2006年09月30日

栄光のラジオ・デイズ・ヒッツ 〜キング・レコード編 Vol.1&2〜(King/Seven Seas)

栄光のラジオ・デイズ・ヒッツ 〜キング・レコード編 Vol.1〜 栄光のラジオ・デイズ・ヒッツ 〜キング・レコード編 Vol.2〜

 何年か前に「僕たちの洋楽ヒット」というタイトルのCDが大量にリリースされて。昭和30〜50年代に日本で流行した洋楽ヒットを、レーベルをまたがって集めたコンピレーションで「レーベルを横断して音源を収録」というのが当時はまだ珍しく、続編も発売されるほどの人気企画になったが、一方でマニアには色々不満の多い選曲でもあった。「何故あの曲は収録されないの?」という疑問は権利関係その他説明がつくと思うが、逆に「当時日本でヒットどころかシングルすら発売されていないような曲が収録されるのは何故?」という意見も多く聞かれ、また初CD化の音源も意外に少なかったことから「持ってない1、2曲のためにCDを買うのも・・。」と購入を見送った人も結構いたようだ。選曲については実際にこの企画に関わった方から「音源提供側の事情(参加したレコード会社の音源が均等な曲数収録されなければならなかったそうだ)」に随分悩まされ、どうしても入れたくない曲をねじ込まれ・・という話を発売前から聞かされており、選曲者ばかりを責められない側面もあったようなのだが。

日本人が愛した懐かしの洋楽ポップス事典 - かまち潤;著(平凡社) やや長い前フリになった。今月いわゆる「日本のみヒット」と言われる洋楽ポップスばかりを集めたコンピレーションが発売された。これはオールディーズ“リアルタイム世代”の評論家、かまち潤の(すみません敬称略で)「日本人が愛した懐かしの洋楽ポップス事典」出版に連動しての企画だそうで、日本では人気を呼びながらも、アメリカのヒットチャートとは無縁だった洋楽を360曲ジャケ写つきで紹介している同書から選曲された形になっている。まず最初に出されたのが「キング・レコード編」2枚で、比較的珍しい収録曲を挙げてみると
 
なみだの日記/バリー・ダーヴェル
オーヴァー・ザ・レインボー・ロック/ジーン・ヴィンセント
スエーデンの城/サウンドトラック
地下室のメロディー/ユベール・ビアンコ楽団
サントロペのお嬢さん/ビビ・グラ
ムスターファ/アーチー・ブレイヤー

 などなど。“日本のみヒット”というと何故かアメリカ以外の国のヒット状況(特にイギリスのヒットチャート)は考慮されないようで、中にはT・レックスの「メタル・グゥルー」みたいな「こんなところで聴きたくないよ。」という曲も入ってはいるが、概ね見事な“日本のみ”選曲。キング・レコードは60〜70年代に「セブン・シーズ」レーベルから数多くのサントラ系ヒットをリリースしており、そこら辺を徹底的に集めたエグいCDを密かに期待していたのだが、現在はその手の音源の権利をあらかた失ってしまっているようで、東芝やワーナーなど他系列の音源に助けられながらの全40曲になっている。

 このシリーズはユニバーサルにレーベルを移し、今後かなりの枚数リリースされるようなので、続編が届き次第またご報告したい。

posted by yakame at 10:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月26日

Gates, Grills and Railings/Nothin' Like a Sunny Day - Bobby Vee (BGO)
The Singles Collection - Bobby Vee (EMI Gold)

Gates, Grills and Railings/Nothin' Like a Sunny Day - Bobby Vee The Singles Collection - Bobby Vee

 様々なジャンルのオリジナル・アルバムを、毎月々々2イン1形式でCD化していくイギリスのレーベル「BGO」はとりわけボビー・ヴィーにご執心で、これまでに20枚以上のアルバムのCD化を成し遂げている。先日届いたのはその最終段階といえる2枚のカップリングで、69年の「Gates, Grills & Railings」と72年の「Nothin' Like A Sunny Day」をコンパイル。

