2018年08月04日

Fab Gear: The British Beat Explosion and Its Aftershocks 1963-1967 (RPM)



イギリスのRPMがリリースしたCD6枚組185曲入り(!)の60年代ブリティッシュビート・アンソロジー。ビートルズがバンドブームに火をつけた1963年から、音楽界がサイケデリックに染まる67年までに録音された作品を、パイやエンバーといった独立系のレーベルを中心に集めた収録曲のほとんどが当時大きな成功を収めることなく終わったバンドによるもので、ヒットチャートに登場した作品も数えるほどしかない。僕も30年近くこの手のCDを買い集めているが、未だに初めて知るようなバンドの録音が多数出てくるのだから、まさに“汲めども尽きぬブリティッシュビートの泉”。まだまだ勉強させていただきます。。


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Planet Beat: From The Shel Talmy Vaults (Big Beat)



エース・レコードによるイギリスの伝説的なプロデューサー、シェル・タルミーの“蔵出し企画”第3弾はビートロック編。第2弾は彼が興したプラネット・レコードの音源から“モッド”をテーマにしたセレクションだったが、今回は彼が様々なレーベルで手掛けた作品から“モッド”な録音が選ばれており、前作同様クラブユース的な観点からも非常にユースフルなコンピレーションになっている。全24曲のうち半数以上が今回初出音源なので、新たな“モッド・クラシック”の世界初登場を皆で喜びたい。



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What Did You Do In The Beat Era... Daddy!!!: The Kiwi Music Scene 1963-1966 (Frenzy Music)

What Did You Do In The Beat Era... Daddy!!!

こちらは英米でビート・ブームの嵐が吹き荒れていた頃、ニュージーランドはどうだったの??というコンピレーション。地球を四分の一周するほどの距離はあるもののさすがは英語圏、リアルタイム感のあるサウンドで、しかもこの後のロック史を通じてオセアニア圏のロックバンドに共通することだが本場よりポップでマイルドな持ち味のアーティストが多い印象。この手の企画、世界中でシリーズ化されると非常に面白いことになると思う。


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2018年08月01日

ADLIB presents ビクター和フュージョン・プレミアム・ベスト: 10th Avenue (+2) - 阿川泰子 (Victor Entertainment)
ADLIB presents ビクター和フュージョン プレミアム ベスト: Best Jazz Ballads - 阿川泰子 (Victor Entertainment)



こちらも日本のフュージョン・ミュージックを紹介するシリーズの中でリリースされたもの。阿川泰子といえば、80年代当時まだ子供だった僕には【よくTVに出てきて甘ったるい声でジャズを歌うおばさん(失礼!)】という印象が強く「オジサマ族のアイドル」なんて言われ方もしていたような記憶があるが、作品を現在聴き直してみるとストレートなジャズより当時の言葉でいえば“アーバン(アーベイン?)コンテンポラリー”な作風の録音に聴きものが多く、80年代当時のジャズ風味なR&B(洋楽)と比べて聴いても遜色がない(さらにいえば彼女は当時まだ“お姉さん”というべき年齢だった・・・)。1988年にリリースされたリミックス・ベスト『10th Avenue』にはそれら“聴きもの”が数多く収録されており、海外も含め再評価の機運が高まっている彼女の魅力を改めて知ることができる。

もう一枚の『Best Love Ballads』は彼女の【よくTVに出てきて〜】のイメージにより近いコンピレーションで、「シュガー・ボイス」とも称された甘い歌声で歌われるスタンダード・ナンバーや当時のコンテンポラリーなナンバーは、サウンドこそ古臭さはあまり感じられないが、どうしてもジャズには聞こえない録音も少なからずあり、若干退屈。



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ADLIB presents ビクター和フュージョン・プレミアム・ベスト:ザ・ベスト - サディスティックス (Victor Entertainment)



日本のフュージョンの名盤を復刻するシリーズの中でリリースされたサディスティックスのベスト盤で、1980年にアナログでリリースされた内容をリマスターの上ストレート・リイシュー(工夫がないという話もあるが・・)。前身のサディスティック・ミカ・バンドから加藤(元)夫妻が抜けて残された後藤次利、高橋ユキヒロ、今井裕、高中正義の4人が発表した3作(ライブアルバムを含む)からの選曲で、既に各々がソロ・キャリアや新しいグループ活動を模索していた時期の録音らしくシティポップを先取りしたような曲調から高中色の強いサンタナ風の和フュージョンまで、いい意味で(?)混沌としたサウンドが楽しめる。


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GOLDEN☆BEST: All TIME SELECTION - ラジ (GT Music/Sony Music Direct)



昨今のシティポップ再評価の機運に煽られて気になるJ-POP作品をネットで検索してみると、これまであまり気にとめていなかったレコード各社がリリースしている『GOLDEN☆BEST』というベスト盤シリーズが、実は大変な宝の山であることがわかってきた。で、試しに入手してみた一枚がこちら。

