
待望のジャック・ニッチェ作品集第2弾の到着。昨年発売された第1弾と比較しヒット曲は少なめ、よりマニアックな選曲になっている。
第1弾を聴いた時も思ったが、ジャック・ニッチェは常に“人のつながり”で仕事をする傾向があり、その一番有名な例がフィル・スペクターとの一連の仕事になる訳だが、他にも60年代後半に登場した新しい才能、タートルズの「Happy Together」で成功したソングライターコンビ、ゲイリー・ボナーとアラン・ゴードンの2人にレーベルを超えてレコード制作につきあったり、エヴァリー・ブラザーズに作品を持ち込んできた若き日のニール・ヤングを気に入り、その曲を「俺がアレンジしてやるから自分で録音してみろ。」と勧めたり(それがアルバム「Buffalo Springfield Again」の中でも最高の1曲である「Expecting to Fly」になった)と、ロック史を変えるような派手な行動こそないものの、要所々々で地味ながらポップス・マニアには大変興味深い仕事を多数残している。このCDのベスト・トラックを挙げると、後にジーン・ピットニーが取り上げヒットを記録するフランキー・レインの「I'm Gonna Be Strong」やタミー・グライムスの「Nobody Needs Your Love More Than I Do」、ティミ・ユーロの「Teardrops 'Til Dawn」やボビー・ヴィーの「Like Someone in Love」などの“ゴールデン・ポップス系”、もうちょっと時代が進むとエヴァリー・ブラザーズがバッファロー・スプリングフィールドをカバーした(当時は未発表に終わった)超陰鬱な「Mr. Soul」、一般にはロッド・スチュアートの名唱で知られる「I Don't Want to Talk About It」のクレイジー・ホース版など。
今回のCDで目につくのは今回初出の未発表音源の数々で、これらはレコード会社売り込みのためにデモとして録音した(でもサウンドはかなり立派)なものなのだそう。その多くに「ジャック・ニッチェ・エステート」のクレジットが入っており、彼の遺族が音源を管理している様子。もしかしたらこれは新しい“金脈”の発見なのかも知れないね。エイス・レコードには今後彼の倉庫を徹底的にさらってもらって、これまで知られることのなかったアメリカン・ポップスの秘宝を次々とCD化して欲しいところ。
もう1枚はすべてのオールディーズ・ファンが待ち望んでいたパリス・シスターズのグレッグマーク音源集。“究極のガールグループ”と言っていいかも知れない彼女たちの成功の裏には若き日のフィル・スペクターの存在があり、1961〜62年にかけて発表した5枚のシングルはいずれも彼がムードたっぷりに仕上げている。「I Love How You Love Me('61米5位)」や「He Knows I Love Him Too Much('62米34位)」といった古典中の古典は勿論のこと、シングルB面曲に至るまで駄曲なし。全10曲プラス新規に制作された「I Love 〜」のステレオ・ミックスと収録曲は少ないが、オールディーズ・ファン必携のCDであることに変わりはないだろう。
ライナーノーツによればこれらに加え当時アルバム1枚分の録音もスペクター制作で完了していたものの、彼が新レーベル「フィレス」立ち上げのため現場を離れてリリース計画が頓挫、アルバム音源は現在まで未発表のままになっているのだという。今回はこれらのCD収録を期待していたのだが、テープの所在がわからないそうで(恐らくスペクターの手許にあるのだろう)これもスペクターの死後ヒョコっと出てきたりしてくれることを祈るばかり(オールディーズ・ファンは長生きしないと・・)。彼女たちの録音であと未CD化は66年のキャピトル録音とグループ解散後にプリシラ・パリスが発表したソロ・アルバムくらいか。そこら辺も是非いずれ。





















もう1枚は戦前のショービズ界で活躍した日系三世のダンサー/シンガー、川畑文子が昭和8〜9年に残したジャズ・ソングを16曲集めたもの。昭和7年の来日当時まだ17歳だったという彼女はそのとき既にブロードウェイの舞台での経験を持つ達者なエンターテイナーで、そのアクロバティックな


