2018年07月13日

サヨナラは出発のことば +3 - 安田明とビート・フォーク (Solid/Ultra Vybe)
ナウ・ディスコティック - ビート・フォーク (Solid/Ultra Vybe)



安田明とビート・フォークは、1970年代半ばに各地のディスコや米軍キャンプなどで演奏活動を行っていた当時は稀な和製ファンクバンド。1990年代に盛んにリリースされたコンピレーション『幻の名盤解放同盟』周辺でその名前は何度も聞いていたが、作品を実際に聴くのは今回が初めて。

1975年のファースト『サヨナラは出発のことば』はそれまで日本の民謡をファンク調に演奏するシングルなどをリリースしていた彼らが全編オリジナルで世に問うた意欲作。サウンドはR&B〜ファンク、詞はフォーク調という奇妙な世界だが、演奏力は非常に高く、ねちっこいボーカルはある意味“ソウル”といえるのかも。続いて76年にリリースされた『ナウ・ディスコティック』は当時ディスコで流行っていた洋楽ナンバーを彼らがカバーしたもので、こちらの方がいつもの彼らの姿なのだろう。どの録音も本家に劣らぬ内容で、当時既にこのようなR&Bバンドが日本に存在していたことに驚嘆する。

彼ら自身が商業的な成功を収めることはなかったが、ボーカルの安田明はアニメソングの世界にも録音を残しており「ドカベン」や「ヤッターマン」の主題歌は彼によるものなのだとか。聴きなおしてみると、意外とソウルフルに聞こえるかも・・?


Track List

posted by yakame at 02:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

侍 - ミッキー・カーティスと侍 (USM Japan)
河童 - ミッキー・カーティスと侍 (USM Japan)



1950年代のロカビリーブームで頭角を現し、その後マルチタレントとしてTVやステージなどで活躍したミッキー・カーティスは、60年代後半にGSグループ“ヴァンガーズ”を率いて東南アジアに渡り、各国のクラブやカジノのハコバンドとして活動。当地ではかなりの人気を呼んだそうで、その人気ぶりに目をつけたプロモーターの誘いで今度はヨーロッパに活動の拠点を移し、日本人バンドとしての印象づけのためグループ名を“サムライ”と改めた。

グループはヨーロッパ大陸からいよいよイギリスはロンドンに進出、当時のロックシーンの様々なビッグネームのサポートアクトを務めながらレコード契約を獲得し、イギリスとドイツでリリースされたのがファーストアルバム「侍」。このアルバムに関してカーティスはあまりいい思い出がないようで、彼の自伝でも多くのことは語られていない。約3年にわたる海外転戦の後彼はメンバーを引き連れて帰国し、日本のレコード会社と契約を結んだが、ファーストアルバムの内容では売れないと判断されたのか(?)新たにアルバムを録音し、リリースされたのが本邦デビュー盤となった「河童」だった。

時系列的にごちゃごちゃしているが、まずは先に録音された「侍」の方から。CDに封入されている中高年にはとても読めない文字の縮刷版アルバムライナー(by中村とうよう)によれば、本作がヨーロッパでリリースされたときは二枚組のボリュームだったが、日本リリースにあたって曲数を減らし一枚に収めることになったのだとか(CDの時代になったのだからカットした部分も入れたらいいのに・・)。現地で出会った外国人ミュージシャンや、後に洋楽シーンで大活躍する日本人ベーシスト、山内テツの名前もクレジットに確認できる本盤は、当時イギリスで盛り上がっていたプログレ風の長尺曲と、アシッドフォーク調の曲が混在しており、かの地のロックシーンの雰囲気をうかがい知ることができる内容。一方「河童」も基本的な構成は変わらないが、わかりやすいハードロック調の曲や、日本語曲も収録されており、ある程度日本の市場を意識した印象。この時期に早くも沖縄音階と三線の音色を取り入れている「誰だった」のセンスは注目に値する。



Track List

posted by yakame at 01:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Love - so nice (Solid/Ultra Vybe)



こちらはかなりの珍盤。1970年代後半、日大芸術学部の学生たちがシュガーベイブのコピーバンドとして活動をスタートさせたアマチュアグループ「so nice」は、やがてシュガーベイブ〜山下達郎の強い影響下にあるオリジナル曲を演奏するバンドに進化。1978年の「大学対抗フォークソングコンテスト」で優勝したこと及び学生生活の卒業を記念し79年に制作した自主制作盤「Love」のCDバージョンがこちら(初CD化は2011年)。こんな作品に出逢えるなんて、これぞ「1,000円CDの醍醐味」。

彼らのシュガーベイブへの心酔ぶりは相当なもので、一聴して“タツロー風”であることがわかる作品ばかりでなく、大貫妙子風の作品までしっかり収録されているのが凄い(笑)。演奏も“学生バンド”のレベルを軽く凌駕するもので、あまりのシュガー傾倒ぶりに「彼らのオリジナリティは?」なんて皮肉めいた言葉もうっかり出そうになるが、J-POPの知られざる秘宝としてその筋の好事家には大変重宝される内容だと思う。

なおこのCD化による再評価をきっかけに彼らは時折再結成し、近年もタツロー・トリビュート的なライブを開催している模様。「記録に残しておいて本当に良かったですね🎶」と、何かの機会があればお伝えしたい気持ち。


Track List

posted by yakame at 00:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする