2007年03月02日

Bonnie Dobson (Rev-Ola)
Good Morning Rain - Bonnie Dobson (Rev-Ola)
Bonnie Dobson (Vocalion)

Bonnie Dobson ('69) Good Morning Rain - Bonnie Dobson Bonnie Dobson ('72)

 これまであまりその名を知られることのなかったアーティストに、突然スポットが当てられるのが再発CDの世界。昨年後半から立て続けにアルバムが復刻され、このところ断然気になる存在になってきたのはカナダのシンガーソングライター、ボニー・ドブソン。

 60年代後半に様々なアーティストによってカバーされた「Morning Dew(ルルが68年にシングルとしてリリースしたバージョンが最も有名な他、グレートフル・デッドのライブ・レパートリーとしても知られる)」の作者としてロック史に名を残す彼女は50年代後半より活動を続けており、「Morning Dew」もヒットチャートに登場する10年も前から歌い続け、フォーク界では早くから知る人ぞ知るナンバー(手許の音源を確認したら、フレッド・ニールがヴィンス・マーティンと共演した1964年のアルバムで取り上げていた)になっていたようだ。60年代前半に何枚かのアコースティックなアルバムを発表していた彼女はその数年後に起こった「Morning Dew」カバー合戦により再注目されRCAと契約、同社から69年と70年に発表した2枚のアルバムがRev-Olaから復刻された。

 女性フォークシンガーとしては典型的ともいえるソプラノ・ボーカルを聴かせる彼女の歌声は、ジュディ・コリンズほど主張は強くなく、シェルビー・フリントほど儚気でもなく・・といった感じ。69年にトロントで録音されたセルフ・タイトルアルバムはゲス・フーのアルバムなどを手がけたジャック・リチャードソンのプロデュースで、全編ストリング・アレンジが施された“ソフト・ロック”な仕上がり。彼女の自作曲は全12曲中5曲で、残りはフォーク系のよく知られた曲とポップ系のナンバーで占められている。「Morning Dew」を別とすれば、当時シングル発売されたという「I Got Stung」や力強いラブソング「I'm Your Woman」、イギリスのロックバンド、パルプのジャーヴィス・コッカーがリミックス・アルバムで取り上げているという「Winter's Going」あたりが印象に残るか。バンド・サウンドもなかなかよく、時折登場するシタールの音色もこの時代ならではの雰囲気を醸し出している。

 続いてリリースされた「Good Morning Rain」はナッシュビル録音だが現地のミュージシャンは使わず、カナダのバンド・メンバーを引き連れての制作。彼女の音楽性という点では、ポップ寄りにかなりとっ散らかった印象の前作よりこちらの方がよく表現出来ているのだと思うが、演奏の“グルーヴ感”では前作が勝るか。当時デビューしたばかりのシンガーソングライター、ラルフ・マクテルの作品を3曲取り上げているのが興味深く、「Streets of London」は同じ頃録音されたメリー・ホプキンのバージョンよりポップな仕上がり。

 あと1枚は彼女がRCAとの契約を終え、72年にイギリスで制作したアルバム(再びセルフ・タイトル)。こちらは同郷のソングライターであるゴードン・ライトフットとイアン&シルヴィアの作品数曲を除きすべてがトラディショナル・ナンバーで、オール・アコースティックなスタイルで演奏されている。彼女の基本的な演奏スタイルはこちらの方で、RCAの2作は恐らく彼女のキャリアでは異色作なのだろう。もはやソフト・ロックではないが彼女のソプラノ・ボーカルを楽しむ上ではこのアルバムが一番の内容。聴きながら幾許かの退屈さを感じてしまうのも正直なところだが・・。


posted by yakame at 06:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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