2018年06月19日

The Brooklyn, Bronx & Queens Band - B.B. & Q. Band (Capitol/USM Japan)



“1,000円ディスコ”シリーズの6月発売分が我が家にも届いた。こちらはこじつけのようなバンド名のとおり、ニューヨーク・エリアで結成されたダンスバンドが1981年に発表したファーストアルバム。シックを思わせる軽快なギター・カッティングが印象的な「On The Beat」は、ポップチャートに登場するようなヒットではなかったにもかかわらず当時中学生だった(しかもまだあまり洋楽に興味がなかった)僕でも頻繁に耳にした記憶があるので、それだけ当時日本のディスコで大変な人気を博したということなのだろう。80年代初頭の典型的なディスコミュージックのサンプル的作品。



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Now Appearing... LA. Connection (Mercury/USM Japan)



LAコネクションの1982年唯一作。その名前から西海岸のスタジオグループだと思い込んでたが、彼らはロサンゼルスではなくルイジアナ出身の「LA 」なのだとか。ファンクバンド、キャメオ周辺のミュージシャンが集結したユニットで、グループ名には彼らの総帥(かつ本作のプロデューサー)であるラリー(LArry)ブラックモンの名前もかけられているらしい。キャメオはちょうどこの頃レコード会社を移籍しており、そういった契約の隙間をついてのリリースだったのかもしれない。音楽的中身ははまさにキャメオのそれなので、ファンであれば派生アルバムとしてコレクションに加えておいて損のないアルバム。



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2018年06月16日

Eric Clapton: Life in 12 Bars (UMC)



エリック・クラプトンの半生を追った新作ドキュメンタリー「Life in 12 Bars」のサントラ。彼がキャリアをスタートさせるにあたって影響を受けたアーティストの作品に始まり、ヤードバーズへの加入以降様々なバンドを渡り歩き、ドラッグにまつわる様々なトラブルを巻き起こし/巻き込まれながら70年代にソロアーティストとしての名声を確立する・・というもはやロック史の教科書の鉄板ネタといえる「エリック・クラプトンストーリー」をたどるには、これまでリリースされた中で一番のコンピレーションだと思う。クラプトンがセッション参加したビートルズ系音源の収録という、彼らの権利が数年前にユニヴァーサルに移ったため可能になった幸運の賜物もあるし・・。

それにしてもクラプトンを語るにはキャリア最初の10年があまりにも濃すぎる(他のミュージシャンの人生の何回分か(笑))ので、サントラ収録曲はほとんどが1974年までに発表された作品で占められ、最後の締めくくりに「Tears in Heaven」という、ここ数十年変わることのない流れなのが気になるところ(ドキュメンタリーを実際観た訳ではないので実は新しい視点が提示されているのかもしれないが・・)。ベテランロックファンにとっては耳タコもののナンバーが並ぶ本作(ただしこれまでとのミックス違い、ライブバージョンは多数収録)を今回僕が入手したのは、これまで彼の音楽をベスト盤やボックスセットを聴くことだけで済ませていたところ、実は「I Shot The Sheriff」のちゃんとしたバージョンを持っていないことに気がついたから(笑)。そんな訳で購入して聴いてみた「〜 Sheriff」は、なんとこれまで未発表だった約7分のフルバージョン。。。本作の目玉であることは間違いないが、シングルバージョンを求めて僕はもう一枚コンピレーションを買い求めないといけないのか?と現在思案中である。


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Beside Bowie: The Mick Ronson Story (UMe)



こちらはデヴィッド・ボウイのバックバンド“スパイダーズ・フロム・マース”のギタリストだったミック・ロンソンのドキュメンタリーのサントラ。ボウイのグラム・サウンドに多大な貢献を果たしたロンソンのキャリアは、ボウイと袂を分かった後も常に彼の影響下にあったようにサントラ収録を聴く限り感じられる。「ローリング・サンダー・レビュー」に参加した(ドキュメンタリーにはその映像も登場する模様)ボブ・ディランとの録音がここに収録されていれば随分印象が違ったと思うが、それが叶わなかったのは残念。

晩年(1993年没)の彼のキャリアのハイライトとしてドキュメンタリーに登場するのは、死の前年にロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催されたフレディ・マーキュリーの追悼コンサートにボウイと長年の盟友イアン・ハンターとともに「すべての若き野郎ども」と「ヒーローズ」を披露したシーン(圧巻!!)。まさに「Beside Bowie」なこの作品で一体どのようなエピソードが語られているのか、映画が日本に入ってきたらチェックしてみたい。



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Thrillington (Capitol/MPL)



