![A Thematic Fairytale [California '99]](http://tra-la.up.seesaa.net/image/California99.jpg)
実はこのアルバム、正確には今回が世界初CD化ではない。などと書くと話がややこしくなるかもしれないが、一昨年イギリスでスチュ・フィリップスのサントラ録音を集めた「Surf... Sex and Cycle-Psycos...」というコンピレーションが発売されており、そこにはこのアルバムのディノ〜たちによるボーカル録音以外のすべてが収録されている。映画のストーリーはサーファーが世界中のサーフスポットを巡って波に乗る・・というもののようで、フィリップスはその国々(ポルトガル、モロッコ、セイロン、インド、香港、ハワイ)のイメージに沿ったインストナンバーを提供。さすがはベテランらしい、手堅い曲の数々。
しかし、このCDを入手する音楽ファンの真の目的は、前述のCDからは漏れたディノ、デシ&ビリーの録音の方なのだろう。オールディーズファンだったら誰でも知ってる2世グループの彼らは、65年に何曲かのTOP40ヒットを飛ばした後は活動は尻つぼみ、この頃になるとレコード会社も彼らのシングル盤をなかなか出してくれない状態になっており、そんな“低迷期(結局彼らはこの翌年にブライアン・ウィルソン作曲の「Lady Love」をリリースした後解散してしまう)”の貴重な録音がCDで聴けるようになったのは嬉しい。彼らが参加した録音では何れもソフトなボーカルが楽しめ、ソフト・ロックファンであれば十分満足出来る内容だろう。
ディノ〜のボーカル曲、そしてこの美しいジャケ写を手許に置けるという点だけでも、このCDは入手する価値があるだろう。続くウォルター・ライムは昨年韓国でボーカルアルバム「Endless Possibilities」がCD化され話題となったギタリスト/アレンジャーで、「The Electrifying Guitar of 〜」はそのタイトルの通り彼のギターが存分に楽しめるインスト・アルバム(65年発表)。内容はといえば、これが妙にノスタルジックなサウンド。クールジャズ風な編成ではあるのだが、ライムのギターの音色が何故かスティール・ギターっぽくて(別段スライドを多用している訳ではないのだが)、ハワイアン系のリゾートミュージックが連想されて仕方がない。あくまでもこれは個人的な印象だけれども。非常にリラックスした雰囲気のムード音楽、ただし一番評価すべきは、ジャケットデザインなんだろうな、これも。
これも「ジャケガイノススメ」の一環で出ているので、当然オリジナルの紙ジャケがミニチュアサイズで復刻されているのだが、これがなんとアメリカ地図のポスターが折り畳まれているだけで、CDはそれに挟み込まれる形で入っている。ポスターは大体B4版の大きさなのだが、オリジナルのアナログでは一体どれほどの大きさだったのだろうか??ポスターには1999年に至るまでのアメリカの社会状勢(勿論架空)なども書かれているが、音楽そのものはそれほど近未来的なものではなく、当時既に存在した楽曲を寄せ集め、ゲストボーカルにより披露されている。


お次はダスティ姐さん。彼女のCDの方は「スプリングフィールズ」の一員として出演した1962年から、円熟期を迎えた1970年までの全22曲を収録。スタジオミュージシャンの演奏ははっきりいってややショボめだが、彼女の歌声はこれが生だったら大変なもの。「Top Gear」や「Saturday Club」といった番組に彼女はかなり頻繁に登場していたようで、彼女自身のヒット曲よりも、その時々のヒット曲のカバーを数多く聴くことができ、この点もマニアには嬉しいところ。
最後3枚めは昨今再評価が過熱気味なジュディ・シルで、こんな音源までCD化されてしまった。72〜73年にかけて行われた3回のライブレコーディングからの18曲を集めたもので、レパートリーが少ない(何しろ彼女は生前2枚しかアルバムを発表しなかったのだ)のと、決してカバーは歌わない人だったようで、各回毎にかなり曲のダブり(「The Kiss」と「Down Where The Valley Are Low」は3ステージいずれでも歌っている)があり、絶対曲数としてはやや少なめ。だからといってそれがこのCDの価値を下げる訳ではないが。

