フォー・シーズンズのヒット12曲を再演。「Jersey Boys」に登場するクリューは随分調子のいい男だったが、実際の彼もそうなのだろうか?

My Kind of Soul - Len Barry (’67)

My Kind of Soul - Len Barry ダヴェルズのリードボーカルで、ソロとしても「1-2-3」のヒットを持つレン・バリーがRCAビクターに残したアルバム。昨年彼の60年代の音源が自主制作の形でCD化されたが、RCA時代だけはごっそり抜けていたのでその補完の意味で購入。彼なりの「ソウル・ミュージック」が聴けるが、アーリー・フィラデルフィア的な味わいはあまりないか。

The Arbors Sing The Valley of The Dolls (’67)

The Arbors Sing The Valley of The Dolls イージーリスニング系。アーバーズが「The Letter」でサイケになる前のアルバムで、清々しいハーモニーが聴ける。60年代ポップス・ミーツ・フォー・フレッシュメン的趣き?レターメンほどベタではなく、微妙なバランス感覚を楽しめる。この前後のアルバムも是非入手してみたいが、そこら辺は気長に取り組んでいくことにするか。

Emergence - Neil Sedaka (’71)

Emergence - Neil Sedaka ニール・セダカがそのキャリアのどん底、70年代初頭に長年のビジネス・パートナーであるドン・カーシュナーのレーベルから発表したアルバムで、日本ではここから「Superbird」がヒットを記録した。これも数日前に彼のライブを観たことを記念して購入したものだが、帰国して聴いてみたら大変な力作で驚いた。どの曲も大変なテンションで作られており、件のライブでも披露されていた「Cardboard California」などはセダカ版「McArthur Park」の雰囲気さえある。いいアルバムなのに。でもこの作品の意気込みが当時完全に空回りに終わったのは、このアルバムが1ドル99セントで買えてしまったという事実が雄弁に物語っている。

House of Oldies

House of Oldies 多分世界で一番有名なオールディーズ専門店。で、レコードの値段も多分世界一高い(笑)。再発盤でも最低30ドルの値段がつけられているので、その価格設定は東京でいえば「マンハッタン・レコード」並みか(??)。ここのオヤジさんがまた頑固で、レコードは客に触らせないし(盤を抜いてジャケットだけ棚に置いてある)、置いてない商品は「ない」とは言わずあくまでも「売り切れだ」と言い張ったり(笑)と、とにかく愛すべき人ではある。残念ながら希望のレコードがいずれも「売り切れ」だったため、今回は何も購入出来ずに店を出た。

Rebel Rebel

Rebel Rebel ブリーカー・ストリートの先の方にあるアナログ専門店。デヴィッド・ボウイの曲から店名をとっている通り、70年代のやや尖ったロックに強い店で、他には80年代もの、ダンスミュージックの12インチが主力。60年代ものは「クラシックロック」の名称で段ボール箱3つくらいにまとめられており、殆ど感心がない様子。意外とこういうところに掘り出し物があったりするものだが、残念ながらこの日はクズばかりであった。。

Bleeker Bob's Rare Records

Bleeker Bob's Records ブリーカー・ストリートからややワシントン広場寄りに行ったところにある中古屋。パッと見普通のレコード屋だが店内はお香が焚かれており、店のオーナーと見られるオヤジさんは元ヒッピー風で怪しい雰囲気。在庫はかなり多い方ではあるが、品揃えはここも70〜80年代ものが中心で、60年代のポップスものは「60年代TOP40」と書かれた箱にひとまとめにされていた。

Wax Museum Vol.2 - Jay & The Americans ('70)