1980年代のニューミュージックをチェックしていると、頻繁にその名を目にしながら、実際に作品を耳にすることはあまりなかったアーティストの一人が「ラジ」。フォークグループのメンバーからスタジオシンガー的な活動を始めた(ラジ名義での初録音は、別掲のサディスティックスへのゲスト参加だったという)彼女は、サディスティックスのメンバーだった後藤次利、高橋ユキヒロのバックアップを得てソロデビュー。オリコンのチャートに登場するようなヒットを放つことはなかったが、70年代後半から80年代半ばにかけて7枚のアルバムをリリースしている。このCDは彼女のアルバム前作からまんべんなく選曲されたベスト盤で、サディスティックス、ティン・パン・アレイ、YMOといった当時のトップミュージシャンたちのサポートと、彼女の透明感のあるボーカルによる“疑似洋楽”的な作品がぎっしり詰まっている。

彼女のボーカルが持つ“透明感”は、逆にいえば没個性でもあり、それがCMやゲストボーカルで重宝される反面、彼女個人の代表作を生み出すに至らなかった原因なのかもしれない。しかしそれが後年再評価の要因となり、カバー録音も生まれるようになるのが面白いところ。今後も『GOLDEN☆BEST』シリーズを中古盤を中心に丹念に探し回り(できれば1,000円CD化も希望!)面白いものが見つかれば猟盤活動報告としてこのブログにも掲載していきたい。


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2018年07月31日

CRYSTAL CITY - 大橋純子 & 美乃家セントラル・ステイション (USM Japan)
FULL HOUSE - 大橋純子 & 美乃家セントラル・ステイション (USM Japan)



こちらも1,000円CDシリーズ。「CRYSTAL CITY」は大橋純子がバックバンド、美乃家セントラル・ステイションとともに制作した2枚目のアルバム(77年リリース)。この年の前半にリリースしたAOR色の強い「シンプル・ラヴ」のヒットを受け、引き続き本作でもAOR路線をまい進。中でも「FUNKY LITTLE QUEENIE」はディスコでの人気を狙ってかルーファスとチャカ・カーンあたりの影響が色濃くうかがえるダンスナンバーに挑戦、英語版プロモシングルも制作し、そのバージョンは本CDのボーナストラックに収録されている。

79年の「FULL HOUSE」は78年の「たそがれマイ・ラヴ」の大ヒットによりお茶の間でもお馴染みの存在になった彼女が土屋昌巳らが脱退後の新生セントラルステーションとリリースした4枚目で、以前よりメロウさを増したサウンドにのった彼女のボーカルを楽しむことができる。



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ええ歌ばっか。+3 - 大上留利子 WITH スパニッシュ・ハーレム (Ultra Vybe)
大阪で生まれた女:ベスト 1977-1979 - 大上留利子 (Ultra Vybe)



数年前に入手した海外のコンピレーションに収録されていた「ふわりふわふわ」という不思議なナンバーが、僕が大上留利子を知るきっかけだった。その彼女のアルバムが先日1,000円CD化されたので、さっそく入手してみることに。

「ふわりふわふわ」はAORディスコ調の佳曲で、そういった路線を期待して聴いたのだが、実は彼女は“難波のアレサ・フランクリン”の異名をとる本格派シンガーなのだそうで、かなり(日本的に)ディープな作風の楽曲も多い。1979年にリリースされたアルバム『ええ歌ばっか。』は加藤和彦プロデュースの下宇崎竜童、西岡恭蔵といったソングライター陣が持ち寄った作品を歌い上げたもので、基調はAOR風ながら作品提供者によってはかなり“サザン(ミナミ)ソウル歌謡”寄りの曲も多い。その中でのベストトラックは大野克夫作曲のバラード「サミー・ボー」になるだろうか。

もう一枚の『大阪で生まれた女〜』は彼女が77年〜79年にリリースした作品から選曲されたベスト盤。でも「ふわりふわふわ」が入ってない!是非とも77年リリースのアルバム『Typhoon Lady』も1,000円CD化してほしいところ。


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2018年07月22日

2018年07月19日

The Bill Haley Connection: 29 Roots and Covers of Bill Haley & The Comets (Bear Family)



1955年、アメリカの音楽界にR&R時代の幕開けを印象付けたビル・ヘイリーとコメッツの「Rock Around The Clock」。しかしこの曲は既にこの前年にヒットチャートに登場しており、映画『暴力教室』に使用されたことがきっかけのリバイバルヒットであること、そしてこの曲にはヘイリー以前に録音されたオリジナルバージョンが存在することは有名な話。エルヴィスやバディ・ホリー、エヴァリー・ブラザーズといった同時期に活躍したアーティストは彼らが録音したカバーバージョンのオリジナルを熱心に探し当てる音楽ファンを数多く持つが、ビル・ヘイリーに関しては何故かそういう話をあまり聞くことはない。今回ドイツのベア・ファミリーがリリースしたこのコンピレーションは、既にあってもおかしくなかったものをようやく出してくれたという点で偉業といえるだろう。