Look At Me Girl ('65)/Come Back When You Grow Up ('66) - Bobby Vee 60年代後半に彼が発表した諸作はソフト・ロックファンにも好評で、67年の「Come Back When You Grow Up」、68年の「Just Today」、69年の「Do What You Gotta Do」いずれも当時のトップ・ソングライターたちの作品をソフトに、巧みに料理し聴かせていたが、「Gates 〜」もそれらとほぼ同路線。シングルカットされたアンディ・キム風の「(I'm Into Lookin' For) Someone To Love Me」は最高98位と振わなかったが、収録されているカバー作品に興味深いものが幾つもあり、“ソフト・サウンディン”な解釈が出色の仕上がりとなっているジョン・セバスチャンの「Younger Generation」や、ニルソンの「One」、バリー・マン&シンシア・ウェイルの「I Just Can't Help Believin'」などが特に耳を惹かれる。後者2曲はスリー・ドッグ・ナイトとB.J.トーマスがヒットさせる前に吹き込まれたものなのだそうで、もしヴィーが先にシングルカットしていたらポップス史は若干変わっていたかな?という気がしなくもない(大袈裟か・・)。他にもデヴィッド・ゲイツの感傷的な「The Passing Of A Friend」、イギリス人のハンク・マーヴィン(シャドウズ)が書いた「London's Not Too Far」など佳曲揃いのこのアルバム、一連の「ソフト・ロック期」作品と併せて聴いてみて何の遜色もない内容である。

 後半の「Nothin' Like 〜」はレーベルをユナイテッド・アーティスツに移しリリースしたもの。時代も70年代になり、いい加減カバー路線もアレだろ!?と彼は思ったのか大幅なイメージチェンジを図り、名義を本名の“ロバート・トーマス・ヴェリン”に、作品も全曲自作という意欲作を世に問うた。結果生まれたアルバムはカントリー・ロック調のアコースティックな内容で、雰囲気はちょうどこの頃ディオンが“ディオン・ディムチ”名義でワーナーから発表していた諸作に近いか。ヴィー(いや、ヴェリンか)の自作曲は力作揃いだが如何せん地味な印象は拭えず、当時の彼のファンがこのアルバムを聴いて果たして喜んだのか?は甚だ疑問。オマケのように10年前の大ヒット「Take Good Care Of My Baby」のアコースティックなセルフ・カバー版が入っていて、これにたどり着いてようやくホッと一息・・という人も多かったのではないだろうか。

 ディスコグラフィを見ると彼はあと1枚ユナイテッドから75年に“ヴェリン”名義のアルバムをリリースしているようだが、これがオリジナル・アルバムなのか編集盤なのかの確認は今回出来なかった。いずれにしても彼の全盛期であるリバティ時代のアルバムCD化はこれで完了、世のボビー・ヴィーファンはさぞかし達成感を味わっていることだろう・・と思ったら、ほぼ同じ頃イギリスのEMIがこの「ボビー・ヴィー・コレクション」の総仕上げとなるコンピレーションをもう一箱出していた。60年代に彼がリリースしたシングルはアルバムから漏れるものがたくさんあり、それらAB面曲を完璧に網羅した3枚組全95曲が「The Singles Collection」、これは凄い。完全網羅だから当然ビルボードのHOT100にランクインした全38曲も、ついでに“バブリング・アンダー”に登場した7曲も収録。“ゴールデン・ポップス”のお手本のような彼はどの時代もコンスタントに佳曲を発表し続けており、初期のドリーミーな諸作も、60年代半ばにビートルズをはじめとするイギリス勢の台頭に押され一時低迷した後にアダルト路線で復活した諸作も、いずれも名作揃い。初CD化曲も多く、シングルB面で人知れず「ペット・サウンズ」の「Here Today」なんか吹き込んでいたことを初めて知るなど、発見は多い。