Wax Museum Vol.2 - Jay & The Americans ジェイとアメリカンズがR&Rリバイバルの波に乗って発表したオールディーズのカバー集。実はこのアルバム、前年に出た「Sands of Time」と全く同内容で、この年に出たその続編「Wax Museum」がタイトルとしてしっくりくるということなのか、ジャケットを改めの「Vol.2」として出し直されたというややこしい一枚。既にCD化もされているのでわざわざアナログで入手する必要はないのだが、このジャケットが「顔出し看板」風で以前から妙に気になっていて、とうとう入手してしまった次第。いつかこのジャケットデザインを加工して、サイトで使ってみようと思っている・・。

Ricky Segall and The Segalls ('73)

Ricky Seagall and The Segalls お子様ポップス好きなものだから、どうしてもこういうのに手が伸びてしまう・・。「パートリッジ・ファミリー」に一時期「近所の子供」役で出演していたというリッキー・シーガルのアルバムで、全曲当時4歳(!)だった彼の作詞作曲ということになっている。内容はねー、耳がキンキンするようなキディ・ポップで最後まで聴くのが途中で辛くなるのだが、クレジットを見るとドラムはハル・ブレインとジム・ゴードンとか、参加メンバーは超一流なんだよねー。もうちょっと我慢して聴いてみて、いいところを見つけようと思っている。。

Finyl Vinyl

Finyl Vinyl こちらはイースト・ヴィレッジ寄りにあるアナログ専門店「ファイナル・ヴァイナル」。ちょっと見つけるのに苦労するくらい地味な店構えで、店のドアは施錠されている。中を覗くと店主がようやく鍵を開けてくれ、入ると店内の床にはゴミが散乱、レコード棚の上には未整理のアナログ盤が積み上がっているしで、店名どおり「終わってる」感が強い。店主はあまり店舗経営に興味がないようで、僕が店内にいる間ずっとレコードの検盤をしながらその内容をネットに書き込んでいた。

The 1969 Warner/Reprise Songbook ('69)

The 1969 Warner/Reprise Songbook 69年にリリースされたワーナー系の2枚組コンピレーションで、当時の“オルタナ系”がギッシリ。一面全部がバーバンク・サウンドというサイドがあり、個人的にはこれが一番楽しい。ヴァン・ダイク・パークスが作ったダットサンのCMソングが聴けるのは、今も昔も多分ここだけ。他にもジェスロ・タルからヴァン・モリソン、ザッパやファグスにペンタングルやキンクスまで、米国配給の都合とはいえよくここまで揃ったものだ・・という顔ぶれ。ジャケ写にはこれからザッパが売り出す予定だった「GTOs」のメンバーが登場、本当にこの時期の“ヒップな”空気を真空パックしたようなアルバム。

Joyful - Orpheus ('69)

Joyful - Orpheus ボストンのソフト・サイケバンド、オルフェウスの3作目。これも既にCDになっているのだが、アナログで持っていてもいいバンドかな、ということで。彼らの哀愁味溢れるサウンドは本当に好きで、聴いてて心が和む。このアルバムからは「Brown Arms in Houston」が小ヒット('69米91位)を記録、これもまたいい曲なのだ・・。

Other Music Inc.

Other Music 「メインストリーム以外の音楽を取り扱っています。」がモットーのこの店は、日本でいえば下北沢や宇田川町の目立たないところにひっそりとあるタイプのこだわり系レコード店。商品のセレクトには店員の好みがかなり色濃く反映されているようで、ジェイムス・ブラウンとオルタナティブなフォーク系アーティストのCDが隣り合わせで並べられていたりする。店の壁には何故かカルメン・マキ&OZの中古盤が飾られていたのが印象に残った。

 と、これだけ数時間で歩き回ってすっかりクタクタ。この日も暑かったし・・。一点気づいたことを書いておくと、アナログ盤屋の殆どはクレジットカードが使えず、現金オンリーと言われることが多かった。「手持ちがないんだけど・・。」というとATMを指差し「あそこでキャッシングしろ。」と言われるので、レコード漁りをするのであればある程度の現金は用意しておいた方がいいだろう。

 そんな訳で今回の訪米レポートはおしまい、また近々アメリカを訪れた際は、もっとポイントを絞ってじっくり「掘れる」時間を確保しようと思っている。

 さて、そろそろたまりにたまったCDの紹介に戻らねば。。
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2007年05月25日

New York見聞録(ミュージカル編)

 今回はニューヨークで観劇したミュージカルのご報告。どちらも現地では大変な人気で、チケット入手困難な演目2本を幸運にも観ることが出来た。

"Wicked"@Gershwin Theatre 5/2/07 Wed.