本CDはビル・ヘイリーがヒットチャートに送り込んだ曲のオリジナルバージョンと、逆に彼の作品のカバーや、彼のサウンドに多大な影響を受けた同時代の録音を集めた内容になっている。ヘイリーのヒットのほとんどはカバーである、といっても彼はパット・ブーンをはじめとする当時のポップシンガーのような“オイシイとこどり”ではなく、R&Bの古典的な何曲かを除けばオリジナルそのものはR&Rとして成立していないものを“ロック化”する作業が加えられており、また当時のロックブームに明らかに便乗して作られた作品さえカバーして正調のR&Rに仕上げてしまうようなことをやってのけている。“ロックの創始者ランキング”における彼の位置はあまり高くないのが一般的な見方だが、やはり彼の存在なくしてR&Rがあのような一大現象になることはなかっただろうし、もしかしたらR&R時代のスタートは翌年にエルヴィスがメジャーデビューを果たすまで待たれることになったかもしれない、なんてことを考えさせられた。


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The Jack Keller Songbook: 60 Outstanding Tracks from One of The Songwriting Greats (Not Now Music)



60年代を代表するポップ・ソングライターの一人、ジャック・ケラーの作品集。キャロル・キングやニール・セダカなどと比べるとどうしても二線級の評価を受けがちな彼の作品をこれだけのボリューム(全60曲)集めたコンピレーションはおそらく初めてだろう。ジミー・クラントンやコニー・フランシス、ボビー・ヴィーなどの大ヒットに加え、アルマ・コーガンの「ポケット・トランジスター」やニール・セダカの「恋の片道切符」など特に日本で人気の高いナンバーも収録されており、オールディーズ黄金期の名曲をたっぷり楽しむことができる。価格も安いので、オールディーズの基本アイテムとして入手をお勧め。


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Make Mine Mondo!: Fuzzed Out Garage Bands/Manic Instrumentalists/Wayward Rockabillies from The Eccentric Dore Label (Ace)



テディ・ベアーズやジャン&ディーンなども在籍していたロサンゼルスのインディ・レーベル「Dore」からリリースされた作品から、風変わりな録音ばかりを集めたモンドな一枚。収録作品の録音年は1950年代後半から60年代末までと幅広いが、60年代半ば以降のガレージロック調の作品に面白いものが多く、逆にオールディーズファンには物足りない内容かもしれない。


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2018年07月16日

The Uni, MCA and 20th Century Records Singles 1972-1975 - Love Unlimited (20th Century/Mercury/UMe)



先日アルバム『恋の雨音』が1,000円CD化されたラヴ・アンリミテッドの、こちらは70年代前半〜半ばにかけてリリースされたシングル音源を集めたコンピレーション。バリー・ホワイトのボーカルは人により好き嫌いがわかれるので、彼のあのサウンドで、女声ボーカルというこちらの方が断然好きというポップスファンも意外と多いかもしれない。彼女たちはホワイトの活躍に華を添える、という表現では収まらない力強い作品を多数残しているので、この時期の他のアルバムや、その後ホワイトが起こしたレーベル「Unlimited Gold」から放ったヒット曲を集めたコンピレーションなどのリリースも、いずれ期待したい。


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The 20th Century Records Singles (1973-1979) - Love Unlimited Orchestra (20th Century/Mercury/UMe)



何ヶ月か前にバリー・ホワイトのシングル集がリリースされここでも紹介したが、今度は彼のバックバンドであるラヴ・アンリミテッド・オーケストラのシングル音源も、同様にまとめられて登場した。彼らといえば何といってもイージーリスニング史上屈指の名曲「愛のテーマ」が有名だが、以降の作品を聴くと、我々が“AORサウンド”と聞いて真っ先に思い浮かべる例のギターフレーズが70年代前半の時点で既に随所で登場していることに驚く。それもそのはずこの楽団のギタリストはデヴィッドT.ウォーカーで、ここで名を挙げた彼はその後クロスオーバー〜AORシーンのアイコン的存在へとのし上がっていくことになる。コンピレーション後半にはドーナツ盤ばかりでなく当時ディスコチャートで人気を博した12インチバージョンも多数収録されており、既に彼らのアルバムを持っている人でもかなり気になる内容となっている。



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2018年07月13日

サヨナラは出発のことば +3 - 安田明とビート・フォーク (Solid/Ultra Vybe)
ナウ・ディスコティック - ビート・フォーク (Solid/Ultra Vybe)



安田明とビート・フォークは、1970年代半ばに各地のディスコや米軍キャンプなどで演奏活動を行っていた当時は稀な和製ファンクバンド。1990年代に盛んにリリースされたコンピレーション『幻の名盤解放同盟』周辺でその名前は何度も聞いていたが、作品を実際に聴くのは今回が初めて。