 その他イギリスのみでリリースされたシングル曲、イタリア語録音、70年代のリリースなど貴重な作品の収録も多いこの一箱、多くの音楽ファンにとってはこれさえ持っていればボビー・ヴィーに関しては十分でしょう。値段も安いし。もの凄く細かい話をすれば、このボックスはリバティ/ユナイテッド時代の作品に限られており、70年代半ばに「Shadybrook」というレーベルからリリースした何枚かのシングル(75年にアダルト・コンテンポラリーチャートでヒットした「Loving You」など)が収録されなかったのが残念だが、そんなことまで言うマニアは世の中に何人もいないか・・。

posted by yakame at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月23日

If You Don't Want My Love - Robert John (Sony Music Direct)
Climbing Stars - The Goldebriars (Sony Music Direct)
The Baroque Inevitable - John Simon (Sony Music Direct)

If You Don't Want My Love - Robert John Climbing Stars - The Goldebriars The Baroque Inevitable

 9月のソフト・ロック紙ジャケシリーズは超マニアック。まず1枚目は1979年の全米ナンバー1ヒット「Sad Eyes」で知られるロバート・ジョンが68年に発表した「If You Don't Want My Love」。当時タイトル曲がミドル・ヒットを記録(最高49位)したことから制作されたアルバムだが、この曲はその後南北カロライナ州で人気のある「ビーチ・ミュージック」の名曲とみなされるようになり、僕もこの曲をビーチ・ミュージックのコンピレーションで初めて知ることとなった。

 アルバムの内容は当時のヒット曲のカバーが中心で、彼のファルセット・ボイスを活かしたブルー・アイド・ソウルっぽい録音が多い。残念ながら「If You Don't 〜」以上の曲はないが、曲によってはまずまず楽しめる。ボーナスとしてアルバムから漏れたシングル曲が何曲か追加されており、中でもビーチ・ミュージック調の「Who Could Ever Believe It」の収録が嬉しく、これは「If You Don't 〜」に匹敵する名曲。彼はその後アトランティックやA&Mなどに何枚ものシングルを残しており、そこら辺の音源も是非聴いてみたいがこればかりは7インチ盤を根気よく集めないと無理か・・。

 2枚目はついに出た、ゴールドブライアーズの未発表録音集。以前彼らのファーストとセカンドを紹介した際にブログを見た方からこのCDのリリース情報を戴き、以来発売を楽しみにしていたものだが、聴いてみた内容の方は期待していたフォークロック的なものとはちょっと違ったかな・・という感じ。リズム楽器が加わり6人編成となった彼らが目指した(目指された?)路線は少々ノベルティがかったポップ・ボーカルグループで、当時成功していたアーティストでいえばディック&ディー・ディーあたりに通じるテイスト。出来のいい曲も何曲かはあるが、後のソフト・ロック路線とは違う。しかもこれまでに出た3枚のCDと同内容を、アメリカのコレクターズ・チョイスが2枚にまとめて近々出しちゃうんだって!う〜んCCM、やることがえげつない・・。

 最後はジョン・サイモンがまだアーティストとしてデビューする以前の66年に制作したイージーリスニング・アルバム。当時のヒット曲をバロック調にアレンジしてみました・・というものだが、とりたてて評価すべき点はない。ジョン・サイモンという名前がなかったら買わなかっただろうし、また名前があったからといっていいアルバムだなんていう気にもなれない。逆に考えるとこういうレアだけど内容のないアルバムこそ紙ジャケ化して、せめて外観だけでも楽しもう、という姿勢で接した方がいいのかもしれない。
posted by yakame at 01:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月22日

It's Now Winters Day - Tommy Roe (Fallout)
Singers...Talkers...Players...Swingers...& Dores - The Hellers (Fallout)

It's Now Winters Day - Tommy Roe Singers...Talkers...Players...Swingers...& Dores - The Hellers

 今月は注文したCDの到着が月の後半に集中していて、この先暫くそれらを「捌く」のが大変そうだ。絶好調Falloutの新リリースは「遂にこれを出しちゃいましたかぁー」なトミー・ロウの「It's Now Winters Day」。カート・ベッチャーが全面的に制作関与していることから何年も前から「ソフト・ロックの傑作」として取り上げられ続けていたが、正式CD化はこれが初めて。本来ならこういうアルバムは日本のレコード会社が真っ先にCD化すべきものだと思うのだが・・。

