
1960年代末、2年弱と期間は短いながらもアメリカのヒットチャートを席巻したポップグループが、サンディエゴ出身のイケメン、ゲイリー・パケット率いるユニオン・ギャップ。プロデューサーのジェリー・フラーが用意する滑らかなロック・サウンドと、パケットのスムースなバリトン・ボイスで次々とヒットを生み出し、あの時代屈指の「AOR」を遺した。西海岸のロックバンド「アウトキャスト」として活動をスタートさせた彼らは出演していたクラブを偶然訪れたフラーに見出され、彼が当時専属契約を結んでいたコロンビア・レコードに紹介される。67年にデビュー・シングルとして彼らに与えられたのは「Girl, Girl」というタイトルのカントリー・ソングで、これを「Woman, Woman」と改め力強く歌い上げたバージョンが全米チャートの4位まで上昇し、幸先の良いスタートを切った。この大ヒットに合わせリリースされたファーストアルバムはシングル曲に山ほどのカバーとオリジナル曲が少々という急造ぶりにも関わらず、アルバムチャートのTOP20に迫る勢いでセールスを伸ばした。
彼らが成功の頂点に達したのは1968年で「Young Girl('68米2位)」「Lady Willpower(同2位)」「Over You(同7位)」とTOP10ヒットを連発。「Young Girl」をフィーチャーしたセカンド・アルバム(アルバムチャート21位)はファーストと同様カバー作品が中心だが、グレン・キャンベルの「Dreams of The Everyday Housewife」やボビー・ゴールズボロの「Honey」など先輩格にあたる同時代のMORシンガーたちへの挑戦状とも受け取れる選曲に、ボーカリストとして自信を深めたパケットの充実ぶりが窺える。続く後者2曲を収録したサード「Incredible(同20位)」は全曲をフラーまたはグループ・メンバーによるオリジナル曲で固めた内容で、相変わらずのバラード路線でワンパターンといえばワンパターンだが、フラーとパケットのコラボレーションを味わうに最も適したアルバムに仕上がった。と、ここまでが彼らがメジャーデビューを果たしてからたった1年間の出来事、ここからようやく今回入手したCDの話題へ。69年にある作品の録音で方向性の違いが表面化したフラーとグループは袂を分かち、後任プロデューサーにはディック・グラッサーが就任。メンバーたちのオリジナルに若干知名度の劣るソングライターたちの作品を加えた4枚目のアルバムが「The New 〜」で、プロデューサー交代によるサウンドの変化が直接の原因になったのかはわからないが、この頃になるとグループの人気は明らかに翳りを見せており「Don't Give In To Him('69米15位)」「This Girl Is A Woman Now(同9位)」の2曲を最後に彼らは2度とTOP40に返り咲くことはなかった。アルバム自体はサウンドが幾分きらびやかさを増し、各曲もこれまでのものと見劣りするものではなかったが旬を過ぎた感は否めず、これまでどのアルバムもチャートのTOP20付近にコンスタントに送り込んでいた彼らには不本意な最高50位に終わってしまった。
ひとたび活動が下り坂に差し掛かると人間関係は脆いもので、70年になると脱退メンバーが相次いでグループは実質的にパケットのツアーバンドに変質。パケット自身もソロ名義での作品発表を決意し、リリースされたのが「The Gary Puckett Album」だった。選曲ポリシーをかつてのカバー路線に戻した本作からはバカラック・ナンバー「I Just Don't Know What To Do With Myself('70米61位)」、サイモンとガーファンクルの「Keep The Customer Satisfied('71米71位)」の2曲がヒットしたが、チャート成績から考えれば殆ど相手にされなかった、と見るのが正解だろう。アルバムの内容は決して悪くはなく、レオン・ラッセルの「Delta Lady」、バリー・マン&シンシア・ウェイルの「Angelica」、ポール・ウィリアムスとロジャー・ニコルスの「Do You Really Have A Heart」など聴きごたえのある作品は多い。ブラス・サウンドを多用している点は、ジェリー・フラーが彼とコンビを解消した後に手がけ、成功を収めたスパイラル・ステアケースに通じる雰囲気もあり、そこら辺も興味深く聴ける。
今回のCDには当時アルバムから漏れたシングル音源もボーナスとして網羅されており、中でも一聴してそれとわかるブライアン・ポッターとデニス・ランバート作の「I Can't Hold On」が面白い。ゲイリー・パケットの作風はいってみれば「大人向けのバブルガム」で、全作を通じてこの路線には揺るぎがないのでどのアルバムもハズレはなく、安心して聴ける。で、もう1枚の「本家バブルガム」1910フルーツガム・カンパニーへ。彼らのベスト盤はそれこそ各国で数えきれないほど出されており、日本でもなかなかいい選曲のCDが出ているが、今回紹介するのはドイツのRepertoireがクレイジー・エレファントに続いてリリースしたバブルガム・シリーズ第2弾(アーチーズも出しているから第3弾か)。このプロジェクト名義でリリースされたシングルAB面を、ブッダ、スーパーK、ドイツのハンザ、更にイタリアでリリースされたイタリア語版(誰が歌ってるんだ?)までレーベル/発売国を横断して網羅しており、中には適当にジャムって一丁上がり、といった感じのいい加減な録音もあるが、貴重音源には違いない。Repertoireには今後知られざる“バブルガムの秘宝”を徹底的に発掘して欲しいな、という希望も込めて、とりあえず購入を報告しておこう。