1975年のファースト『サヨナラは出発のことば』はそれまで日本の民謡をファンク調に演奏するシングルなどをリリースしていた彼らが全編オリジナルで世に問うた意欲作。サウンドはR&B〜ファンク、詞はフォーク調という奇妙な世界だが、演奏力は非常に高く、ねちっこいボーカルはある意味“ソウル”といえるのかも。続いて76年にリリースされた『ナウ・ディスコティック』は当時ディスコで流行っていた洋楽ナンバーを彼らがカバーしたもので、こちらの方がいつもの彼らの姿なのだろう。どの録音も本家に劣らぬ内容で、当時既にこのようなR&Bバンドが日本に存在していたことに驚嘆する。

彼ら自身が商業的な成功を収めることはなかったが、ボーカルの安田明はアニメソングの世界にも録音を残しており「ドカベン」や「ヤッターマン」の主題歌は彼によるものなのだとか。聴きなおしてみると、意外とソウルフルに聞こえるかも・・?


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侍 - ミッキー・カーティスと侍 (USM Japan)
河童 - ミッキー・カーティスと侍 (USM Japan)



1950年代のロカビリーブームで頭角を現し、その後マルチタレントとしてTVやステージなどで活躍したミッキー・カーティスは、60年代後半にGSグループ“ヴァンガーズ”を率いて東南アジアに渡り、各国のクラブやカジノのハコバンドとして活動。当地ではかなりの人気を呼んだそうで、その人気ぶりに目をつけたプロモーターの誘いで今度はヨーロッパに活動の拠点を移し、日本人バンドとしての印象づけのためグループ名を“サムライ”と改めた。

グループはヨーロッパ大陸からいよいよイギリスはロンドンに進出、当時のロックシーンの様々なビッグネームのサポートアクトを務めながらレコード契約を獲得し、イギリスとドイツでリリースされたのがファーストアルバム「侍」。このアルバムに関してカーティスはあまりいい思い出がないようで、彼の自伝でも多くのことは語られていない。約3年にわたる海外転戦の後彼はメンバーを引き連れて帰国し、日本のレコード会社と契約を結んだが、ファーストアルバムの内容では売れないと判断されたのか(?)新たにアルバムを録音し、リリースされたのが本邦デビュー盤となった「河童」だった。

時系列的にごちゃごちゃしているが、まずは先に録音された「侍」の方から。CDに封入されている中高年にはとても読めない文字の縮刷版アルバムライナー(by中村とうよう)によれば、本作がヨーロッパでリリースされたときは二枚組のボリュームだったが、日本リリースにあたって曲数を減らし一枚に収めることになったのだとか(CDの時代になったのだからカットした部分も入れたらいいのに・・)。現地で出会った外国人ミュージシャンや、後に洋楽シーンで大活躍する日本人ベーシスト、山内テツの名前もクレジットに確認できる本盤は、当時イギリスで盛り上がっていたプログレ風の長尺曲と、アシッドフォーク調の曲が混在しており、かの地のロックシーンの雰囲気をうかがい知ることができる内容。一方「河童」も基本的な構成は変わらないが、わかりやすいハードロック調の曲や、日本語曲も収録されており、ある程度日本の市場を意識した印象。この時期に早くも沖縄音階と三線の音色を取り入れている「誰だった」のセンスは注目に値する。



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Love - so nice (Solid/Ultra Vybe)



こちらはかなりの珍盤。1970年代後半、日大芸術学部の学生たちがシュガーベイブのコピーバンドとして活動をスタートさせたアマチュアグループ「so nice」は、やがてシュガーベイブ〜山下達郎の強い影響下にあるオリジナル曲を演奏するバンドに進化。1978年の「大学対抗フォークソングコンテスト」で優勝したこと及び学生生活の卒業を記念し79年に制作した自主制作盤「Love」のCDバージョンがこちら(初CD化は2011年)。こんな作品に出逢えるなんて、これぞ「1,000円CDの醍醐味」。

彼らのシュガーベイブへの心酔ぶりは相当なもので、一聴して“タツロー風”であることがわかる作品ばかりでなく、大貫妙子風の作品までしっかり収録されているのが凄い(笑)。演奏も“学生バンド”のレベルを軽く凌駕するもので、あまりのシュガー傾倒ぶりに「彼らのオリジナリティは?」なんて皮肉めいた言葉もうっかり出そうになるが、J-POPの知られざる秘宝としてその筋の好事家には大変重宝される内容だと思う。

なおこのCD化による再評価をきっかけに彼らは時折再結成し、近年もタツロー・トリビュート的なライブを開催している模様。「記録に残しておいて本当に良かったですね🎶」と、何かの機会があればお伝えしたい気持ち。


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2018年07月10日

プリーズ・プリーズ・ミー:ベスト・コレクション 1964-1966 - クールキャッツ (Solid/Ultra Vybe)