 1960年代初頭に「Sheila」のナンバー1ヒットで華々しく音楽シーンに登場したトミー・ロウは、その後兵役に就いたりで一時キャリアを中断、66年に復帰し放った大ヒットがバブルガム・ナンバー「Sweet Pea(米8位)」と「Hooray For Hazel(米6位)」だった。この2曲をプロデュースしたのが当時まだ20歳そこそこのカート・ベッチャー(クレジットは彼が所属していた「アワ・プロダクション」のスティーヴ・クラーク名義になっている)で、当時新人バンド、アソシエイションを手がけ「Cherish」が全米ナンバー1に輝くなどのりにのっていた彼が続いて制作したのがこのアルバム。コーラスにはゴールドブライアーズから後のミレニウムのメンバーまで「ベッチャー人脈オールスターズ」が勢揃い。どの曲にもベッチャー特有の奇妙なコーラスがふんだんに盛り込まれており、ロウのボーカルは殆ど彼らに押しつぶされかけている・・。

 シングルカットされたタイトル・トラックはなんとかTOP30入りを果たしたものの、その後のシングルのチャート・アクションが酷く低迷したため、この「訳のわからないアルバム」を作ってしまったベッチャーはレーベルからクビを言い渡され(実質プロデュースを任されながらクラークからギャラを払って貰えなかったベッチャーが仕事を降りてしまったという説もある)、彼を除くスタッフで同年次作アルバム「Phantasy」が制作されるがこちらも不発。ロウはその後再びバブルガム路線に立ち返り69年の「Dizzy」を全米ナンバー1に送り込み、一方ベッチャーと仲間たちはよりマニアックな音楽を追及してサジタリアス〜ミレニウムへと発展・・というストーリーは、ポップス・ファンだったら誰でも知っているはずなので割愛。

The Electric Record for Children - Bruce Haack ('69) ロウにしてみれば「シングル・ヒット命」なポップ・アーティストなのに、こんなにラジオで聴きづらい音楽を作られてしまって大変な迷惑だったのかもしれないが、後の世代の音楽ファンにとってはこの「歪み」が面白くてたまらない。出来れば「Phantasy」との2イン1でのCD化が理想的だったと思うが、これ以上ブート屋を儲けさせても仕方がない、まずは良好な音質で聴けるCDの登場を喜ぶことにしよう。あともう1枚Falloutから届いたのはヒュー・ヘラーとディックハミルトンのソングライター・コンビが生み出したプロジェクト「ヘラーズ」が68年に発表した唯一のアルバム。一風変わったこの作品の大部分は気紛れな電子音と子供たちのはしゃぎ声、不気味な男の呟きなどで構成されており、その雰囲気はすぐさまブルース・ハークが60〜70年代にかけて子供の情操教育のために数多く制作した奇妙なアルバム(この何ヶ月かでTVを通じて評判を呼び、それを受けて先日CD化されたらその後の数日間ですっかり聴き飽きられてしまったCMソング「たらこ・たらこ・たらこ」には、ハークの音楽の影響がかなり強く窺える)を連想させるが、彼の音楽の脳味噌をかき回されるような支離滅裂なハイパーさに比べれば、こちらはかなりピースフルな雰囲気。

 コント風の寸劇をつなぐインスト曲は何故かボサノバ調、時折登場するボーカル・ナンバーで美しいハーモニーを聴かせているのはラヴ・ジェネレーションのジョン&トム・バーラー兄弟だったりと、やたらと引っかかるところの多いこのアルバム、最後まで辛抱強く聴いているといつの間にか気に入ってしまっている「ストレンジ・バット・ピースフル」な魅力を持った1枚である。ソフト・ロックファンにもモンド好きにも、一聴をお勧めしたい。

posted by yakame at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月19日

Soft Sounds for Gentle People 4 (Pet)
Endless Possibilities - Walter Raim Concept (beatball)

