2008年12月31日

Live Report: Las Vegas Dec. 27, 2008

 2008年も大詰めを迎え、今年の年末年始は海外旅行に出かけエンターテインメントに浸ることに。この時期はさすがにツアーに出ているアーティストもおらず、ショーやコンサートをまとめて観れるのはブロードウェイかラス・ヴェガスくらいしかないだろう、ということで行き先は初のヴェガスに決定。夜は可能な限りショーを観て回ることとした。

ヒットこそすべて〜オール・アバウト・ミュージック・ビジネス〜(白夜書房) ちょうど年末年始はCDのリリースもなく、ブログのネタもあまりないのでこれから暫くここで現地レポートを書かせていただくこととします。12月27日発の飛行機に乗りこみ、ロサンゼルスを目指す機内での約9時間を有効に利用するため今回持ち込んだのが、数ヶ月前に購入しながらあまりのボリュームになかなか読み進むことの出来なかった朝妻一郎さんの「ヒットこそすべて〜オール・アバウト・ミュージック・ビジネス」。これが凄い。我が国音楽出版業界のパイオニアの一人にして我が国有数の洋楽識者である氏のキャリアをたどるばかりでなく、過去に執筆したライナーノーツや寄稿文、更に講師を務めたセミナーのテキスト(?)までが集められた労作で、アメリカの音楽産業と出版の関わりを19世紀半ばから詳細に解説し、加えて自らポピュラー音楽史の伝説的存在となっている人々と直接ビジネスで関わった数々のエピソードには「えー、そーだったんだー!」と思わされること数十回。残念ながら行きの飛行機中では半分くらいまでしか読むことが出来なかったので、帰りの飛行機で残り数十回分の新知識を得ようと思っている。

Voice of The Heart - Imelda Papin 宿泊先のホテルに夕刻にチェックインし、予めネットで調べていたショーのスケジュールを再確認。クリスマスが終わり、土曜日の夜にも関わらず主だったショーは休演のようで、めぼしいところといえばクール&ザ・ギャングと元モンキーズのデイヴィー・ジョーンズくらい。クール〜はJ.T.テイラーが加わったのも含めて日本で4回くらい観ているし、デイヴィーもモンキーズとして来日したのをかつて観たし、会場も街からかなり距離のあるホテルだし・・ということで、僕がこの日観ることに決めたのはイメルダ・パピン。誰それ??

 彼女は母国フィリピンではそれなりのキャリアを持つらしい女性シンガーで、かの地では“ジュークボックス・クイーン”の異名を持つという。現在は主にアメリカ各地のホールやカジノをツアーしている模様。ショーで聴かされたが代表的なヒットも何曲かあるようで、ここら辺はフィリピン・パブに通いつめ、店の女の子とアフターでカラオケなどに行っている方にとってはお馴染みなのかもしれない・・。ネットで調べたところ数ヶ月前にインターナショナル向けの作品をリリースしたばかりで、それを記念しての『ラス・ヴェガス公演』だったようだ。

 で、なんで僕がこんなアーティストのショーを観に行ったのかというと、このショーにアーチーズやカフ・リンクスでボーカルを務めたロン・ダンテがゲスト出演するらしいという情報を得たから。会場はヴェガスのストリップ(大通り)からシャトルに乗ってたどり着く「The Orleans」という地元客向けのカジノで、その名の通りニューオリンズをテーマにしており、館内にはオイスター・バーなどもあったりしたのだが、残念ながらそこら辺には立ち寄れず。チケットを購入しカジノの中にあるホールに入ると、会場はアジア系の客が約7割を占めるなかなかの盛況ぶり。

Ron Dante 定刻になりバンドが演奏を始めると、いきなりロン・ダンテが登場。前座なんだ。彼は現在も方々のカジノを中心に演奏活動を行っており、クリスマス・シーズンのこの時期にラス・ヴェガスで歌えることに彼自身エキサイトしているようで、しきりにイメルダを持ち上げるMCを繰り返す。披露したのは以下の3曲で

Walking on Sunshine (Katrina & The Waves)
Jingle Bell Rock (Bobby Helms)
Sugar Sugar (The Archies)

 短かっ!持ち歌1曲しか演らないし!ステージ上の彼は非常にスリムで、ステージングもなかなかアクティブ。「Sugar Sugar」はさすがに盛り上がって、会場からは合唱も。でも、これだけで終わっちゃうのは嫌だなぁと思いながら、ステージはメインアクトを迎える。

Imelda Papin ステージに登場したイメルダさんは、ムチムチの肢体にパツパツの衣装をまとった“お色気シンガー”風。ダンサー数名とともにショー・チューンとタガログ語による演歌風の曲(客席から大合唱が起こってビックリした!)が混ぜこぜになったショーを披露し、五木ひろしのラス・ヴェガス公演もこんな雰囲気だったのかな、という感想。但し彼女は英語圏への進出をかなり真剣に考えているようでMCは勿論すべて英語、発声もかなりトレーニングした様子が伺えた。


Imelda Papin & Ted Parlman バンドではこのステージのディレクターを務めていたギタリストがやたらと上手く、ステージでも「Grammy Winner!」なんて紹介されていたので気になって調べたら、彼はテッド・パールマンといい、アレンジャーやギタリストとしてバート・バカラックやボブ・ディランとの仕事の実績もある模様(彼がクレジットされたバカラックのアルバムがグラミーをとったことから「Grammy Winner」と呼ばれていたのだ)。経歴を見ると非常に幅広く活動しており(現在は元A*Teensのメンバーのソロアルバムをプロデュースしているのだとか)その仕事のつながりからニール・セダカにイメルダのアルバムに曲を提供させたり、今回ロン・ダンテを前座に呼んだり・・と数々の貢献を果たしている。ステージではベーシストを置かず、ベースラインをプログラミングしてバンド演奏と同期させる・・なんて凝ったこともやっていて、その道でも一目置かれている人物のよう。

Ron Dante それはともかく。イメルダさんのステージが終盤に差しかかると、再びロン・ダンテが登場。ここで歌ったのが

Old Time Rock 'n' Roll (Bob Seger)
Mony Mony (Tommy James & The Shondells)

 また持ち歌じゃないし・・。その後イメルダの姉妹やら娘やらも登場して一頻りの盛り上がりを見せステージは大団円へ。かなりのサービス精神で舞台に押し寄せる(恐らく)フィリピン人客一人一人にキスしたり、会場の外ではサイン会の準備がされていたり・・と熱心な様子が伺えたが、こちらは疲れていたのでさっさと会場を後にした。

 珍しいものを観させてもらった。ロン・ダンテを目的にこんなライブをラス・ヴェガスで観る日本人なんて、まずいないだろうなと思いながらホテルに戻り、たちまちのうちに爆睡してしまった・・。

posted by yakame at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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