1964年に“和製ビートルズ”のキャッチフレーズでデビューしたボーカルグループ、クールキャッツ。この手のCDのリリースはできるだけ情報をキャッチして入手するようにしているのだが、数年前にリリースされた際には不覚にも見落としていたので、今回の1,000円CD化は嬉しい限り。日本語によるビートルズのカバーといえば随分前にCD化された東京ビートルズが衝撃的で「プリーズ・プリーズ・ミー」も彼らの破壊力には適わないが、クールキャッツにはそれを補って余りある魅力がある。

元々他のアーティストのバックコーラスを務めていたというだけあって彼らの歌は上手く、アメリカでいえばレターメンのような心地よさ。それでいてレパートリーはビートルズをはじめとしたブリティッシュビートやマニアックなアメリカンポップスで、非常にマニア心をくすぐられる。1966年にリリースしたシングル「孤独の世界」はバリー・マクガイアのカバーかと思えばさにあらず、なんとサイモンとガーファンクルの「Sound of Silence」というどんでん返しのようなオチまで待ち構えている・・。

その後彼らはGSブームの波に抗えずバンド編成となって再出発するが、結局グループの延命はかなわなかった。日本語のカバーポップス末期の仇花のような彼らの諸作は、洋楽ファンにこそ聴いてほしい。



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ロック, サーフィン, ホット・ロッド+2/レッツ・ゴー・モンキー - 内田裕也・尾藤イサオ (USM Japan)



内田裕也と尾藤イサオ。キャリア50年を超えて現在も芸能界で活躍を続ける2人が寺内タケシとブルージーンズ、ジャッキー吉川とブルーコメッツをバックに歌いまくるアルバム2作のカップリング。まず64年リリースの『ロック, サーフィン, ホット・ロッド』は曲目を見ると「これがサーフィン?ホットロッド??」と思ってしまうが聴いてみて納得、レパートリーはやや古いがバックのサウンドはしっかりサーフィン(しかも結構レベルが高い)という内容になっている。ビートルズの「Twist and Shout」ではユーヤさんのオリジナル「シェケナベイベ〜♪」も聴くことができる。

続く65年リリースの『レッツ・ゴー・モンキー』はダンスナンバーを集めた訳ではなく、当時のヒット曲を中心に選曲してみました、という内容。聴きどころは尾藤イサオの代表曲となったアニマルズの「悲しき願い」になると思うが、一方で内田裕也は相も変わらずのフィフティーズ中心。「Heart of Stone」もチャームズが50年代にヒットさせた曲のカバーなのかな?と油断して聴いてると、なんと吃驚これがローリングストーンズ!!日本のロックの歴史的瞬間を目撃してしまった気分。。

考えてみるとこの2人とブルージーンズ、ブルコメの組み合わせは66年のビートルズ来日公演で「Welcome Beatles」を披露した面々である。ということはある意味“日本代表(そういう意味ではドリフターズもだけど・・)”。そこはかとなく感じられるガレージ風味も相まって、この時期の“日本のロック”を代表する作品といっても過言ではない。



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ハンガリア・ロック:コロムビア・イヤーズ コンプリート・コレクション - 麻生京子 (Solid/Ultra Vybe)



1960年代前半、日本語による洋楽カバー盤が盛んに制作されたいわゆる“ヒッパレ時代”に活躍した女性シンガー、麻生京子のベスト盤。不勉強にして彼女の存在を今まで知らなかったが、当時は弘田三枝子と並ぶ実力派ガールシンガーだったのだとか。彼女がコロムビアからリリースしたシングル音源を網羅した本盤の収録曲は当然ながら洋楽カバーばかりだが、何よりクラシックの作曲家、リストの作品をツイスト化した「ハンガリア・ロック(リストの母国がハンガリーのためこの邦題がつけられた模様)」のユニークさが耳を惹く。他にも彼女の元気一杯な歌声が楽しめるナンバーが目白押しだが、バックのバンドサウンドが、弘田三枝子をはじめとする東芝勢と比べてかなり弱いかなぁ、という印象。

なお彼女は60年代後半に「麻生レミ」と改名して内田裕也とフラワーズに加入、“和製ジャニス・ジョプリン”の異名をとることに(それだったら僕も知ってる!)。本盤にはフラワーズ脱退後の72年にソロ名義でリリースしたシングルAB面がボーナス収録されているが、全くの歌謡曲で“和製ジャニス”の面影はもうそこにはない。



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2018年07月07日

I Am Agnes Lum: アグネス ラムです (Solid/Ultra Vybe)
With Love: さよならは言わない - アグネス ラム (Solid/Ultra Vybe)



“1,000円CD”の波がいよいよJ-POPの世界まで波及してきている。この6月〜7月にはユニヴァーサルとインディのソリッドから相当数がリリースされたが、今年の後半はその他各社からJ-POPの1,000円CDがドドッとリリースされて、その波に飲み込まれてしまうのでは・・・と、今から不安で仕方がない(笑)。