近年ポール・マッカートニーの最高傑作との呼び声が高まっている1971年のアルバム『RAM』。巷の評判はさておき(いやいや傑作ですが)当時ポール先生の同作の出来栄えへの自信/思い入れは尋常でないレベルだったようで、アルバム全編をノスタルジックなオーケストラ・アレンジでカバーするという匿名の自作自演アルバムのリリースまでが企画された。

1939年(ポールの3歳年上)にロンドンのコヴェントリー大聖堂で生まれアメリカで音楽を学んだバンドリーダー、パーシー“スリルズ”スリリントンというキャラクターは、かつて“ペッパー軍曹”を生み出した彼にはいつもの創作過程の産物といったものなのだろう。アルバム発表直後に録音されながらウィングスの活動との兼ね合いか77年までリリースが見合されたことでアルバム制作の意味が曖昧になってしまったが、宅録派で超オタクな一面を持つポール先生が自信作のリリースに際して、ロック以外のリスナー層にどのような複合マーケティングでアピールするかを夢想していたか・・なんてことを考えると、このアルバムをより面白楽しく聴くことができるのではないかと思う。


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2018年06月13日

Psychedelic Moods: A Mind Expanding Phenomena - The Deep (Oldays)



1966年にリリースされたザ・ディープのアルバム『Psychedelic Moods』は、音楽史上初めて“サイケデリック”のタイトルが冠されたロックアルバムなのだとか。リリース当時ほとんど話題にならなかったという本作は、1980年代以降のサイケデリック〜ガレージ・パンクの再評価ムーブメントの中で発見されめでたく“第1号サイケ”の称号を得ることとなったが、グループの実態はグリニッチ・ヴィレッジを拠点に活動していたフォークシンガー、ラスティ・エヴァンスと、コニー・フランシスの「I'm Gonna Be Warm This Winter(想い出の冬休み)」やマンフレッド・マンの「Pretty Flamingo」などのヒットで知られるソングライター、マーク・バーカンの2人が中心となったスタジオ・プロジェクト。実は“産業サイケ第1号”でもあったという。。。

粗いギターサウンドのロックナンバーと、ダウナーなフォーク調のナンバーが混在し、そこに全編にわたって奇妙なSE(彼らには無断でレコード会社によって追加された)が被せられたその世界は、当時グリニッチ・ヴィレッジで流通し始めていたLSDによる体験の、レコーディングスタジオでの再現を試みたもの。ロックアルバムとしてのクオリティは正直いって決して高いものとは思わないが、それでいて実はこの直後から60年代末まで音楽市場に氾濫する“サイケデリック・ロック(特にレコード会社がでっち上げた産業サイケ)”のイメージをほぼすべて内包している恐るべきアルバムでもある。遅ればせながらCDコレクションに加えることができた本作で、その後のシーンがよく見通せるようになった気がする。



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Love Is The Revolution - Arthur Lee Harper (Big Pink Music)



1968年にリー・ヘイゼルウッドのLHIからリリースした『Dreams & Images』がソフトロックの名盤として名高い“アーサー”ことアーサー・リー・ハーパーが翌69年に発表したセカンド。ヘイゼルウッドの下を離れたためサウンドプロダクションは非常にシンプルになったが、メッセージはよりパーソナルになり、イッツ・ア・ビューティフル・デイあたりを思わせる自己主張の強いジプシー・バイオリンの音色も相まってアシッド感は更に強い仕上がりに。マイナーフォーク好きであればしっくりくる内容。



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Fire & Rain (Big Pink Music)



アリゾナ州ツーソンから登場した夫婦デュオの73年作で、プロデュースはベンチャーズの諸作で知られるジョー・セラシノ。HOT100にぎりぎりランクインしたバーバラ・ルイス「Hello Stranger」のカバーはプレAOR的なグルーヴ感がなかなかの聴きものだが、他の収録曲の1973年とは思えないカバー選曲のセンスやサウンド感 〜情報から遮断されたツーソンに暮らしていたら、ヒッピーの時代がとっくに終わっていたことに気づかなかったような(笑)〜 がじわじわくる。1967〜68年頃のアルバムと比べて聴くとしっくりくる感じ。


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2018年06月10日

That Bo Diddley Beat featuring An Array of Songs That Use The Unique Rhythm Made Famous by Bo Diddley (Not Now Music)



1955年にボ・ディドリーがリリースしたその名も「Bo Diddley」は、特徴的なリズムと彼が演奏する四角いギターから生まれるこれまた特徴的なサウンド(一体どんなエフェクターが仕込まれているのかわからない・・)が後のロックサウンドに大きな影響を与え、彼が発明したビート(別名“ジャングルビート”)はその後数十年にわたって英米のヒットチャートに登場を続けている。

