2020年07月07日

Winter Dance Party: 'The Great Tragedy' No.2 (Bear Family)



1959年の初頭、アメリカ北東部をR&Rスターたちが巡業するライブツアー「Winter Dance Party」は、同年2月3日夜に主要キャスト3名(バディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス、ビッグ・ポッパー)を乗せたセスナのチャーター機が荒天の中墜落し、全員の命を奪うという大惨事が発生したことで音楽ファンにとって永遠に忘れることのできない悲劇となっているが、本CDはこれまであまり知られることのなかった同ツアーの“その後”に焦点を当てた興味深い内容となっている。

飛行機事故の後、ツアーの興行師は非情にも残された出演者たち(ホリーを失ったクリケッツ(実際には後のカントリースター、ウェイロン・ジェニングスを含むまったく別のバックバンド)、ディオンとベルモンツ、無名のロックンローラー、フランキー・サード)にツアーの続行を指示。看板スターの穴埋めとしては当時フィラデルフィアから中継されていたTV番組「American Bandstand」に出演し人気急上昇中だった同地出身のティーンアイドル、フランキー・アヴァロン、フェビアン、ジミー・クラントンの3人にホリーの熱烈なファンで当時まだ15歳だったボビー・ヴィー、ビル・パーソンズ名義で「All American Boy」をヒットさせていたボビー・ベアなどがかき集められた。

ハードコアなロックンローラーから華やかなティーンアイドル中心のツアーの方針転換は、図らずも当時の音楽シーンの変化にも符合する。亡くなった3人に向けての追悼曲2曲を除けば楽し気なティーンポップが多数並ぶ本CDの裏側には“R&R残酷物語”が存在することを考えながら聴くと、何倍も楽しめるコンピレーションではないかと思う。オールディーズ・マニアはアイドルたちの不発に終わった初期のシングル音源が多数収録されている点にも注目。


Track List
posted by yakame at 02:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Indian Bred Vol.1: A Rockin' Look at Native-American Born Artists (Atmicat)



これまでありそうでなかったコンピレーション。ネイティヴ・アメリカンを遠慮なく“インディアン”と呼んでいた時代の音楽集で、“Descent(〜系)”という単語が頻出するCDのライナーノーツによれば、登場するアーティストのいずれもネイティヴ・アメリカンの血を引いているのだとか。選ばれているのはエルヴィス・プレスリーからジェームス・ブラウンまで非常に幅広く、その血統が彼の作品のテーマにもなっていたリンク・レイなど数名を除けば、明確に“インディアン”なテイストの作品は少ないが、“ネイティヴ・アメリカンの血を引く者”としてのプライドやコンプレックス、ミュージシャン間のシンパシーは如何ほどのものであったのか??など、想像力たくましく聴いてしまう一枚。


Track List

posted by yakame at 01:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Indian Bred Vol.2: Indian Rock 'n' Roll, A Look at Native-American Titles (Atomicat)



こちらは“インディアン”をテーマにしたオールディーズ集、ただしお馴染みの「悲しきインディアン」や「河の娘パッチス」などは登場しないコアな内容。“Black Lives Matter”な現代では恐らく永遠にラジオの電波に乗ることはないであろうヤバイ楽曲ばかりだが、明らかに蔑視混じりの何曲かは別として、こういった“インディアン・テイスト”が音楽の魅力になっていたことも事実。このシリーズ、今後も続編が予定されているようだが、一体どのような内容になるのか、注視していきたい。


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