その中でまず紹介するのがアグネス・ラム。ってこのブログ的にどうなの?という話はあるが(汗)。彼女はハワイ出身の中国系アメリカ人で“クラリオンガール”という言葉がまだない時期に(その言葉ももはや死語だが)クラリオンの広告に登場し“童顔巨乳”という言葉がまだない時期に(当時は“あどけない顔に豊満な肢体”みたいな表現だった記憶がある)メディアを席巻したグラビアアイドル。当時小学生だった僕でも強烈な印象が残っているので、青年期にあった日本男子には大変な存在だったことが容易に想像でき、実際その人気は現在も根強くあるようで、彼女の2018年版のカレンダー(もちろん写真は現在の彼女ではなく40年前のものだが・・)も販売されていることを今回調べて初めて知った。。。

数年前に外国人が歌う日本語ポップスばかりを集めた『昭和カタコト歌謡曲』というCDを入手し、衝撃を受けた一曲が彼女の「雨あがりのダウン タウン」。これは楽曲を提供した弾厚作こと加山雄三のセンスに負うところが大きいと思うが、彼女のたどたどしい日本語を如何にチャーミングに聴かせるかに腐心した様子が覗えるガールポップの傑作だった。これに興味をそそられて入手したのが今回の二作だが、一作目の「アグネス ラムです」には加山に加え加藤和彦と安井かずみも主要ソングライターとして参加、それぞれが“南国から来た少女”をテーマに楽曲を提供しているが、加山のイメージする“トロピカル”が映画「南太平洋」や「パイナップル・プリンセス」のアネットあたりがベースとなっている印象である一方、加藤安井組は当時イギリスで人気があったバンド「FOX」あたりのサウンドをヒントに作ったのでは?という“世代格差”が面白い。

二作目の「With Love」は厚作先生が退場し、加藤夫妻他の日本制作陣と、洋楽カバーが半々という内容になっている。洋楽カバーはマイナーな楽曲が多くその選曲意図を訊いてみたい気がするが、より面白いのは日本人作曲家の作品の方。J-POP系はうっかり音源をYoutubeにアップロードすると関係のない音源も含めアカウントごと削除するような乱暴なことをされるので動画は貼れないが、吉野藤丸作のディスコ歌謡「やさしい旋風」や、この年(78年)の後半にデビューする竹内まりあの世界を先取りしたような「ムーンライト ビーチ」あたりが聴きもの。



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チヨ・筒美京平を唄う - 奥村チヨ (Solid/Ultra Vybe)



1965年にデビューし、現在もキュートな魅力を保ち続ける奥村チヨがヒットチャートで活躍したのは1960年代後半〜70年代前半にかけて。「恋の奴隷」や「恋狂い」などの鈴木邦彦作品や、後に結婚する浜圭介提供曲の印象が強いが、ヒット曲の数でいえば筒美京平作品が最も多い。

彼女のシングル盤は当時東芝レコードからリリースされていたが、こちらはカセットテープ専門で独自にアルバムを制作していたレコード会社(カセット会社?)「アポロン」のために録音された作品の中から、筒美京平作品ばかりをセレクトしたコンピレーション。彼女自身のヒット曲としては「あなたに逢いたい」と「涙いろの恋」の2曲(但し別バージョン)が収録されているが、他はすべて他のアーティストのヒットのカバーで、しかも当時いずれもレコード盤にはなっていないという貴重なもの。奥村チヨファン、そして日本のガールポップファンであればコレクションに加えておくべき一枚。



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愛しあう2人のために:愛のレッスン - 加賀まりこ/ワーナー・グランド・オーケストラ (Solid/Ultra Vybe)



戦後わが国芸能界の【カワイイ番付】を作成するとしたら、おそらくかなり上位にランクインするであろう一人が加賀まりこ。彼女が1971年にリリースしたアルバム『愛のレッスン』は歌ものではなく、ワーナー・グランド・オーケストラによる洋楽カバーインストをバックに、愛の物語(構成・詞は安井かずみ)を語るという企画もの。BGMの選曲センスが非常によく、フレンチポップ〜ソフトロック的な文脈で楽しむことができる。

タイトルからすると『円楽のプレイボーイ講座』をはじめとする“指南もの”の一枚のように思われるが、パリの公園で長身の美青年と出逢い、やがて恋に落ち、その後ちょっとしたことで喧嘩別れするけど結局ハッピーエンドで終わる・・という少女漫画的なストーリーを情熱的に語るさまは、近年の言葉でいえば“妄想女子”の元祖的作品といってもいいのかもしれない。こじらせ系音楽ファン(笑)は一聴をお勧め。


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2018年07月04日

Reach The Top!: Rare Gems from The Tony Macaulay Songbook 1965-1974 (Teensville)