“ジャングルビート”のリズムは「Hambone」という童歌(このCDではカール・パーキンスの演奏で聴くことができる)がベースとなっており、アメリカでは非常に馴染みのあるものなのだとか。50年代半ばから60年代前半にかけて録音された“ジャングルビート”作品ばかり40曲も集めた本CDは、このリズムとギターサウンドが如何に致しまれ、広い影響力を持ったかを伝える非常にユニークなコンピレーションになっている。なおボ・ディドリーの名誉のために書いておくと、彼は決して“ジャングルビート バカ一代”な人ではなく、この曲の直後にはヤードバーズなどでお馴染みの「I'm A Man」をヒットさせているし、その後も「Roadrunner」「Who Do You Love」といった後のガレージロックのルーツ的作品を次々と生み出した“クラシックロックの偉人”でもある。



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Love Is Strange: All The Hit Singles A's & B's 1950-1962 - Mickey & Sylvia (Jasmine)



1956年のR&Rクラシック「Love Is Strange」で、まるで夫婦漫才のような掛け合いを聴かせている(実際は夫婦ではなかったようだが)ミッキー&シルヴィアは、方やR&B史にその名を遺す名ギタリストのミッキー・ベイカー、もう一方は70年代にソロシンガーとして「Pillow Talk」の大ヒットを放ち、レーベル・オーナーとしてもモーメンツやシュガーヒル・ギャングを世に送り出した“女傑”シルヴィア・ロビンソンという非常に興味深い二人によるデュオ。

この二枚組CDは二人が50年代半ば〜60年代前半にかけて様々なレーベルからリリースしたシングル音源を網羅した内容で、勿論チャートインを果たした曲はすべて収録(参考までにビルボード誌だけでなくキャッシュボックスとミュージック・ヴェンダー誌のチャート成績もつけてみた)。加えてシルヴィアがデュオ結成前に“リトル・シルヴィア”名義で録音した楽曲(52年〜53年)も冒頭十数曲収録されており、後の“お色気シンガー”駆け出し期の初々しいボーカルを楽しむことができる。


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Do The Popcorn: Original Hits and Rarities from The Belgium Popcorn Acene (Jasmine)



イギリスにおける“ノーザン・ソウル”同様、60年代後半のベルギーでは“ポップコーン”と称されるR&Bムーブメントがあったのだという。ここ数年その“ポップコーン”をテーマにしたコンピレーションが英語圏のレーベルからもリリースされるようになっており、過去の記事を確認したところこのブログで紹介するのもこの4年の間でこれが8枚目になる模様(笑)。

ポップコーンのコンピレーションには主に50年代後半〜60年代前半のいわゆる“アーリー・ソウル”系作品が収録されており、このCDも例外ではないが、中には白人のアイドルシンガーや、ジャマイカ産の初期R&B録音なども曲目リストに見つけることができる。他の地域でいえば南北カロライナ州で好まれている“ビーチ・ミュージック”にも通じる、いい意味で非常に温いダンスビート。これまであまり注目されなかったタイプのダンスミュージック・コンピとして楽しむことができる。


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2018年06月07日

Outlaws & Armadillos: Country's Roaring '70s (Country Music Hall of Fame and Museum/Lagacy)



ナッシュビルにあるカントリーミュージックの殿堂博物館は、エルヴィスの有名な金色のキャデラックや、往年の大物アーティストのド派手なステージ衣装などがゴテゴテと飾られている・・・というのが20数年前にそこを訪れた時の僕の印象だが、近年はカントリーミュージックの歴史や音楽遺産(レガシー!)を現世に知らしめる啓蒙活動のための企画展示を熱心に開催しているようで、数年前には60年代後半のボブ・ディランとジョニー・キャッシュの交流をきっかけにナッシュビルのミュージシャンの存在がジャンルを超えて注目を集めたことを紹介する特集が組まれ、それに連動した『Dylan, Cash and The Nashville Cats』なんてコンピレーションもリリースされている。

今回同博物館が企画したのは「アウトロー・カントリー特集」。ナッシュビル産のカントリーミュージックが市場を独占していた60年代から、テキサスやカリフォルニアから起こった新しいムーブメントが徐々に影響力を増していく70年代への移り変わりを紹介したもので、それに合わせて企画された本CDにはムーブメントの象徴的存在であるウェイロン・ジェニングスとウィリー・ネルソンの作品の他、フォークやロックの世界から参入した門外漢や、ナッシュビルからドロップアウトし新天地で革新的な作品を発表したアーティストなど、様々に個性的な作品が数多く収められている。思ったよりヒット曲の収録が少なくマニアックな内容になっているのでこれ一つでムーブメントの概要がわかる訳ではないと思うが、今後この選曲意図を探求していけば70年代、さらには80年代のカントリー界の変遷を把握することが出るのでは、と思っている。