Gershwin Theatre 基本的に毎晩夜公演1回(月曜は休演)のブロードウェイ・ミュージカルだが、水曜日だけは昼公演があり、その機会に人気ミュージカル「Wicked」を観劇。これは知り合いのブロードウェイ通(いや、むしろブロードウェイ狂というべきか)が数ヶ月前に渡米した際にチケットを入手してもらったもの(感謝!)で「とにかく現地で人気の高いものを」とのリクエストで決まった作品。その後あんなに日本公演のCMが繰り返し流されることになるとは、その時は知りもしなかった・・。

Wicked この作品の前知識は殆どなく【オズの魔法使い外伝】くらいの話しか聞いていなかったので、最初一体どういうストーリーなのか把握するまで少々時間がかかったが、段々人間関係がわかってくるにつれ話に引き込まれていった。これは面白い。

 物語は、勝手に一言で要約させてもらうとエメラルドシティの2人の魔女の若き日を描いた【魔女っ子青春伝】といった感じ。勿論結末は書けないが「オズの魔法使い」の陽気な「Ding Dong! The Witch is Dead」の裏側には、こんな人間模様(魔女だから魔女模様?)があったのだ、という話になっている。

KENDRA KASSEBAUM & JULIA MURNEY 僕が思うに、この作品のメインテーマは「女同士の友情」で、これもブロードウェイ・ミュージカルとしてはユニークかもしれない。主役の2人のうちエルファバ(悪玉魔女)を演じるジュリア・マーニーはもの凄い声量と歌唱力で、彼女がソロナンバーを歌い上げると場内は拍手喝采の嵐。一方グリンダ(善玉魔女)役のケンドラ・キャセバウム(読み方自信なし)はもの凄く【ガーリー】な設定で、プクプクふくよかな彼女がブリブリな仕草や発言(彼女は現在34歳)をする度、客席の女の子たちはキャーキャー大喜び。このコンビネーションがもの凄く面白かった。

 作品は結構ジーンとくる結末になっていて、休憩を挟んで3時間弱のステージは全く飽きることなく終わった。舞台の仕掛けも大掛かりだし、これを本当に日本人制作&キャストでできるの??とずっと考えながら観ていたのだが、筋に所々わからない箇所があったのでその確認と、エルファバとグリンダのやり取りがどのように日本語化されているかを確かめに、いずれ日本版も観に行ってみたいと思っている。

"Jersey Boys"@August Wilson Theater 5/3/07 Thu.

Jersey Boys 今回の旅行最後の用事、そしてニューヨークにおける最大のイベントの1つが「Jersey Boys」。フランキー・ヴァリ&ザ・フォーシーズンズの成功物語をミュージカル化したもので、登場人物はすべて実名。 上演されて1年半以上になるがもの凄い人気で、渡航前の数ヶ月毎日ネットでチケットの発売状況をチェックして、ようやく入手出来たのが1枚のみ。

August Wilson 上演されている「オーガスト・ウィルソン劇場」は劇場街の外れ52番街近くにある。地下鉄に乗って劇場に到着すると客の年齢層がメチャクチャ高く、60歳代が中心。確かにフォー・シーズンズがリアルタイムであればそういう年代にはなるのだが・・・前日観た「Wicked」と比べたら倍くらいか。タイトル通り前半はニュージャージーを舞台にしたストーリーなのでかの地より観劇に来ている客も多いようで、ニュージャージーネタが飛び出すと客席の一部が大盛り上がりしたりする。