オールディーズのコンピレーション、内容面でいえばおそらく現在ナンバー1レーベルであるオーストラリアの「ティーンズビル」からの新作は、イギリスの人気ソングライター、トニー・マコウレイ作品集。日本でもソフトロックファンの間で評価が高く、イギリスにおいては枚挙にいとまがない膨大な数のヒット曲を持つ“大作曲家”であるが、意外にも彼の作品を特集したコンピレーションはこれまであまりなく、調べてみたら2001年にイギリスでリリースされたCD(持ってる・・)以来らしい。

今回の作品集はレアな録音に焦点が当てられており、知名度の高い作品もヒットバージョン以外のものを収録。その他初めて聴く楽曲も多く、ポップな作風もこの曲数だけ続くと若干食傷気味になるが(笑)ソフトロック好きには嬉しいプレゼントである。



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Together/Farewell Album (Expanded Edition) - The New Seekers (7T's)



1970年代初頭よりヒット曲を連発していたニュー・シーカーズは、73年に入ってリリースしたザ・フーのカバー「Pinball Wizard/See Me, Feel Me」メドレーをもってそれまで続いていたUKTOP20ヒット記録が一旦ストップ。メンバーの加入脱退も相次ぎ、遂にはグループの解散を宣言。このニュースは再び彼らが注目されるきっかけとなり、リリースしたトニー・マコウレイ作のシングル「You Won't Find Another Fool Like Me」は彼らにとって久々の全英ナンバー1ヒットを記録、続いて同じくマコウレイ作の「I Get A Little Sentimental Over You」も全英5位を記録と、人気が再燃する中リリースされたアルバム(本作)がなんとも皮肉なタイトルの『Together』。こちらも好セールスを記録し、前述のマコウレイ作品の他彼らが得意とするメドレー曲などを聴くことができる。

続いて大盛況のうち終了したフェアウェル・ツアーの3ヶ月後にリリースされたのが、その名も『Farewell Album』。引き続きマコウレイ作品がアルバムの約半数を占めその筋のポップスファンには楽しめる内容になっているが、もはやアーティスト主体が存在しない同作がプロモートされることはなく、売上も低調に終わった。CDのボーナスにはアルバム未収録のシングルやグループメンバー名義の録音も収録、人気グループの終焉期の活動が記録されている。なお彼らはこの2年後の76年には再結集してアルバム『Together Again』をリリース(笑)。再び活動を続けている。


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The Musical Adventures of The Clevedonaires, Cleves & Bitch (Frenzy Music)



こちらはニュージーランド出身のグループ。1960年代初頭に学生バンドとして結成されたクリーヴドネアズは1967年にサイケ/ガレージバンドとしてレコードデビュー。その数年後に活動拠点をオーストラリアに移すと名前を“クリーヴス”に改め、今度はプログレ調のアルバムをリリース。さらに70年代に入ると今度はヨーロッパに渡り、ハードロックバンド“ビッチ”として活動(笑)。

このCDは約10年間にわたる彼らの生生流転を記録している。とはいえいずれの時期もそれなりの内容の作品を残しているところがエラく、中でもクリーヴドネアズのデビューシングル「He's Ready」はどこに出しても恥ずかしくないガール・ガレージクラシックだし、70年代の“ビッチ”もブリティッシュ系のハードロックで意外と悪くない。ニュージーランドシーン、ますます気になる。。。


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2018年07月01日

Too Slow to Disco Brasil compiled by Ed Motta (How Do You Are? Recordings)



ここ2〜3年で再発CDマーケットの世界的なトレンドとなりつつある“AORディスコ”シーンをけん引する「Too Slow to Disco」シリーズ最新盤のテーマは“ブラジル”。元々AORやディスコミュージックとブラジル音楽の親和性は非常に高い、というかAORの構成要素の何割かはブラジル音楽からの頂きものだろっ!といっても過言ではないので、この分野を掘り始めたらいい音楽が無尽蔵に出てきそうで怖い・・。このCD1枚聴いただけでは“AOR=ブラジリアン=ディスコ”の定義ははっきりとわからないが、今後派生的に出るであろうCDや、本CDに触発されて出てくるコンピレーション(この分野は日本人の方が詳しいかも・・)の登場を待ちながら、勉強に備えたい。


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Hong Kong Disco (Wang Chai)



こちらは1970年代の香港で録音されたディスコミュージック集。洋楽のカバーを中心に選曲されているが、基本的に英語圏なのでそれほど違和感なく聴くことができる。逆にいえばローカルディスコものに期待しがちな“エグ味”に欠ける印象も強く、これは選曲次第でなんとでもなるので、今後シリーズ化してより濃〜い続編が登場することを期待したい。



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2018年06月28日

Gene Clark Sings for You (Omnivore Recordings)



ザ・バーズのオリジナルメンバーであるジーン・クラークは、1966年にグループを脱退し初ソロアルバム『Gene Clark with The Gosdin Brothers』を発表。その後68年にはダグ・ディラードと組んで『Fantastic Expedition of Dillard & Clark』をリリースすることになるが、今回この二作の空白期間に録音された未発表作品を集めたコンピレーションがリリースされた。

