2018年07月07日

I Am Agnes Lum: アグネス ラムです (Solid/Ultra Vybe)
With Love: さよならは言わない - アグネス ラム (Solid/Ultra Vybe)



“1,000円CD”の波がいよいよJ-POPの世界まで波及してきている。この6月〜7月にはユニヴァーサルとインディのソリッドから相当数がリリースされたが、今年の後半はその他各社からJ-POPの1,000円CDがドドッとリリースされて、その波に飲み込まれてしまうのでは・・・と、今から不安で仕方がない(笑)。

その中でまず紹介するのがアグネス・ラム。ってこのブログ的にどうなの?という話はあるが(汗)。彼女はハワイ出身の中国系アメリカ人で“クラリオンガール”という言葉がまだない時期に(その言葉ももはや死語だが)クラリオンの広告に登場し“童顔巨乳”という言葉がまだない時期に(当時は“あどけない顔に豊満な肢体”みたいな表現だった記憶がある)メディアを席巻したグラビアアイドル。当時小学生だった僕でも強烈な印象が残っているので、青年期にあった日本男子には大変な存在だったことが容易に想像でき、実際その人気は現在も根強くあるようで、彼女の2018年版のカレンダー(もちろん写真は現在の彼女ではなく40年前のものだが・・)も販売されていることを今回調べて初めて知った。。。

数年前に外国人が歌う日本語ポップスばかりを集めた『昭和カタコト歌謡曲』というCDを入手し、衝撃を受けた一曲が彼女の「雨あがりのダウン タウン」。これは楽曲を提供した弾厚作こと加山雄三のセンスに負うところが大きいと思うが、彼女のたどたどしい日本語を如何にチャーミングに聴かせるかに腐心した様子が覗えるガールポップの傑作だった。これに興味をそそられて入手したのが今回の二作だが、一作目の「アグネス ラムです」には加山に加え加藤和彦と安井かずみも主要ソングライターとして参加、それぞれが“南国から来た少女”をテーマに楽曲を提供しているが、加山のイメージする“トロピカル”が映画「南太平洋」や「パイナップル・プリンセス」のアネットあたりがベースとなっている印象である一方、加藤安井組は当時イギリスで人気があったバンド「FOX」あたりのサウンドをヒントに作ったのでは?という“世代格差”が面白い。

二作目の「With Love」は厚作先生が退場し、加藤夫妻他の日本制作陣と、洋楽カバーが半々という内容になっている。洋楽カバーはマイナーな楽曲が多くその選曲意図を訊いてみたい気がするが、より面白いのは日本人作曲家の作品の方。J-POP系はうっかり音源をYoutubeにアップロードすると関係のない音源も含めアカウントごと削除するような乱暴なことをされるので動画は貼れないが、吉野藤丸作のディスコ歌謡「やさしい旋風」や、この年(78年)の後半にデビューする竹内まりあの世界を先取りしたような「ムーンライト ビーチ」あたりが聴きもの。



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チヨ・筒美京平を唄う - 奥村チヨ (Solid/Ultra Vybe)



1965年にデビューし、現在もキュートな魅力を保ち続ける奥村チヨがヒットチャートで活躍したのは1960年代後半〜70年代前半にかけて。「恋の奴隷」や「恋狂い」などの鈴木邦彦作品や、後に結婚する浜圭介提供曲の印象が強いが、ヒット曲の数でいえば筒美京平作品が最も多い。

彼女のシングル盤は当時東芝レコードからリリースされていたが、こちらはカセットテープ専門で独自にアルバムを制作していたレコード会社(カセット会社?)「アポロン」のために録音された作品の中から、筒美京平作品ばかりをセレクトしたコンピレーション。彼女自身のヒット曲としては「あなたに逢いたい」と「涙いろの恋」の2曲(但し別バージョン)が収録されているが、他はすべて他のアーティストのヒットのカバーで、しかも当時いずれもレコード盤にはなっていないという貴重なもの。奥村チヨファン、そして日本のガールポップファンであればコレクションに加えておくべき一枚。



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愛しあう2人のために:愛のレッスン - 加賀まりこ/ワーナー・グランド・オーケストラ (Solid/Ultra Vybe)



戦後わが国芸能界の【カワイイ番付】を作成するとしたら、おそらくかなり上位にランクインするであろう一人が加賀まりこ。彼女が1971年にリリースしたアルバム『愛のレッスン』は歌ものではなく、ワーナー・グランド・オーケストラによる洋楽カバーインストをバックに、愛の物語(構成・詞は安井かずみ)を語るという企画もの。BGMの選曲センスが非常によく、フレンチポップ〜ソフトロック的な文脈で楽しむことができる。

タイトルからすると『円楽のプレイボーイ講座』をはじめとする“指南もの”の一枚のように思われるが、パリの公園で長身の美青年と出逢い、やがて恋に落ち、その後ちょっとしたことで喧嘩別れするけど結局ハッピーエンドで終わる・・という少女漫画的なストーリーを情熱的に語るさまは、近年の言葉でいえば“妄想女子”の元祖的作品といってもいいのかもしれない。こじらせ系音楽ファン(笑)は一聴をお勧め。


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