
昨年末リリースされたA&Mポップスを100曲集めた「A&M Records History 100」は選曲面の物足りなさや装丁の酷さなどで大変評判の悪い結果になってしまったが、あれを入手してちょっと気になっていたのが、パレード1967年のTOP20ヒット「Sunshine Girl」の未収録。ユニバーサルに権利がないとしたら一体誰がそれを獲得したのだろう?と不思議に思っていたら、どうやら元メンバーたちがマスターテープを買い取ったらしく、早速イギリスで彼らのコンプリート録音集がリリースされた。
「Sunshine Girl」以下何枚かのシングルをリリースしたまま姿を消した「パレード」の未発表アルバムが日本でCD化されたのは、今からちょうど20年前の1988年。当時タレントとして、現在でいえば西川史子女史ばりにTVに出まくっていた城戸真亜子画伯の不思議なイラストがジャケットを飾ったこのアルバムは、その後発売元が変わりながらごく限られたポップス・マニアの宝物として日本のみで大切に聴かれ続けていたが、Rev-olaの傘下でこのCDが処女作となる新レーベル「Now Sound」から今回初めてインターナショナルなリリースが実現した。フィル・スペクターの片腕としてフィレス・レコードで何枚かのシングル盤をプロデュースした実績を持つジェリー・リオペル、ロジャー・ニコルスの「スモール・サークル・オブ・フレンズ」にも参加したマレイ・マクレオド、そのニコルスと共作した「Just What I've Been Looking For」をヴォーグスに提供したスモーキー・ロバーツの3人が集結した「パレード」の面々は当時かなり野心的に活動を行っていたようで、グループと並行してソロ、別名儀の録音も残しており、今回のCDではそこら辺の音源もメンバーたちの尽力によってかなりの部分(所有のアセテート盤などから9曲をボーナスとして追加)が収められている。中でもロジャー・ニコルス・トリオ名義で録音された「Montage Mirror」の収録は、世のソフト・ロックファンにとってショッキングな出来事だろう(曲の出来自体は大したことないが・・)。
ライナーには当時の彼らが音楽界で成功を収めようと奮闘した記録が克明に記されており、その中で自分たちの代表曲とするチャンスを逃してしまったアソシエイションの「Windy」やタートルズの「Happy Together」といった曲に対する無念さなど、興味深いエピソードが多く語られている。メンバーたちは全員健在、昨年はロジャー・ニコルスの復活作も好評を博したことから、パレード周辺の音源がこの後も某かの形で発掘されリリースされる可能性は高いと僕は見ている。ソフト・ロックファンにとって新たな金脈の発見となるのか、それとも【サジタリアス/ミレニウムの悪夢】の再現となるのか?今後の成り行きに注目したい。