本CDの前半はザ・バーズ、そしてファーストアルバム発表時に在籍していたコロンビア・レコードから契約を解除され、新しい契約先を見つけるためにデモンストレーションとしてプレスしたアセテート盤『Gene Clark Sings for You』に収録されていた作品群(全8曲)。このアセテートは80年代にレコード会社の倉庫から発見され、収録曲の何曲かは既に何らかの形で音盤化されているようだが、このようにまとまった形でCD化されるのは今回が初めて。非常にシンプルな編成による録音だが彼独特のメロウな作風がよく現れた作品が幾つも収録されている。

続いて後半の6曲はカリフォルニアのティーン・バンド、ザ・ローズ・ガーデンのために録音されたデモ集(全6曲)。彼らについては別掲の記事で触れているのでそちらをご参照いただくとして、ライブハウスで偶然見かけたザ・バーズのカバー演奏をいたく気に入ったクラークは彼らのメジャーデビューにあたって作品の提供を申し出、送り付けたのがこれらの録音。これまでバンドの関係者以外耳にしたことがなかったという貴重な音源が世に出たのは、ジーン・クラークファン及びフォークロック〜カントリーロックファンには嬉しい贈り物である。



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A Trip Through The Garden - The Rose Garden (Omnivore Recordings)



1968年のTOP20ヒット「Next Plane to London」で知られるフォークロックグループ、ザ・ローズ・ガーデン。彼らは当初67年に「February Sunshine」をマイナーヒットさせた“ジャイアント・サンフラワー”としてデビューを果たした(もっとも、彼らはそのレコードで演奏はしていないそうだが)後に改名し、アトコ・レコードと契約。ファーストシングルがヒットを記録したことから制作されたのが本作。過去にCD化されており僕もそれを持っているが、今回はその背後にある、とあるストーリーがきっかけで拡張版がリリースされることとなった。

そのストーリーとは、元バーズのジーン・クラークとの交流。本作は以前からジーン・クラークの書下ろし曲が2曲(「Till Today」と「Long Time」)収録されていることで知られていたが、関係者へのリサーチによりその提供曲の作者によるデモ録音が見つかったこと(別掲の『Gene Clark Sings for You』をご参照)から彼らとクラークの関係性にスポットを当て、詳細なライナーノーツと初出音源満載のボーナストラックを追加して本CDは完成している。中でも意義ある収録と思えるのが、彼らがバーズのレパートリーをカバー演奏しているライブ音源(会場が地元の高校というのも味わい深い)で、かつてクラークと出演していたライブハウスで出会った際に「俺らより上手いじゃん。」と言われたというエピソードが“ウソではない”ことを証明する演奏を聴くことができる。クラークのCDと合わせて聴き、ライナーノーツを読むと、これまで殆どの音楽ファンが気に留めることもなかった(笑)ザ・ローズ・ガーデンが、非常に気になる存在に感じられることは間違いないだろう。



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Barry McGuire & The Doctor (Ode/Real Gone Music)



一般的には1965年のナンバー1ヒット「Eve of Distruction」の一発屋と見なされている(マニアの世界でもその評価はあまり変わらないが・・)バリー・マクガイア。彼はその後も細々とアルバムのリリースを続けていたが、このアルバムはママス&パパスのバックバンドのリードギタリストだった“ザ・ドクター”エリック・ホードとのデュオ名義で発表した71年作。

「Eve 〜」をプロデュースしたルー・アドラーが設立したレーベル、オードからリリースされた本作にはアメリカ西海岸のカントリーロックシーンからバーズのマイク・クラークとクリス・ヒルマン、イーグルスのバーニー・リードン、フライング・バリット・ブラザーズのスニーキー・ピートといった古くからの仲間たちが参加、ブルースロック調の長尺曲ばかり全6曲が収録されている。参加メンバー全員がドラッグで酩酊状態の中レコーディングが行われたというこの作品だが、よくいえばボブ・ディランとトム・ウェイツの雰囲気を併せ持ったようなマクガイアの渋いボーカルは、意外と悪くない。



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2018年06月25日

Bob Stanley & Pete Wiggs present Paris in The Spring (Ace)



セント・エティエンヌのボブ・スタンレーとピート・ウィグスが時折エース・レコードからリリースする“気まぐれコンピ”最新版のテーマは「パリの春」。とはいってもスタンダードナンバー「I Love Paris」のような能天気な雰囲気ではなく、1960年代後半〜70年代初頭にかけて盛り上がった社会運動の影響や、国内外で起こった惨劇への抗議を表明した音楽ばかりを集めたもの。収録曲はどれも重く、怒りに満ちた雰囲気に溢れ、数年前までアイドル然としたフレンチポップを歌っていたアーティストも、変わらざるを得なかった(時代の雰囲気に流された部分も多分にあるだろうが・・)この時期の空気を色濃く反映している。


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