Soft Sounds for Gentle People 4 endless possibilities - Walter Raim Cencept

 最近色々多忙でCDを買うのは専らネット経由、レコード屋には殆ど足を運ばない・・という状態が続いている。便利だし、ネットで買った方が店頭より安かったりと利点は幾つもあるのだが、これだと知識が広がらないので予め存在を知っている商品しか探し出して購入出来ない、というマイナス点もある。そんな状況を何とかしようと、これまで知らなかった曲が一杯入っているオムニバス盤を買ってみたり、たまにはCD店に足を運んで珍しいものがCD化されていないかチェックしたり・・と、それなりに努力もしているのだが。
 
Midsummer's Daydream - Mark Eric Malmborg ('69) “ペット・レコード”なるレーベルがリリースしているソフト・ロックのブート・コンピ「Soft Sounds for Gentle People」はこれまでに3枚がリリースされており、第3集をmeantimeのホームページで紹介したのは今から約2年前のこと。久々登場の第4集には全23曲が収録されていて、相も変わらず知られざるソフト・サイケ〜サンシャイン・ポップの佳曲がずらりと並んでいる。比較的知名度のある作品を挙げてみると、まずリトルフィートの前身バンドであるファクトリーの「No Place I'd Rather Be」、数年前Rev-Olaから復刻されたアルバム「Midsummer's Day Dream」がビーチ・ボーイズ系のポップスを好む層に大好評だったマーク・エリックが“マーク・エリクソン”名義でリリースしたシングル「Hey In The Water(ホセ・フェリシアーノ風のグルーヴィー・ポップ)」・・くらいか。その他は“ソフト・ロック界”ではまだまだ認知されていないアーティストの作品が多い。
 
 個人的に気にいった作品としては、以前Arf Arfというレーベルのモンド系コンピ「Only In America」にも収録されていたフェニックス・トローリーの♪森には木がいっぱいい〜とただ歌い続ける「Three Part Invention(Too Many Trees)」、俳優ミッキー・ルーニーの息子たちルーニー・ブラザーズの「Geordie」、詳細不明のグループ、サウザンド・フェイセズの「The Thousand Faces」、モンキーズの「Cuddly Toy」あたりを思わせるレモネード・シャレードの「Yellow Brick Road」、アソシエイションのラリー・ラモスが曲を提供し、コーラスもアソシエイション・スタイルに仕上げられたチャック・バリス・シンジケートの「Donnie」、モンキーズが所属していたコルジェムス(このレーベルを深く掘り下げたコンピって欲しいと思わない?)からリリースされたファウンテン・オブ・ユースの「Sunshine On A Cold Morning」など。CD後半にバブルガム系のちょっといい感じのナンバーが集中して収録されている。
 
Dusty Groove America: 1120 N Ashland Ave -- Chicago, IL, USA このCDはブートなので何処のサイトに行けば確実に購入出来ます、というのはないのだが、一応僕が入手したところを紹介しておくと、それはシカゴにある「Dusty Groove America」というお店。昨年アメリカを訪れた際、実際に立ち寄ったのだが、シカゴの中心街からしばらく地下鉄に乗り、郊外に出たところで日本人スタッフがまるで渋谷宇田川町にあるようなレコード店を経営しており、黒人の客が熱心にレア・グルーヴ系のCDを漁っている姿が印象的だった。店の在庫はそれほど多い感じではなかったが、ここが運営しているサイトのニュー・リリース/新入荷情報が非常に詳細かつ親切で、週に何度かは立ち寄りたい魅力的な内容になっている。「Soft Sounds 〜」及び関連シリーズのCDは今後も入手出来次第紹介していこうと思う。
 
