1909年(明治42年)のヒット曲集。当時ブロードウェイで上演されていたバラエティショーから生まれたコミカルなナンバーや、テナー歌手たちによる感傷的なバラード、そしてその彼らが入れ代わり立ち代わり結成したデュオやクァルテットによるナンバーなど、まだまだレコーディング業界が限られたメンバーによって回されていた時代で、そんな中から現在も歌い継がれている「Shine On, Harvest Moon」「I Wonder Who's Kissing Her Now」といった楽曲が、この年に初めてヒットチャートに登場している。
2019年01月28日
The Phonographic Year Book 1909: Talk of Your Scand'lous Times (Archeophone)
1909年(明治42年)のヒット曲集。当時ブロードウェイで上演されていたバラエティショーから生まれたコミカルなナンバーや、テナー歌手たちによる感傷的なバラード、そしてその彼らが入れ代わり立ち代わり結成したデュオやクァルテットによるナンバーなど、まだまだレコーディング業界が限られたメンバーによって回されていた時代で、そんな中から現在も歌い継がれている「Shine On, Harvest Moon」「I Wonder Who's Kissing Her Now」といった楽曲が、この年に初めてヒットチャートに登場している。
The Roots of Popular Music: The Ralph S Peer Story (peermusic/Sony Music Latin)
1920年代から50年代にかけて音楽界で活躍し、ポピュラー音楽の様々なジャンルの先駆的存在となったプロデューサー/音楽出版者、ラルフS.ピアーの業績にスポットを当てたボックスセット。ピアーはプロデューサーとしてレコード史上初めての黒人向けブルース・レコード、メイミー・スミスの「Crazy Blues」を1920年にヒットさせ、その後27年にはレコード機材を車に積み込んでアメリカ南部に趣き、カントリー音楽史の最重要アーティスト、ジミー・ロジャースとカーター・ファミリーのレコーディングに成功。更に第二次大戦前後には音楽出版社を立ち上げて中南米産の楽曲を英語圏に広く紹介し、その後にはバディ・ホリー、リトル・リチャードといった若き才能を発掘して出版権を獲得するなど、1960年に没するまで幅広い影響力を誇った。
現在称されるところの“ルーツ・ミュージック”の殆どの種子を音楽産業に撒いたといって過言ではない彼が手掛けた作品、世に紹介した作品から、彼の没後遺された音楽出版会社「ピアー・ミュージック」を通じて世の中に紹介された彼の精神を受け継ぐ作品をCD3枚にわたって約100年のタイムスパンで追った本作は、ポピュラー音楽の醍醐味を存分に味わえる(加えて聴き手に己の勉強不足を痛感させる・・)重量級のボックスセットとなっている。
Track List
2019年01月25日
ゴールデン☆ベスト:大橋純子 シングルス (USM Japan)
以前シティ・ポップ系(近年はベタな歌謡曲とほぼ同義語となってしまった“ニューミュージック”という言葉の使用を避け、こちらが好んで使用される傾向がある)の再発CDを取り上げた時に、各社から何百種類とリリースされている「ゴールデン☆ベスト」シリーズが実は宝の山であることに気づき、今後中古盤屋を熱心に探して回りたい・・というようなことを書いた気がするが、有難いことに同シリーズの何種類かが、税込み1,000円程度の値段で再プレスされ始めている。こちらはその大橋純子編。
以前彼女が美乃家セントラル・ステイションと組んで発表したR&B〜AOR色の強いアルバム2作をここで紹介したが、こちらはそういった洋楽サウンドの影響を色濃く感じさせる初期作品から、ベストテン番組の常連となっていった時代のムード歌謡調の作品まで、ヒット曲をほぼ網羅した内容のシングル集。サウンドは変わってもその個性的なボーカルは一貫して彼女独特の世界を創り上げている。
ゴールデン☆ベスト:シングルス・アンド・モア - 石川セリ (USM Japan)
Graciela Susana Golden★Best (EMI/USM Japan)
2019年01月22日
Adamo (Oldays)
Gigliola Cinquetti (Oldays)
Comment La Revoir - Chantal Goya (Oldays)
2019年01月19日
Ronnie Bird (Oldays)
Black Monk Time - Monks (Oldays)
Twist-Time im Star-Club Hamburg - The Rattles (Oldays)
2019年01月16日
They Call Us Au Go Go Singers (Oldays)
The Mugwumps (Oldays)
The Even Dozen Jug Band (Oldays)
2019年01月13日
Dobie Gray Sings for "In" Crowders That Go "Go Go" (Oldays)
Treat Me Right - Roy Head (Oldays)
The Magnificent Men (Oldays)
2019年01月10日
Movin' with Nancy - Nancy Sinatra (Oldays)
A Halo to You - The Angels (Oldays)
2019年01月07日
The Tokens Again (Oldays)
昨年末にトーケンズの見慣れないアルバムが1,000円CD化されたので、とりあえず入手。このアルバムは彼らが「ライオンはねている」などのヒットを放ったRCAから、既に他レーベルに移籍していた1966年に古巣よりリリースされたコンピレーション。このアルバムがこの時期にリリースされた理由を、まず考えなければいけない。
トーケンズがRCAを離れ、自ら設立した「B.T.パピー」に移籍したのは1964年のこと。RCAでの彼らは「ライオン〜」の全米ナンバー1ヒットはあったものの、その後フォローアップに値するヒットを放つことができず、この時点ではいわゆる“一発屋”。一方でシフォンズなどを手掛けプロデューサー業は順調だった彼らは、運営していたプロダクション「ブライト・チューンズ」を冠したレーベルを立ち上げ、そこから1966年に念願のTOP40ヒット「I Hear Trumpets Blow」を放ったのだった。
あるアーティストがカムバックを果たすと、以前に所属していたレーベルがそのアーティストの過去の録音を掘り起こしてコンピレーションをリリースするのはよくあること。 しかしこのアルバムがリリースされた経緯を考えるには時代背景も考えたいところ。彼らがカムバックを果たした1966年、「B.T.パピー」から弟分グループとして送り出したザ・ハプニングスが1959年のヒット「See You in September」のカバーをヒットさせ、その後延々と盛り上がる“R&Rリバイバル”の先鞭を切ったことにRCAは大いなる刺激を受け、トーケンズが同社に遺したドゥ・ワップ風味の作品ばかりを集めたアルバム(本作)をリリースしようと考えたのではないか?というのが私の推理。
と、生まれた経緯は不純ながら(あくまでも推測だが・・)、本作の内容は“トーケンズ名唱選”といって間違いないもの。「ライオン〜」のイメージで彼らを色物グループと考えている音楽ファンがいたら、是非このアルバムを聴いてホワイト・ドゥ・ワップグループ史上屈指の実力派グループである彼らの魅力を味わってみていただきたい。
Track List