2007年01月18日

Color Him In - Jameson (Fallout)
Performing Musical Interpretations of the Paintings of Paul Klee - The National Gallery (Fallout)
Forever Is A Dream - Food (Fallout)

Color Him In - Jameson Performing Musical Interpretations of the Paintings of Paul Klee - The National Gallery Forever Is A Dream - Food

 60年代後半〜70年代前半のレアなアルバムを復刻し続ける「Fallout」から届いた3枚。まず「Color Him In」のボビー・ジェイムソンは1960年代後半に盛り上がったヒッピー文化を象徴する場所の一つ、ハリウッドはサンセット・ストリップの名物的存在だったそうで、60年代前半にティーン・アイドルとしてデビュー、64年に知り合ったローリング・ストーンズのプロデューサー、アンドリュー・ルーグ・オールダムに気に入られて渡英し、ミック・ジャガーとキース・リチャーズのペンによる作品をシングル・リリースしたり、66年に制作されたハリウッドを徘徊する奇妙な人々を紹介するカルト映画「モンド・ハリウッド」で自作のプロテスト・ソング「Vietnam」を披露したりと、決して成功を収めることはなかったが、常に流行の先端をいく活動を行っていたようだ。

Songs of Protest and Anti-Protest - Chris Lucey ('66) 彼が66年に発表した最初のアルバム「Songs Of Protest And Anti-Protest」はなかなか渋い内容のフォークロックで、66年という時代を考えれば先見性も感じられる作品だったが、彼がレコード契約を結んだ時点で既にこのレコードのジャケットは制作済で、クリス・ルーシーという縁もゆかりもない名前を名乗らされ、ジャケ写に至ってはストーンズのブライアン・ジョーンズを無断で撮影したものが使われている(!)という、これまたハイプなシロモノになった。懲りないジェイムソンは更にレコード契約を求め、今度はパット・ブーンが経営していたレーベル「ペントハウス」と契約。そこで生まれたアルバムが今回の「Color Him In」だった。

 このアルバムの最大のポイントは、プロデューサーをカート・ベッチャーが務めているところ。さすが彼が手がけただけあって例のマジカルなコーラスをそこかしこで聴くことが出来るが、ベッチャーにしてはやや控えめかな、という印象。トミー・ロウの時みたいに好き勝手なことは出来なかったようで、サジタリアスやミレニウムのような作風を期待すると随分地味に聴こえるかも知れない。カート・ベッチャーマニアであれば是非とも持っておきたい一枚だと思うが、一般のソフト・ロックファンよりは、アシッド・フォーク系の音楽ファンにより耳馴染みのいい作品ではないかと思う。

The National Gallery 続くナショナル・ギャラリーは、実体があるのかどうかよくわからないロックグループ。元々はロジャー・カーシュナーと、70年代にジャズ界で大ブレイクするチャック・マンジョーネという2人のソングライター/プロデューサーが企画したスタジオ・プロジェクトだったそうで、シングル「Long Hair Soulful(このCDにボーナス収録)」の出来が好評で、アルバム制作にまで発展したのだという。68年発表のこのアルバムのテーマになっている“パウル・クレー”とは20世紀前半に活躍したスイス系ドイツ人の画家で、彼の作品にインスパイアされ生まれた歌が10曲収録されている。内容は後期ゾンビーズ風のバロック・ロックと、この時代数多く登場した「紅一点バンド(ジェファーソン・エアプレインなど)」風のアシッド・ロックが半々といったところ。意外に聴きやすくて、気がつくと何度も繰り返し聴いていたりする。

 最後のフードはシカゴ出身のバンド。69年にキャピトルからリリースされた「Forever Is A Dream」はサイケというよりはかなりメロウなロックで、作風はむしろ近年のヘヴィ・ロック〜メロウ・ロック系のバンドに通じるものがある。ボーカルがやたら下手くそなのを気にしなければ、余り古さを感じずに楽しむことが出来る意外な掘り出し物。Falloutの2007年の展開にますます期待が膨らむ3枚であった。
posted by yakame at 12:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする