英チェリーレッド・レコード傘下に新設された90年代R&Bを復刻するレーベル「90/9」第一弾は、TLCとともに90年代のガールズR&Bの方向性を決定づけたアン・ヴォーグが1990年にリリースしたファーストアルバム『Born to Sing』のデラックス・エディション。当時ポップチャートを中心にチェックしていた者としては92年リリースのセカンド『Funky Divas』がより強く印象に残っているが、R&Bチャートに関していえば、本作からは立て続けに3曲のナンバー1ヒットが生まれており、彼女たちが如何に熱狂的に受け入れられたかがうかがい知れる。アルバム本編の倍以上ボーナス収録されているリミックス・バージョンを聴くと過度にニュージャック・スウィングなサウンドづくりが気になるが、まぁそういう時代だったから仕方がないでしょう。90年代を代表するディーバたちのスタート地点をたっぷりと再確認できる。
2019年11月16日
Born to Sing [Deluxe Edition] - En Vogue (90/9)
英チェリーレッド・レコード傘下に新設された90年代R&Bを復刻するレーベル「90/9」第一弾は、TLCとともに90年代のガールズR&Bの方向性を決定づけたアン・ヴォーグが1990年にリリースしたファーストアルバム『Born to Sing』のデラックス・エディション。当時ポップチャートを中心にチェックしていた者としては92年リリースのセカンド『Funky Divas』がより強く印象に残っているが、R&Bチャートに関していえば、本作からは立て続けに3曲のナンバー1ヒットが生まれており、彼女たちが如何に熱狂的に受け入れられたかがうかがい知れる。アルバム本編の倍以上ボーナス収録されているリミックス・バージョンを聴くと過度にニュージャック・スウィングなサウンドづくりが気になるが、まぁそういう時代だったから仕方がないでしょう。90年代を代表するディーバたちのスタート地点をたっぷりと再確認できる。
It's Somethin': The Virgin Years - Lalah Hathaway (90/9)
「90/9」がアン・ヴォーグに続いてリリースしたCDは、ダニー・ハサウェイの実娘レイラが90年代前半にヴァージン・レコードからリリースした2枚のアルバムのカップリング。当時そのデビューが大変な話題となったものの、それほどメジャーな成功を収めることができなかった印象が強い彼女だが、アルバムを聴き直してみると華美なサウンドづくりが目立ち、彼女本来の持ち味である低音でハスキーな歌声が活かされているのは、意外にもイギリスのブリティッシュ・エレクトリック・ファンデーションにフィーチャーされた「Family Affair」や、日本で制作されたスタンダード・ナンバー「Night and Day」など本国以外での録音だったという不幸があったことがわかる。現在も精力的に活動する彼女の、ある意味“黒歴史”を掘り起こしてしまった印象のコンピレーション。