ポーマス&シューマンといえばエルヴィスに数多くの作品を提供したことでも知られており、このCDでは彼の歌は67年の「Double Trouble」しか聴くことは出来ないが、替わりにデル・シャノンの「(Marie's The Name) His Latest Flame」、ラヴァーン・ベイカーが歌った「Little Sister」のアンサー・ソング「Hey Memphis」、テリー・スタッフォードの「Suspicion」などで雰囲気を味わうことが出来る。エルヴィスのそっくりさん、ラル・ドナーの「So Close to Heaven」のあまりのクリソツさには大笑い。
もう1枚はある意味R&Rの生みの親、ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーの作品集第3弾。このシリーズはこのブログでも発売される度に紹介しているが、今回は60年代半ばから後半にかけての作品が集められている。彼らは63年に一時代を築いたアトランティック・レコードと契約を解消して独立、翌64年にはレッドバード/ブルーキャットというレーベルで成功を収めるのだが、その時期に生まれた作品を、比較的知られていないものを中心に集めた感じ。
勿論ヒット曲も結構収録されてはいて、ディオンの「Drip Drop」、ジェイとアメリカンズの「Only in America」、そして僕は初めて知ったのだがジョニー・キャッシュとジューン・カーターが歌った「Jackson」も彼らの作品だったとは。彼らの作品のテーマは一貫して「R&Bサウンドとラテン・リズムの融合」にあったようで、どの曲でもユニークな試みの痕跡が認められる。60年代後半になるとその作風はかなりジャズ寄りなものとなり、カーメン・マクレーの「Flying」、ペギー・リーの大ヒット「Is That All There Is?」などはかなりの聴きごたえ。
特にこれまで何となく聴く機会を逃していた「Is That All There Is?」は、語り半分、歌半分の感動的な作品で、これまで知らなかったのを後悔したくらい。彼女が歌ったリーバー&ストーラー作品を集めた「Peggy Lee Sings Leiber & Stoller」というCDも出ているので、近々入手して聴いてみることにしたい。リーバー&ストーラー作品集はこの第3弾が最後で、彼らが残した作品の、かなりマニアックな部分までまとめて聴けるようになったことには感謝。ポーマス&シューマン編と併せて、学究派オールディーズファンは是非とも持っておきたいコンピレーションである。

続いてはイーグルスのグレン・フライが80年代に放ったソロヒット集。残念ながらアサイラム時代の音源は収録されていないが、それはアルバム1枚買えばカバー出来るので問題なし。MCA時代のHOT100ヒット7曲中6曲が聴けるので、ベスト盤としてとりあえず合格といっていいだろう。ウェストコーストサウンドとか、そういったこととは関係なく「MTV世代」としては「Heat Is On」とか「You Belong to The City」といった曲に無条件に反応してしまう。他にも非常に渋い「Smuggler's Blues」とか、イージーな感覚が心地よい「Sexy Girl」とか。純粋にノスタルジーに浸れる1枚。これで1,000円は、やっぱり安いな。


ベンチャーズやシャンテイズ、サファリーズといったお馴染みのヒット曲に加え、ギャンブラーズの「Moon Dawg」、ベルエアーズの「Mr. Moto」、ライヴリー・ワンズの「Surf Rider」など、ヒットこそ記録しなかったもののサーフロックの古典と見なされている曲も外さないし、通常はサーフィンとは切り離して語られることが多いジョニーとハリケーンズの「Crossfire」、リンク・レイの「Jack The Ripper」などを違和感なく滑り込ませるセンスも凄い。
最後はもう一つ夏ものを。ここ何年かレコード会社各社がクラシックをはじめ色んなジャンルの音楽を100曲集め、それを3,000円くらいの廉価でリリースする「ベスト100」ものが流行しているようだが、これはそれのハワイアン編。BMGの音源を駆使した5枚組だが、この選曲が凄い。
で、これら4枚のCDもいいのだが、僕が目当てだったのは5枚目の「ポピュラー・スタイル 〜 ハワイ、太陽、渚」。ポップスでハワイといえばなんといってもエルヴィスの「ブルー・ハワイ」でしょう!とRCAのカタログから選曲してみたけど、ハワイじゃ足りないから可能な限り拡大解釈してみました・・という感じの、ある意味いい加減な選曲が面白い。アンソニー・パーキンスの「月影の渚」はエルヴィスも「ブルー・ハワイ」で歌ってるから許すとして、その何曲か後にハリー・ベラフォンテの「日の当たる島」が出て来てしまうのは凄い。もう海が変わっちゃってるじゃん!その他突っ込みどころ満載の選曲は各々楽しんでいただくとして、僕が嬉しかったのは65年に日本だけで流行ったゴーゴーズの「チキン・オブ・ザ・シー」の収録。ジャニーズが歌ったことでも知られるこの曲がCD化されたのは恐らくこれが初めてで、このボックスの「いい加減な」選曲ポリシーに感謝するばかりである・・。他にもオリジナル録音ではないようだが、やはり日本だけでヒットした「太陽のスイム」の収録も嬉しい。