 あともう一枚はウォルター・ライムというギタリストが1970年に発表したアルバム。彼はピーター、ポール&マリーやジュディ・コリンズといったフォーク系のアーティストから、ニール・セダカ、ボビー・ダーリンなどポップ系まで幅広く活躍したスタジオ・プレイヤーで、自身名義のインスト・アルバムも何枚か発表しているようだが、本作は全編にコーラスを配したイージーリスニング・アルバムに仕上がっている。こんなにマイナーなアルバムを復刻した韓国のレーベル「ビートボール」の熱意には感服するばかり。CDのライナーノーツの殆どがハングル文字なのには、日本で出ている復刻盤を一生懸命取り寄せている外国人の気持ちをちょっとだけ味わせてもらったような気分になったが・・。
 
 オリジナル/カバー入り混じった各曲はどれもなかなかの内容で、作品によっては相当高度なコーラスを聴かせてくれているものも。しかし以前アラン・コープランド・シンガーズのCDを紹介した時に書いたけど“ソフトだけどロックではない音楽”って、やはり「ソフト・ロック」ではないんだよね。ソフト・ロックとしてはパンチに欠けるし、ボーカル・アルバムとして聴いても淡白過ぎるし・・。「“イージーリスニング”でいいじゃん。」なんだけれども。こればかりは人の好きずきということで。。
 
「Soft Sounds for Gentle People」収録曲リスト


posted by yakame at 06:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月04日

Sailover - PF Sloan (Hightone)

Sailover - P.F. Sloan

P.F.スローンのことをずっと探しているんだけど
誰も彼の行方を知らない
それどころか、誰も彼が作った歌なんか聴いたことがないと言う

 これはジミー・ウェブが1970年に作った「P.F. Sloan」という曲の歌詞。僕はアソシエイションのバージョンで初めて聴いたのだが、こんな曲を聴いたらP.F.スロ−ンは60年代末には行方不明になったか死んじゃったと思うよね。随分長いこと僕はそう思い込んでいて、90年代に彼の「新作」がリリースされた時は本当に驚いた・・。その「驚き」から更に10数年、2006年になって再び彼の新譜がリリースされることもこれまた驚きだが。。
 
Twelve More Times - P.F. Sloan ('66) ボブ・ディランの昨今の活動充実振りは、彼と同世代のシンガーソングライターたちにとって大変な励みなのかも知れない。かつてディランに深く傾倒した作風のアルバムを何枚かリリースしていたP.F.スローンが、コンテンポラリー・フォーク系のレーベル、ハイトーンから後輩アーティストたちのサポートを受けて新作をリリースした。収録された14曲すべてが彼のペンによる作品で、うち何曲かは60年代にヒットを記録した「Sins of A Family」「Eve of Distruction」「Where Were You When I Needed You」などのリメイク、それぞれルシンダ・ウィリアムス、フランク・ブラック、フェリックス・キャバリエ(!)がパートナーを務めている。歳月を経てスローンの歌声は渋いしゃがれ声になっており、ダンヒル時代のイメージで聴くとちょっと違和感を覚えるかも知れない。「Sins of A Family」などはあまりにもディランっぽ過ぎて(しかも近年の!)ちょっとひくかも・・。
 
 新曲と思われる作品も幾つかはなかなかの出来で、メロディ・ラインの美しい「If You Knew」「Cross The Night」、そして何故かコステロっぽい雰囲気を感じさせるタイトル・トラック「Sailover」あたりに彼の健在振りが窺える。プロデュースはフランク・ブラックやニック・ロウ、グラハム・パーカーなどを手がけたジョン・タイヴェンが担当、ナッシュヴィルで制作された「大人のロック」な1枚である。
 
孤独の世界/P.F.スローン('66/'69) で、このアルバム最大の聴きどころは最後に入っている「From A Distance(孤独の世界)」のリメイク!66年にアメリカでリリースされた時には最高109位と殆ど話題にならなかったこの曲は、69年に日本で再リリースされ大ヒットを記録。リアルタイム世代には忘れ難いヒット曲になっているようだが、スローン自身にとっても大切な1曲であることがわかって嬉しい。随分としみじみとした仕上がりのこの“40年後の再演”を聴いて、かつてラジオにかじりついていた人々はどのように思うのか、機会があったら訊いてみたいところ。
 
posted by yakame at 06:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする