
「ジャケガイノススメ」シリーズ6月発売分で入手したのは上掲の2枚。謎多きアレンジャー、タータグリアのインスト・アルバムと、こちらも正体不明のソフト・ロックグループ、エイス・デイ67年発表のアルバム。
本題に入る前に今回の「ジャケガイノススメ」シリーズにおける「ベスト・ジャケ写」の発表を。個人的には60年代のアイドル女優ドナ・ローレンの「Beach Blanket Bingo」、これが非常に可愛くって一番に推したいところなのだが、CDの内容が数年前に海外で出たコンピレーションとまったく一緒なので・・。以前も書いた通り「紙ジャケ」だけでは買う気になれない僕なので、今回は無念の購入見送りとなった次第。でもジャケットの可愛さにかけてはこれがダントツでしょう。
ということで続いて実際に購入したCDの話題へ。ソフト・ロック系の幾つかのアルバムにアレンジャーとして参加したことで知られるジョン・アンドリュース・タータグリアのリーダー作を初めて聴いたのは、恐らく多くのソフト・ロックファンがそうであったように、今から10年前に発売された素晴らしいコンピレーション「Mondo for Flower Age」で。「モンド・ミュージック」というテーマで編まれ、様々な珍曲・異曲満載だったこのCDだが「ソフト・ロック」のコンピレーションとしても非常に内容の濃いもので、色々発見の多い1枚であった(タータグリア作品では他に今回のアルバム未収録の「Good Morning Starshine」も収録されている)。「Tartaglian Theorem」は冒頭に配置されているロジャー・ニコルス作曲の「Poto Flavus」を除いて、すべて当時のヒット曲(現在はいずれもロックの古典的名曲とみなされている)のカバーで占められている。ビートルズの「I Am The Walrus(以前アメリカで出されたラウンジもののコンピにはこれと「A Day In The Life」がメドレーになった7分超のバージョンが収録されていたが、両録音の因果関係を今回調べることは出来なかった)」、ドアーズの「Light My Fire」、スパンキー&アワ・ギャングの「Like To Get To Know You」と「Give A Damn」のメドレーなど単なる“イージーリスニング”を逸脱した選曲で“スペース・エイジ”なサウンドを聴かせている点は面白い。コーラスが登場する曲は少ないが、にもかかわらず“ソフト・ロック的なもの”を多分に感じさせるアルバムである。
もう1枚は謎のソフト・ロックグループ、エイス・デイ。メンバーの名前もよく判らず、ヒット曲を生むこともなかったこのグループが注目されている理由は、アルバムの制作をアーチーズやカフ・リンクスのボーカリストとしてブレイクする以前のロン・ダンテが全面的に手がけているから。このアルバムは97年に一度CD化されており、僕はそのとき同時に発売された「ブレッドの前身グループ」プレジャー・フェアのアルバムの方を買ってしまったため購入を見送ったのだが、今回その時よりも安価に入手できるということで「10年目の購入」となった。聴いてみたところ内容に特筆すべき点は特になく、「Brandy」は非常にいい曲だが何かのコンピレーションで聴けるはずだし、ジャケットだって別にそんなに良くはないし・・。ロン・ダンテの名前を見つけたらすぐさまCDを買ってしまうような、超マニアのみ手許に置いておけばいい商品だと思う。

オマケとして今回の紙ジャケシリーズからは漏れたものの、ビジュアルブック「ジャケガイノススメ」に掲載されている作品の中で、既にCD化されCDサイズでデザインを楽しめるアルバムを“女の子ジャケ”にテーマを絞ってご紹介。最近はあまりスクリーンで見かけなくなってちょっと寂しいゴールディ・ホーンはバーバンク・サウンドの隠れた名盤。残りのメリリー・ラッシュ、パリス・シスターズ、マーゴ・ガーヤンも既にソフト・ロック的な評価が確立されたアルバムなので安心してお勧めできる。他には殆どが2イン1形式でCD化されているためジャケットをフルに楽しむことが出来ず、ここでの紹介を見送ったベルト・ケンプフェルトの60年代の諸作も結構気になるところ。またいずれ続編を企画して、珍しいCDを我々の許に届けて欲しいものだ。





と、こじつけのようにもう一枚のCDへ。サンクチュアリーのグループ・レーベルの一つ「キャッスル」がこれまでに何種類も出している「The Songs of」シリーズはソング
1921年生まれのハットンは13歳からステージに立ち、ビッグバンド時代はヴィンセント・ロペス楽団のボーカリストとして活躍したそうだが、今回のCDはそこから独立後キャピトルやRCAビクターから放ったヒットや、彼女が主演した「Annie, Get Your Gun(アニーよ銃をとれ)」などのサントラから代表作26曲を選曲。その迫力あるステージ・



彼らはプライス&ウォルシュとしてだけでなく、後に「Rocky('75米9位)」の大ヒットを放つオースティン・ロバーツとポップ・ロックグループ「アーケイド」を結成し、ダンヒルから「The Morning of Our Lives('71米60位)」などのヒットも放っているのだが、今回はアーケイド名義の作品はなし。いずれ彼らの「コンプリート・レコーディングス」の到着も期待したいし、ダンヒルのアーティストたちが取り上げたプライス&ウォルシュ作品を集めた「


65年の大ヒット「What The World Needs Now Is Love(米7位)」でシンガーとしての地位を確立した彼女が次に踏み出した路線は“
弾むようなベースラインにのせられた各曲は、よくいえば統一感のある、悪くいえばどれも似たり寄ったりの作品ばかりで、アルバム単体で評価すると少々弱いか。もう一つのTOP40ヒット「Love Will Find Away('69米40位)」を生んだ同アルバムに続きボーナスとしてCDに収録されているのは、以降翌年にかけてリリースされたシングル4枚分の音源。アルバムに引き続きデシャノン=ホリデイ=マイヤーズの体制で多くが作られているこれらの曲(70年発表のアルバム「To Be Free」の主要部分を占めることになる)からは「Brighton Hill('70米82位)」、メドレーの「You Keep Me Hangin' On/Hurt So Bad(同96位)」、「It's So Nice(同84位)」の3曲がチャートインを果たした。