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The Complete Capitol Singles 1967-1970 - Buck Owens and The Buckaroos (Omnivore Recordings)



バック・オウェンスがキャピトル・レコードからリリースしたシングル音源を集めたコンピレーションの1967年〜70年編が届いた。この時期の彼は出すシングルいずれもがカントリーチャートのナンバー1にほぼ届く状態なので、怖いもの知らず。チャック・ベリーの「Johnny B. Goode」をカントリーの1位にする人なんて、他にそうはいないでしょう。

なお彼が同社から1959年から66年にリリースしたシングルと、76年以降にワーナーからリリースしたシングル音源は既にCD化されているので、後は71年〜75年の音源を残すのみ。Omnivoreさん、よろしくお願いします!!

 


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The Complete '60s Capitol Singles - Merle Haggard (Omnivore Recordings)



先日紹介したNRBQのボックスセットと一緒にレーベルのセールで入手したCD。マール・ハガードはバック・オウェンスと並ぶアメリカ西海岸発の“ベーカーズフィールド・サウンド”の立役者で、ナッシュビル以外の土地からでもカントリーの新しいムーブメントを起こすことができることを証明してみせた最重要人物の一人であるが、彼のようにヒット曲の多い大物の音楽を聴くには一体何処から手をつければいいのか・・?という問題が常につきまとう。そんな時にひとまず縋りたいのが当時リリースされたシングル音源をすべて集めたこれのようなコンピレーション。

マール・ハガードが本格的なブレークを果たしたのは1966年の「The Fugitive」がカントリーチャートのナンバー1を記録したことがきっかけ。以降怒涛の連続ナンバー1を記録していくことになるのだが、本CDには1965年から69年までにキャピトル・レコードからリリースされたシングル音源が収められている。どの歌も登場人物は犯罪者(笑)な“アウトロー・カントリー”の礎であるとともに、ザ・バーズがカントリーロック路線を打ち出した『Sweetheart of Rodeo』にもハガード作品が取り上げられているという、その道の先駆者的存在でもある彼の代表曲をざぁっとさらうには最適なコンピレーション。なおこのCDがリリースされたのは2013年のこと。彼がキャピトル・レコードからリリースしたヒットシングルは更にCD数枚分あるので、そろそろ続編の登場を期待してもいい頃のような・・・。


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Suite Steel: The Pedal Steel Guitar Album (Wounded Bird)



カントリー界のスチールギターの名手、バディ・エモンズ、ジェイ・ディー・マネス、レッド・ローズ、スニーキー・ピートとラスティ・ヤングの5人が一堂に会し、当時のロックヒットを演奏したインスト・アルバム(1970年リリース)。カントリーロックの隠れた名盤といっていい内容だと思うが、意外にも今回が初のCD化だという。

個人的な話で恐縮だが、本作は僕が小さい頃、カントリー好きだった父がスチールギターの練習のため家で何度も繰り返して聴いていたアルバムであることに購入してから気がついた。「Wichita Lineman」も「Something」も僕はこのアルバムで初めて知ったので、グレン・キャンベルやビートルズ版を聴いたときに「あ、あの曲だっ!」と思ったことを今も覚えている。40数年ぶりに、思いがけないアルバムと再会してしまった。。。



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2018年06月04日

Second Wave [20th Anniversary Edition] - Jan Berry (Wounded Bird)



2004年に亡くなったジャン&ディーンのジャン・ベリーが遺したラスト・レコーディングとされる作品(1997年発表)の20周年記念盤がリリースされた。1966年の自動車事故で瀕死の重傷を負って以降、その後遺症と闘いながら断続的にライブ活動を続けていた彼が本作のレコーディングをスタートしたのは1988年のことだという。 

あくまでも想像だが1988年はブライアン・ウィルソンがカムバック作(にしてリハビリ作)の『Brian Wilson』をリリースした年で、ベリーはかつてのライバルの復活に某かの刺激を受けてアルバム制作を始めたように思えてならない(一部の収録曲でブライアンのアルバムを思い起こさせるサウンドも聴くことができる)。しかし彼の健康状態か、それ以外の問題が原因か不明だが、アルバムのリリースにこぎつけるまでにそれから10年近くの歳月を要し、ようやく出来上がったものは彼とロブ・クロパトワによるオリジナル曲と、60年代のヒットのリメイクが半々(おそらく彼のライブ会場での販売を想定してのものだろう)という内容になった。当時本作はほとんど話題になることもなく、僕もその存在を知らなかったが、オリジナル曲を聴いてみると彼が当時のコンテンポラリーなサウンドに果敢に挑戦している(ラップのようなことまでやってる!)様子が記録されており、後半生を不遇に過ごしたベリーの、アーティストとしての執念のようなものを感じさせる内容となっている。 