Jersey Boys このミュージカルの成功の理由はジョン・ロイド・ヤングというフランキー・ヴァリそっくりに歌える役者を見つけたこと、それがすべて。彼らの出逢いからレコードデビューまでの経緯が詳細に描かれていて、その後はただひたすら彼らのヒット曲が満載(「Sherry」や「Can't Take My Eyes Off You」などのイントロが流れると、場内は大拍手!)の非常に楽しい2時間強。ただ、予想していたよりドラマ部分の比率が高く、それが若干全体をダレさせているかな?という印象も。この作品を単なるジュークボックス・ミュージカルで終わらせたくないという意気込みの現れだとは思うのだが、流れが何度も断ち切られるのでそれがちょっと気になった。逆にいえばこの舞台構成のまま映画化も出来るんじゃないか?とも思ったが。勿論ジョン・ロイド・ヤングの主演で。

 若干声が疲れている印象はあったが、ジョン・ロイド・ヤング、彼が出ているうちにこの作品を観ることが出来てよかった。楽器を弾きながらのシーンが結構ある特殊な舞台ということもあり、プログラムを見るとこの作品がブロードウェイデビューの俳優が(ヤングも含め)非常に多く、経験の浅いキャストを集めてこれだけの成功作にしたのは本当に凄い、と思った。彼らの出演契約がいつまで続くかわからないし、来年にはラスベガス進出も決まっているそうなので、オリジナルメンバーの「Jersey Boys」が観られるのはそう長くはなさそう。興味のある方はこの夏にでもニューヨークに観に行った方がいいでしょう。

 余談だがミュージカル終演後、劇場を出たら目の前に何台ものリムジンが横づけになっていてビックリ。すべて観客が呼んだものではなく、その場で客待ちしている(乗り合いリムジンて!)のも多かったようだが、さすが他所とは客筋が違うな・・と思い知らされたものだった。僕はホテルまで歩いて帰りました。
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2007年05月22日

New York見聞録(ライブ編)

 ニューヨークに滞在した4日間も(ニューオリンズほどハイテンションは続かなかったが)音楽三昧の毎日で、様々なものを観、多大なる情報やヒントを得た。これから何回かに分けて、テーマ別にニューヨークで観たものをご報告。まずはライブ2本の紹介から。

Neil Sedaka@Joe's Pub 5/1/07 Tue.

Joe's Pub ニューヨークで観たライブの一本目はなんとニール・セダカ!これはちょうどこの頃彼のキャリア50周年を記念してリリースされた最新ベスト「The Definitive Collection」のプロモーションのため実現したクラブライブで、会場はグリニッチ・ヴィレッジの一角にある「Joe's Pub」というお店。定員が200名そこそこという狭いところで観れたのは非常にラッキーだったが、60代中心の客に混じってギュウギュウ詰めに座らされ、しかも料理とドリンクをオーダーしなければならない・・という状況には少々閉口した。

The Definitive Collection - Neil Sedaka ('07) この時リリースされた「The Definitive Collection」の内容はいずれこのブログで詳しく紹介するが、60年代のヒット(再録)と70年代のヒット(オリジナル録音)、それに近年の録音や初期のデモ録音なども収録されたまさに彼のキャリアを総括した内容。ステージでセダカ自身が言っていたが、このCDのリリースに際し所属のレコード会社はかなりプロモーションに力を入れたようで「Joe's Pub」の一週間公演に加えてTV出演や、この前日にはカーネギー・ホールで開催されたニューヨーク・ポップスのコンサートへゲスト出演と、非常に精力的。「レーベルはこのCDをビルボードチャートにランクインさせるって張り切ってるけど、それが本当に実現したら僕にとって28年ぶりのことなんだよね・・。」と話していた(何週間か前にその結果が発表されたが、成績はなんと初登場22位!!これは75年に最高16位を記録したアルバム「The Hungry Years」に次ぐ彼の全キャリア通じて2番目の好ランクなのだ)。

