2008年01月19日

2008年01月13日

10 to 23/Fireworks - Jose Feliciano (BGO)

10 to 23/Fireworks - Jose Feliciano

Feliciano! - Jose Feliciano ('68) 1945年にプエルト・リコに盲目の子として生まれ、5歳の時にニューヨークに移住したホセ・フェリシアーノが英語圏でセンセーショナルなデビューを果たしたのは1968年のこと。ドアーズのカバー「ハートに火をつけて」はスパニッシュ・ギターによるアコースティックなサウンドに仕上げられたオリジナルとはまた違ったアシッド感の溢れる名演で、全米チャートの3位まで上昇。彼は近年でいえばリッキー・マーティン並みの注目度でもって、アメリカのポップ・シーンに受け入れられた。

 今回CD化されたのは69年にリリースされた「10 to 23」と70年の「Fireworks」のカップリング。「10 to 23」は冒頭にフェリシアーノの天才少年時代(当時10歳)の録音「Amor Jibaro」が収録され、それに続いて「When I was small...」で始まるビー・ジーズの「若葉の頃」が演奏される構成がニクい。当時のコンテンポラリーな作品のカバーが大半を占めているが、唯一のオリジナル曲「レイン('69米76位)」は日本でもヒットを記録した。

 続く「Fireworks」はヘンデルの「王宮の花火の音楽」をオーケストラと共演し奏でたバージョンをフィーチャー。彼はギターを独学で習得したが、耳に入る音楽は何でも再現出来るマルチ・プレーヤーなのだ。こちらもボーカル、インスト曲取り混ぜたカバー曲が大半を占めており、ここからはCCRのカバー「Susie-Q('70米84位)」とオリジナル「Destiny(83位)」がHOT100にランクイン。ローリング・ストーンズの「(I Can't Get No) Satisfaction」のクールなサウンド・プロダクションは、今日のクラブ・ユースにも耐え得る。

 2作通して特筆すべきは、ビートルズ・ナンバーの多さだろう。このCDには都合8曲のレノン=マッカートニー作品が収録されており、当時の音楽界随一のインタープリターである彼の、独特なビートルズ解釈を存分に楽しめる素晴らしい内容になっている。

 フェリシアーノは現在も精力的に各国をツアーしており、個人的にはこの何年か最もライブで観たいアーティストの1人である。是非とも来日公演の実現を!動画はこの時期の「レイン」が残念ながら見つからなかったので、映画「華麗なる賭け」のテーマ「風のささやき(「10 to 23」収録)」を。

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Some Things Just Stick in Your Mind: Singles and Demos 1964 to 1967 - Vashti Bunyan (DiCristina)

Some Things Just Stick In Your Mind: Singles and Demos 1964 to 1966 - Vashti Bunyan

Just Another Diamond Day - Vashti Bunyan ('70) 正直に書いてしまうと、僕はつい最近までヴァシュティ・バニアン(未だに正確な表記がよくわからない・・)の存在を知らなかった。先日「The Changing of The Guard」のCDを入手するまでは。そこに収録されていた「Winter Is Blue」の儚げな魅力と、その奇妙な名前に惹かれてネット検索してみたらビックリ、1970年に発表したアルバム「Just Another Diamond Day」1枚を残し、長い間【幻のシンガー】と呼ばれていた彼女は近年になって活動を再開し、2007年にはなんと来日公演まで実現していたという・・。完全に乗り遅れた形となったが、遅ればせながら件の「Just Another 〜」と来日公演後にリリースされた60年代の録音集「Some Things 〜」を入手し聴いてみた。

Vashti Bunyan バニアンがイギリスの音楽シーンに登場したのは1965年のこと。デッカから1枚、翌年にコロンビアから1枚シングルをリリースし、その後イミディエイトと契約したもののシングルやアルバムのリリースには至らず(その経緯で録音した1曲が「Winter Is Blue」であった)・・という彼女の60年代の軌跡を、彼女手持ちの音楽ソースからたどったのがこの2枚組CD。デッカ・レコードとの契約に至った64年のデモ・テープから公式発表された作品(ただし板おこし)、当時大半が未発表に終わったイミディエイト時代の録音までの全25曲で、プロデューサーのアンドリュー“ルーグ”オールダムが裏ジャケにコメントを寄せているとおり、彼女のウィスパリング・ヴォイスは当時フランスで起こっていた新しい音楽の流れ(日本では「フレンチ・ポップ」と呼ばれる)に通じる雰囲気がある。