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Purveyor of Balladry: The Best of Nino Tempo On Atlantic (Omnivore Recordings)



アトランティック・レコードの創始者の一人ネスヒ・アーティガンが1989年に亡くなった際、彼の長年の愛弟子であるニノ・テンポは追悼曲として「Darn That Dream」を葬儀で披露した。その演奏が評判となり彼は60年代に数多くのヒットを飛ばした同社と再契約、90年代に2枚のインスト・アルバムをリリースしている。

本CDは『Tenor Saxophone('90)』と『Nino('93)』の2枚からピックアップされた作品に件の葬儀におけるライブ録音が追加されたベスト盤。この時期の彼はいわゆるコンテンポラリー・ジャズのアーティストであり、かつてのポップ路線は期待すべくもないが、時折登場する実姉エイプリル・スティーブンスやロバータ・フラックの歌声にハッとさせられる瞬間がある。



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Into A Dream - Adrian Baker (Big Pink)



1980年代初頭にギデア・パーク名義でビーチ・ボーイズとフォー・シーズンズのメドレー曲をヒットさせ、その後実際に両者の正式メンバーにもなってしまったイギリス人ミュージシャン、エイドリアン・ベーカーが1975年に発表したファーストアルバム。本作からはフォー・シーズンズのカバー「Sherry」がヒットを記録しているが、決してノスタルジックな雰囲気ではなく、鋭いファルセットを武器に近年よく使われる用語で表現すれば“AORディスコ”的な世界を展開している。



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2018年06月01日

Runaround Who?: 30 Songs Influenced by Dion Dimucci (Teensville)



ティーンズヴィルからは以前フォー・シーズンズの作風に影響を受けた作品、模倣作ばかりを集めたCDがリリースされていたが、今回のテーマはディオン。R&R殿堂入りアーティストにして白人ドゥ・ワップ界の巨人である彼の数多いヒットの中でも、とりわけ特徴的な楽曲が「Runaround Sue(浮気なスー)」。いわゆる“オールディーズ調”といわれる曲調のひな型の一つともいえるこの曲なので模倣作は多く、このCDには収録されていないがディッキー・リーの「いとしのリンダ」のように本家に迫る成功を収めた楽曲も少なからず存在する。

通して聴くと「これもディオン?」と首をかしげたくなる曲もあるが「〜スー」ばかりでなく「恋のティーンエイジャー」風あり、アンサーソングあり、トリビュート風あり。キャッチーで“トンデヘレヘレ”なオールディーズの醍醐味を堪能できる全30曲。



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Guys Go Pop! Vol.3 1963-1965 (Teensville)



ティーンズヴィルの男性オールディーズ傑作選第3集。サーフロックやイギリス勢の襲来、そしてスタジオシーンの活性化などによりポップスのサウンドに劇的な変化が起こった1963年〜65年の録音から選曲されており、有名無名、またはこれから有名になるアーティストの知られざる佳曲が執念深く探し出されている。それまでのオールディーズ然としたものから、やがてやってくるソフトロック的なアプローチへと移行する過渡期的なサウンドがたっぷり31曲楽しめる。


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Sugar - Nancy Sinatra (Oldays)
Country, My Way - Nancy Sinatra (Oldays)



大好評オールデイズのナンシー・シナトラ紙ジャケシリーズ、今回は1967年リリースの二作。ピンクビキニの悩殺ジャケで有名な『Sugar』は大ヒットした「シュガータウンは恋の町」に合わせてリリースされたものだが、レパートリー調達の時間がなかったのかスタンダードナンバー集、しかも1920年代に作られた作品を中心に選曲されており、当時としてもかなりオールドタイミーな内容。ボーナストラックには父フランクと共演した全米ナンバー1ヒット「恋のひとこと」などを収録。

続く『Country, My Way』はナッシュビルに趣き録音したカントリーナンバー集。この年より裏方からデュオとしての録音も始めたリー・ヘイゼルウッド(連名アルバムの到着が待ち遠しい!)との「Jackson」が特に聴きもの。ボーナスには映画『007は二度死ぬ』主題歌ほかこの年にリリースされたシングル曲を追加収録。



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