 この日のライブはCD収録曲を中心にピアノ一本であれこれ聴かせる内容で、とにかくよく喋りよく歌う1時間強だった。ニール・セダカというとライブはレコードほど良くはなく、声量不足が気になる・・という話をよく聞くが(学生時代にサンケイホールで彼の来日公演を観たうちの母親にもよく言われる・・)この日の彼はそんな悪評も吹っ飛ばす、もしかしたら70年代より声が出てる!?くらいの好調ぶりだった。披露された曲を曲前のコメントを交えて紹介しておくと

Neil SedakaThe Other Side Of Me 「これは僕のごく初期の作品、50年以上前に書かれその後レコードになったものです。」
Laughter In The Rain (特にコメントなし)
Oh! Carol 「これはキャロル・クライン(後のキャロル・キング)という友達を歌った曲。彼女も『おぉニール』という曲を歌ったけど、それは全然売れなかった。」
The Hungry Years (このライブは彼のキャリアを総括する性格のものだったため、彼がジュリアードでピアノを専攻し、その後R&Rに転じて母親を多いに落胆させたことや、アトランティック・レコードと契約して売れない曲をいっぱい作ったこと、エルヴィスに続くセックス・シンボルとしてRCAと契約したこと←場内大ウケ・・など初期の逸話が数多く紹介されたが、それらに絡めて)「この曲はそんな時代、もう何十年も前のことを懐かしんでハワード・グリーンフィールドと作ったものです。」
Stairway To Heaven 「これがオリジナル版『天国への階段』です。」
Calendar Girl (これは毎回日替りでゲストを呼んで披露。この日出て来たのが誰だったのか結局わからなかったが、他の日にファウンテン・オブ・ウェインのメンバーが登場したシーンをYouTubeで観ることが出来るのでこちらをご参照)
Where The Boys Are 「僕のキャリアの初期に、素晴らしきコニー・フランシスが歌ってくれた曲(セダカが歌ったバージョンは『彼女は誰かを待ち続けている』と第三者的な歌詞に変えられていた)」
Happy Birthday Sweet Sixteen 「僕は60年代当時“King of Dooby Dooby”とか“King of Tra-la”とか言われてたんだよ。」
You 「『今も作曲は続けているんですか?』と人によく聞かれる。勿論。これは最近作った曲の一つ。」
Solitaire 「この曲は本当に色んなアーティストが取り上げてくれた曲。」
Cardboard California (これはコメントなく披露。この曲が入ったアルバムを買った時の話を後日書くが、セールス的にどん底だった時期に作ったこの曲を今も誇らし気に演ってくれたのは嬉しかった)
Love Will Keep Us Together 「これはキャプテン&テニールが大ヒットさせた曲。トニ・テニールは本当に素晴らしい歌手。旦那は・・・ヘンな奴。」
Bad Blood 「今日はエルトン・ジョンが来てないからみんなが代わりにコーラスを歌ってね。」
Breaking Up Is Hard To Do (Slow Version) 「僕のキャリアで2回ヒットした曲が1曲あって。最初はR&Rビートで、その次はこのバラードで。」
That's When The Music Takes Me (これはアンコール最終曲。彼のテーマ曲的な感じで演奏していた)

 この日の客席には彼の妻や娘のデラ・セダカ、孫まで来ていたようで、もしかしたら父娘デュエットもあるのか??なんて期待も持たせたが、さすがにそれは実現しなかった。取りあえず憧れのニール・セダカ、彼を間近に観られたことは非常に嬉しかったし、元気なのも嬉しかった。今度来日公演が実現したら、是非うちの母親を連れて行って、彼の声量を認識させたい。

Amateur Night@Apollo Theater 5/2/07 Wed.