 アマチュア時代の彼女が録音した1964年のデモは全部で12曲が収録されているが、この時点で既に彼女の基本スタイルは確立されていることがわかる。デビューにあたってオールダムは仲間のストーンズ2人(ミック・ジャガーとキース・リチャーズ)にこのアルバムのタイトル曲を提供させたが、それは純然たるガールポップで、彼女の魅力を表しているとは言いがたい。以降の彼女のオリジナル作品に真価は現れており「Winter Is Blue」を入口に彼女の作品世界に接した者としては耳に心地よい作品が並ぶ。面白かったのはイミディエイトのレーベル・メイト「トゥワイス・アズ・マッチ」と共演しバリー・マンとシンシア・ウェイル作品を歌った「Coldest Night of The Year」で、ここではオールダムによる疑似スペクター・サウンドが楽しめる。その他デモ録音でも「17 Pink Sugar Elephants」など想像力をかき立てられる作品が並んでおり、歴史に埋もれかけたこれら作品に出逢えた喜びを、感じずにはいられない。

 勿論この録音群は内容的にフォーク/トラッドの隠れた名作との評価もある「Just Another 〜」を超えるものではない。が、彼女の魅力にはまった者であれば手にせずにはいられない1枚だろう。個人的には、近年でいえばジュディ・シル以来の大きな出逢いであった。

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2008年01月07日

Richard Twice (Fallout)
The Mother of Us All - Steve Baron Quartet (Fallout)

Richard Twice The Mother of Us All - Steve Baron Quartet

 次々とマニアックなロック・アルバムを復刻する「Fallout」からまた素晴らしいアルバムが2枚届いた。まずはアトキンスとマニングの2人のリチャードが結成したポップロック・デュオ「リチャード×2」が1970年に発表した唯一のアルバム。

 当時のライナーノーツには「初期のビートルズよりメロディックで、サイモン&ガーファンクルほどは曖昧でない」と紹介されている彼らのサウンドは非常にポップなもので、チャド&ジェレミーあたりに通じる雰囲気。ブレッドのラリー・ネクテル、ポコのラスティ・ヤングといった強者ミュージシャンがサポートし、アレンジにはドン&ザ・グッドタイムスのドン・ガルチやラヴ・ジェネレーションのジョン・バーラーらが名を連ねているこの作品は、一級のソフト・ロックアルバムといっていいだろう。

 収録曲はすべて当時20代前半だったリチャード・アトキンスのオリジナル。1970年という時期を考えるとソフト・ロックとしてはやや登場が遅く、バブルガムとしては印象が弱いためリリース当時殆ど注目されなかったのもやむを得ないと思うが、タイミングの問題を別とすれば、ソフト・ロックファンには十二分に楽しめる内容だと思う。

 もう1枚、ニューヨークで活躍していたフォークシンガー、スティーヴ・バロンがジャズ・ミュージシャンたちを率いて1969年に発表したアルバム「The Mother of Us All」は、ジャズ・ロックアルバムとしてかなり高い内容。

Boston Soul: Wilder Things with the Hardly-Worthit Players - Senator Bobby & Friends ('67) スティーブン・スティルスあたりを思わせる深い声の持ち主であるこのアルバムの主役、バロンは「ハードリー・ワースイット・プレイヤーズ」というグループのメンバー時代に「セネター・ボビー」名義で1966年にリリースしたコメディ・レコード「Wild Thing(トロッグスのパロディ)」をTOP20ヒットさせた経歴を持つ人。ニューヨークではカルト的な人気を誇っていたようで、その音楽性の高さに感心したフーのピート・タウンゼントがアルバムにグループへの賛辞のコメントを寄せているほど。

 ソングライターとしてのスキルも高いバロンの歌と、ギターを中心としたバンドの即興性の高い演奏の融合は非常に高度なもので、肌合いはかなり違うが「ドアーズへのニューヨークからの返答」といってもいいような内容。曲によってはストリング・アレンジも施され、そのメロウなサウンド作りが緊迫感溢れる演奏を聴きやすいものにしている。アルバムの最後に収録されている「Shadow Man」の10分を超える演奏は圧巻、メロウなニューロックを好むリスナーには愛聴盤になるのではないかと思う。
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2008年01月04日

Hammond Bond: Ingfried Hoffman plays Jazz for Secret Agents (Jazz Club/Boutique)
Up Up and Away: Kurt Edelhagen plays The Hits of Jimmy Webb (Jazz Club/Boutique)

Hammond Bond: Ingfried Hoffman plays Jazz for Secret Agents Up Up and Away: Kurt Edelhagen plays The Hits of Jimmy Webb

The James Bond Songbook - The James Bond Sextet 最近ドイツのレーベルから大量にリリースされた廉価のジャズ・コレクションから2種を紹介。まず「Hammond Bond」はドイツのハモンド奏者、インフライド・ホフマンが1966年にジェームズ・ボンドをテーマに制作したアルバム「From Twen with Love」に彼の「ソウル・ジャズ」録音何曲かを追加したCD。同趣のアルバムとしてはその前年1965年にアメリカで制作されたジェームズ・ボンド・セクステットの「James Bond Jazz」があるが、当時は「007」シリーズの映画はまだ4作目の「サンダーボール大作戦」が公開されたような時期。アーティストは当時未映画化だったイアン・フレミングのノベルを題材にイメージを膨らませ、オリジナルの「ボンドのテーマ」を作成せねばならない。

From Twen with Love - Ingfried Hoffman ('66) アルバム収録曲は「Thunderball」「Goldfinger」といったジョン・バリー作の有名なテーマに加え「Dr. No」や「Only Live Twice」「Let Live and Die(??)」など時代を先取りしたタイトルが並んでいる。ホフマンのオルガンは終始クールでグルーヴ感が欠如している印象もあるが、BGMとしてはなかなかいい感じ。

 追加された別セッションの録音では、どうやら彼の代表曲らしい「Midnight Bossa Nova」が聴きもの。いかにも「ドイツ人のボサノヴァ」といった趣の演奏で、ラテン・リズムとミニマリズムのせめぎ合う様子(本当か?)は他に例を見ないスリルを感じる。

Kurt Edelhagen もう1枚「Up Up and Away」はサブタイトルにあるとおりドイツのバンドリーダー、クルト・エデルハーゲンが1970年に残したジミー・ウェブ作品集。エデルハーゲンはドイツ敗戦後いち早く自己のビッグバンドを立ち上げた「ドイツのスタン・ケントン」の異名をとるミュージシャンで、プロデューサーとしてはあのカテリーナ・ヴァレンテの才能を見出した人でもあるのだとか。

 かつてエデルハーゲンと活動を共にし、1970年当時はアメリカで成功を収めていたクラウス・オーガーマンの提案で制作が実現したジミー・ウェブ作品集には、当時非常にホットな存在だったウェブの最新ヒット、フィフス・ディメンションの「Up, Up and Away」、グレン・キャンベルの「By The Time I Get to Phoenix」「Galveston」「Where's The Playground Susie」「Honey Come Back」「Witchita Lineman」、リチャード・ハリスの「Didn't We」「MacArthur Park」「If You Must Leave My Life」などが収録されている。

 当時ジミー・ウェブの作品は数えきれないほどのイージーリスニング・アーティストに取り上げられており、その大半は大して面白みのないものに終わっているが、この作品に関してはやはりオーガーマンの伝手で起用が実現したクインシー・ジョーンズのダイナミックなアレンジにより、凡庸な内容となることを免れている。モンド/ラウンジ系ファン、ジミー・ウェブマニアいずれにもアピールする1枚。
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2008年01月01日

Titus & Ross (Fallout)

Titus & Ross
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