
1968年リリースの「Roger Nichols & The Small Circle of Friends(以下SCOF)」が日本でCD化されたのは1987年のこと。それから数年を経てこのアルバムは「渋谷系クラシック」として大変な高評価を得ることとなるがそれは日本での話。海外でこのCDがリリースされるにはそれから更に10数年が経過する2005年まで時間を要した。
イギリス盤CDのライナー執筆にあたって監修者が行ったリサーチの結果消息がつかめたマレイ&リンダ・マクレオド兄妹とロジャー・ニコルスが数十年ぶりにコンタクトをとり、レコーディングが実現したのが今回のアルバム。音源の商品化にあたっては日本側スタッフの並々ならぬ努力があったようで、2007年の暮れに届けられたこのCDには、様々な偶然や多くの人間たちの強い思い入れが結晶となった、魔法のようなサウンドが詰まっている。CDを聴いてまず驚くのは、SCOF独特のハーモニーが40年もの時間を経て完全に再現されている点。これには作詞家のトニー・アッシャーが指摘しているとおり「テクノロジーの進歩」が大きく寄与しているのだろう。2007年の彼らの実際のハーモニーは「I'm Gonna Find Her」で聴けるような幾分枯れてしゃがれたようなものなのだと思うが、幾分のエフェクトがあるにしても、1967年のSCOFが持っていた魅力を的確に把握し、それを再現してみせたセンスは脱帽ものである。
収録されている曲は自身のリメイクと盟友ポール・ウィリアムスとの書き下ろし1曲を除いて、当時彼らによっては録音されなかったロジャー・ニコルス作品で統一されており、これも当アルバムの成功の一要素となっている。個人的には是非とも聴いてみたかった「Out in The Country」や「I Kept on Loving You」の収録が何より嬉しいし、ソフト・ロックファンには特に人気の高い「Always You」は、当時残されたどのアーティストの録音より内容がいいといっていいだろう。ジャケット写真のデザインも含め、日本の音楽ファンが「ソフト・ロック」に求めるものを見事に具現化した1枚である。
なおアルバムの中では異色なインスト曲「The Winner's Theme」は1980年にモスクワ・オリンピックのTV中継のため録音されたもの(結局アメリカがボイコットしたため今日まで陽の目を見なかった)だそうで、レコーディングにTOTOのメンバーが起用されたAORファンには気になる1曲。彼らは早くも次作の構想を練っているそうで、このアルバムに収録されなかったロジャニコ作品(「愛のプレリュード」とか・・)もいずれ彼らのハーモニーで聴くことが出来そうだ。
で、これとほぼ同時にリリースされたのが、アメリカン・ポップスの名門レーベル「A&M」から1960年代〜70年代にリリースされたヒット曲や歴史に埋もれた重要曲を100曲集めたボックスセット。同社のアンソロジーというとCD時代の黎明期1980年代後半に「A&Mプライムカッツ」というこちらも5枚のシリーズがリリースされていたが、それらを入手し損ねた者にとっては約20年越しの待望の企画。
企画当初このボックスはかなり凝った選曲・装丁が予定されていたようだが、ライセンスその他の調整が難航し収録曲の半数以上が変更を余儀なくされ、パッケージも簡略化されて近年流行りの「ベスト100」ものの一種のような形で発売が実現した模様。A&Mも設立から半世紀近くが経過し、創立者であるハーブ・アルパートさえも音源とともに同社を去ってしまっている状況を考えれば、選曲に苦労するのも無理からぬことだろう。そういった点をふまえて評価すれば、このボックスは「A&Mポップス」の王道路線に主眼をおき、通常はなかなか聴くことの出来ないマイナーヒットまでに細かく気が配られた優れた一箱であるということが出来るだろう。カーペンターズその他、単独のベスト盤が容易に入手出来るアーティストや、R&B、ハードロック、ニューウェーブなどレーベル・カラー的に異質なアーティストの作品収録を極力控えている点は、企画監修者の「意地」として評価したい。
90年代の「ソフト・ロックブーム」で愛好者を増やした「A&Mサウンド」と、70年代以降のイギリス勢も含めた「プレAORサウンド」を存分に楽しめる大箱として、非常に高品質な内容に仕上がっている。


チェリーレッドに所属した
取り上げられている題材の中で、特に有名なのは1950年代にロイド・
いつの世も殺人事件は人々の好奇の目にさらされるが、一方で時の権力に不当に命を奪われた黒人たちも歌の題材となっており、こちらでは「プロテスト・ソング」の原型的雰囲気を感じる。聴いていて楽しいのはやはり時代のヒーローを讃えた曲で、黒人初のボクシング世界ヘビー級


「Tap Dancing」の方はレコードや
最後「Jazz & Humour」はジャズ・アーティスト(その殆どがビッグネーム)たちが残したユーモラスな演奏をコレクトしたもの。コミカルなジャズといえばすぐさま思い浮かぶのがスパイク・ジョーンズ、キャブ・キャロウェイ、ファッツ・ウォーラー、スリム・ゲイラード、ルイ・ジョーダンといったエンターテインメント性の強いアーティストたちになるが、それらも勿論収録されているもののCDの半数以上を占めるのはジャズの歴史に名を残す「シリアスな」アーティストたち。
ポール・ホワイトマン、テッド・ルイスら1920年代の「スウィート・バンド」からジミー/トミー・ドーシー、ウディ・ハーマン、スタン・ケントンといった名門ビッグ・バンドまでが披露する「冗談音楽」は非常にサービス精神に富んだもので、管楽器が演奏の中で笑い続けるテッド・ルイスの「When My 


【カントリー3大ハンク】って知ってます!?ハンク・ウィリアムス、ハンク・スノウ、そしてハンク・トンプソン。恐らく日本だけの呼称だと思われるのだけれど、先日(2007年11月)ハンク・トンプソンが82歳で亡くなったという



前述の「サイケデリック・ソウル」が軌道に乗るのは、この年も暮れに近づいてから。それまでのモータウンといえば、黄金期を支えたソングライター・チーム、ホランド=ドジャー=ホランドと係争を開始し、
実は彼、当初は「サイケデリック・ソウル」路線に乗り気ではなかったそうで、ラフィン独立後のテンプテーションズのメンバーの依頼でしぶしぶ取り組んだところ、思わぬ仕上がりとなり大ヒットを記録した「Cloud Nine」、それにマーヴィン・ゲイの「I Heard It Through A Grapevine」の全米ナンバー1が続いてこの試みは“Full 

ジェイムス・ブラウンの
せっかくなのでまずファンク路線をまとめておくと、この時期は「Bring It Up(シングル冒頭にラジオ局向けの
作品の質はJBの拙い























もう1枚は何ヶ月か前に出されていたチャカチャスのアルバム。1972年に「Jungle 