ジョン&ロビン初めての(そして恐らく最後の)オフィシャルCDは2人がバックバンドの“ジ・イン・クラウド”と65年から69年にかけて録音したシングル音源等を集めたベスト盤。「Do It Again 〜」の後2人は「Drums('67米100位)」「I Want Some More(同108位)」「Dr. John (The Medicine Man)('68米87位)」「You Got Style(同110位)」と“

ハーブ・アルパートの「ティファナ・ブラス」も発足当初は西海岸のスタジオ・ミュージシャンたちによる架空のバンドであり、この「ティファナ〜」と「マリアッチ〜」のレコーディングにはかなりの人数共通した顔ぶれが関わっていた模様。中には「ティファナ〜」の中核をなし、その後スピン・オフ・プロジェクト「バハ・マリンバ・バンド」のリーダーとなったジュリアス・ウェクターなんて「お前まで参加しちゃまずいだろっ!」的存在のミュージシャンまでセッション・リストに名を連ねており、ここら辺は当時の音楽シーンのおおらかさが窺えて面白い。66年にリリースされたプロジェクト第一弾「A Taste of Tequila」は50〜60年代にかけてヒットした
この好成績に気をよくしたレーベルは同年早速第2弾アルバムを企画、矢継ぎ早にリリースされたのがCDカップリングの「Hats Off」。こちらは当時ヒットチャートを賑わせていた曲のカバーに選曲が集中していて、ソフト・ロック的には断然聴きどころ多し。ゲイリー・ルイスの「Sure Gonna Miss Her」やタートルズの「You Baby」なんてちょっと渋めのナンバーに加え、



シングル・カットされたダイアナ・ロスタイプの(というか何故か僕の中では木の実ナナのイメージに近い)












と、ゴシップはこのくらいにして。彼女がヒットチャートに登場するようになるのは1926年になってから。20年代に人気を博した他の女性シンガー(マリオン・ハリスなど)と比べて彼女はヴォードヴィル調のあくの強い歌い方ではなく、ハイ・トーンでまるで鳥がさえずるような軽い節回しで歌い、これが当時の鉱石ラジオ(まだ音質が悪く高音の方が聴き取りやすい)に非常にマッチし大変な人気を呼んだのだとか。初期のレコーディングの編成は非常にシンプルで、基本は










続いて問題の「The Sixties」へ。ヒットメーカーとして彼女がチャートに君臨する時代は60年代早々に終焉を迎え、彼女と同世代ながら全世界的な成功を手にしていったペトゥラ・クラークのような例外を別とすればヘレン・シャピロをはじめとする、コーガンよりひと回り以上下の世代の「ガール・シンガー」たちの時代となっていくのだが、だからといって彼女の作品が時代遅れだった訳ではなく、以降も興味深い作品は次々と登場する。CD2曲目でポール・アンカ作の「恋の汽車ポッポ」が早速登場、続いて「ポケット・トランジスター」が・・とくれば、我が国のオールディーズ・ファンは「待ってました!」と喝采をあげること間違いなし。その後もチャートとは無縁ながらも時代に即したサウンド作りを続けており、エキサイターズ「Tell Him」のカバーなどのガール・ポップや「She's Got You」の疑似