まず1枚目はムーグもの。60年代後半に注目された電子楽器「ムーグ(正しくは“モーグ”?)」で有名なアルバムといえば、ウォルター・カーロスがバッハ作品を演奏した「Switched-On Bach」があるが、これはそれのカントリー版といった趣きで、サブタイトルにはわざわざ「Swithed On Country」と入れられている。アルバムの主人公はジル・トライソールという作曲家/ミュージシャン、このCDは彼が72年と73年にリリースしたアルバム2枚とシングル音源などを集めた全25曲である。
2枚目は60年代の「フォークばあちゃん」、マルヴィナ・レイノルズ。生まれたのが1900年というからルイ・アームストロングより年上(!)の彼女は60〜70年代も精力的に活動し、残された作品にはサーチャーズの「What Have They Done to The Rain」やシーカーズの「Morningtown Ride」など、ヒットチャート入りを果たしたものもある。高田渡の「自衛隊に入ろう」の原曲が彼女の作品(未だにタイトルがわからない・・)だというのも、考えてみれば凄い話。


まずはリベラーチェ。ラウンジ系の高名なピアニスト、というより元祖「おねえMANキャラ」で知られる彼は、没後20年を迎えようという現在もなお、ラスヴェガスではエルヴィスと並ぶ名物的存在。恐らくリトル・リチャードも、エルトン・ジョンもこれまでに何千回と「R&R版リベラーチェ」と称されたであろうくらい「その業界」の先駆者なのだ。
で、肝心の内容だが、意外なことにこれが相当いい。僕たちの好きな「ボー・ブラメルズ」の音楽がここにはある。勿論アルバム「Triangle」のような華美な世界は存在しないが「Bradley's Barn」を愛聴している人であれば、これは是非とも入手すべきアルバムだろう。「You Tell Me Why」のリメイク以下、収録曲すべてがロン・エリオットの手による、というのも嬉しい。

あとこれは初出ではないが、1970年に彼の長年のビジネス・パートナーであるドン・カーシュナーが制作したアニメ番組「The Globetrotters」のサントラに提供した「Rainy Day Bells」のセダカ・バージョンも非常に素晴らしい出来で、これが聴けるのも嬉しい。「The Globetrotters」はニューヨークに実在するバスケットボール・チームだが、レコーディングに参加したメンバーは元ドリフターズ、コースターズ、プラターズなどの「60年代ドゥワップ・オールスターズ」。アルバムはオールディーズ・マニア垂涎のレア盤なので、是非近いうちに世界の何処かでCD化が実現することを願いたい。
「The Definitive Collection」はビルボードチャート初登場22位(!)という好成績を記録したので、今後彼の過去の音源復刻に拍車がかかるかもしれない。個人的には60年代後半の「The Complete Kirshner Years」なんてのが出てくれると嬉しいなー、なんてことを考えているのだが。で、もう1枚は60年代前半に活躍したバラディアー、レニー・ウェルチのベスト盤。彼のヒット曲を集めたCDといえば、1996年にTaragonというレーベルからリリースされたものがあったが、今回はそれから約10年ぶりの新装盤で、彼の全盛期であるケイデンス時代のコンプリート録音集。| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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