The World Famous Apollo Theater ニール・セダカの翌日はハーレムのアポロ・シアターへ高名な「アマチュア・ナイト」を観に。一度は観たいイベントでしょ。実際行ってみたら日本人客の多さにビックリしたけど・・。

 アポロ・シアターは近年すっかり観光地として繁盛しているようで、客席は大変綺麗、場内案内もいき届いていて、まるで時折東京都の公営スポットなのでは??と思わされることもある「新宿末広亭」職員のシステマチックな感じを連想させた。一階の客席は3ブロックに分かれていて、左右両側のブロックはツアーのオプションで申し込んだ感じの団体客で埋まり、真ん中は窓口販売でチケットを買った客が座る、といった感じ。僕は真ん中のブロックの後方に座っており、前の何列かの客席が開演時間になってもポッカリ空いているのが不思議だったのだが、その理由は暫くして判明する。

 ショーが始まるとまずは「客いじりタイム」。別にそういうコーナーではないが、客席から出たがりを何人か舞台に上げてのダンスコンテストを開催。さすがにダンス自慢が何人もいて中にはダンススクールの修学旅行みたいな団体もおり随分盛り上がっていたが、昨今アポロでは日本人客をいじるのが【オイシい】となっているようで、この日もMCが「まずは日本人の方からー。」なんてことを言って何人かを引っ張り上げていた。

Tree of Hope で、ショーの後半はお待ちかねのアマチュア・コンテスト。この時間帯になるとそれまで空いていた中央の席に地元客とおぼしき人々がゾロゾロと着席。彼らのための席だったのだ。この地元客が凄くて、かなり幼い子供などもいたりするのだが「本場のブーイング」というものを目前で観させてもらった。舞台の下手にはこのコンテストにご利益があるとされている切り株(?)の像があり、出場者は皆これに触ってから演目を始める。

C.P. Lacey ショーのMCは名前を失念してしまったが(MTVでショーを持っているようなことを言っていた)バックのバンドといいコンビネーションでジョークを連発、この人がとにかくその日の出場者をネタにして、合格者でも不合格者でも物まねしたり大袈裟に誇張したりで笑いをとる。出場者の合格不合格は客の反応で決めていて、中にはだた「Boo」と言いたいだけじゃないか?というくらい、どのパフォーマンスでも始まった途端にブーイングする客や、あきらかに出場者の応援団らしき一団がいて、他の出場者にはブーイング、自分の応援する人のみ喝采・・という場面も観られたが、概ね皆公正にジャッジしていた。同じパフォーマーでも、歌いだしでは「Boo」でもやがてサビで熱唱になると「Wow!」に変わったり、年輩の出場者に子供たちがブーイングしてると、その親が「黙って聴きなさい!」とたしなめながら声援を送ったり・・と、日本ではなかなか見られない光景の連続が興味深かった。不合格が決まった出場者を舞台の袖まで「送還」するパフォーマーのC.P.レイシーも面白く、毎度衣装を替えて客席を楽しませてくれる。

 結局コンテストはブロンクスから大応援団を率き連れてきた女の子(確かに歌は上手かった)がその歓声の大きさで圧勝したが、この日の裏の主役は「プリティ・リッキー」と名乗った男性シンガー(同名のアイドルグループとは何の関係もなさそう)で、彼のフリーキーささえ感じられる猫なで声(アレサ・フランクリンの「Don't Play That Song」を、床に這いつくばりながらオリジナルと同じキーで歌った)はそのショーを通じて何度もMCのネタにされ、客席の子供たちも再三そのモノマネをせがんで、MCがそれに応える度大喜び・・・と殆ど「プリティ・リッキーデー」と化していた。結局その彼は次の予選には勝ち進めなかったのだが。。

 披露されている音楽やパフォーマンスに取りたてて特別な何かを感じた訳ではなかったが、会場の雰囲気は音楽ファンでなくとも一度は味わってみていい場所ではないかと思った。ツアーコースとしてすっかり定番化しているようで、危険を感じるような雰囲気は表通りを歩いている限りはまったくなかったし。ニューヨーク観光の際は是非立ち寄ってみることをお勧めしたい。
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