2006年04月29日

Beatlemaniacs!!!: The World of Beatles Novelty Records (Ace)
Intoxica!: Strange and Sleazy Instrumental Sounds from The SoCal Suburbs (Ace)

Beatlemaniacs!!!: The World Of Beatles Novelty Records Intoxica!: Strange and Sleazy Instrumental Sounds from The SoCal Suburbs

 今月も買ってしまったエイス・レコードのCD。今回もユニークなオールディーズのコンピレーションが届いた。
 
Bravo! Beatles: The Beatles Relations 最初の「Beatlemaniacs!!!」は60年代のビートルズ人気に便乗して作られた「ビートルズをテーマにした曲」を集めたもの。90年代に日本の「エーサイド・レコード」が同旨の「ブラボー!ビートルズ:ビートルズ讃歌集」というCDを音源板おこしながら発売していて、そちらもマニアの知識が結集された素晴らしい内容だったが、今回それとダブるのは5曲のみ。比較的純粋なポップスが多かった「ブラボー!」に対し「Beatlemaniacs!!!」はバンド・サウンドの曲が多め、という印象か。
 
 作品が発表された時期はやはりアメリカ進出を果たした64年が圧倒的に多く、63年に早くもイギリスで作られていた2曲も収録。何故か65〜67年の“中期”の作品は殆どなく(この時期も「ビートルズ風」「サージェント・ペパーズ風」の作品は数多く存在するので、そこら辺を集めてみても面白いのかも知れない)“後期”68〜69年の作品がまた何曲か収録されている。この時期の作品が結構面白いので個々に紹介しておくと、まずは「ジョン、最近の貴方はおかしいわ。」とペトラ・クラーク風のボーカルで歌われる「John, You Went Too Far This Time(68年)」、グランド・ファンク・レイルロードの前身バンドである「ザ・パック」のリーダーだったテリー・ナイトがビートルズ・ナンバーの断片をサイケに織り込んで歌った「Saint Paul(69年米114位)」、謎のバンド「ミステリーツアー」が“ポール死亡説”に乗じて発表した「The Ballad of Paul(69年米104位)」などなど。
 
Las Vegas Grind! Volume Six ビートルズ・マニア、そしてノヴェルティ好きには見逃せないCDでしょう。そしてもう一枚の「Intoxica!」は60年代のアメリカ西海岸で生まれた奇妙なインスト曲ばかりを集めたコンピレーション。アルバムのタイトルになっているレヴェルズの「Intoxica!(61年)」、酒を酌み交わしながら談笑する男女の声をフィーチャーした(チャート・マニアであれば一聴してジム・バッカス1958年のノヴェルティ・ヒット「Delicious!」を思い浮かべるはず)このヘンな曲を僕が初めて聴いたのは、今から10年以上前にリリースされたコンピレーション「Las Vegas Grind」で。「ストリップのBGM」をテーマにしたこの奇妙なCDは「ガレージ・ロックの名コンピ」としても知られており、サーフ・ロックから初期ガレージ、ラウンジ風、果てはジェイムス・ブラウンタイプの原始ファンクまで音楽のタイプは雑多ながら、その根っこはすべてしっかりつながっているという、まさに「耳からウロコ」な経験をさせてもらったシリーズだったが、今回調べたらこれってまだ続いているのだそうで、現在は最新盤「Vol.6」が入手可能らしい。
 
 「Intoxica!」に収められている音源はカーペンターズの故郷でもあるカリフォルニア州ダウニーにあった「Downey Productions」で制作されたもの。ここから生まれた最も有名な作品にはシャンテイズ63年の大ヒット「Pipeline」があるが、彼らの録音はなく、前述のレヴェルズ、63年に「The Boss」のヒットを放ったランブラーズ、R&Bのベテラン、チャック・ヒギンズあたりを除けば殆どが無名アーティストの作品ばかり。サーフ・ロックとR&B、更にメキシコをはじめとする様々な移民たちの音楽が混然となり、加えて当時サーファーの間で出回っていたドラッグの影響もあって生まれた「ストレンジ感」を全26曲通じて楽しむことができる。
 
 オールディーズ・ファンというよりは、ガレージ・ファン、あとはモンド好き(??)向きな内容だろう。久々にこの手の音楽を聴いて蒐集意欲が湧いてきてしまったので、取り敢えず僕はこれまで買い逃していた「Las Vegas Grind」シリーズの残りをマーケットで探すところから再開しよう。
 
posted by yakame at 13:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月22日

Cross Country - Cross Country (Muskrat)

Cross Country ('73)

 今月の「レコード・コレクターズ」誌の広告を見てビックリした。クロス・カントリーのアルバムが日本盤で出てる!??早速翌日新宿のレコード屋に飛び込み、お目当てのブツを入手。
 
 60年代の人気グループ「トーケンズ」はボーカル・グループとしてばかりでなくプロデューサー・チームとしても多くのヒット作を生み、シフォンズやハプニングスなど幾つもの印象深いアーティストを世に送り出している。中でもプロデュースの才能があったのがメンバーのハンク・メドレスで、彼は70年代にグループから独立し「トニー・オーランド&ドーン」を手がけて一時代を築いた。で、残された他のメンバー、ジェイ・シーゲル、ミッチ&フィル・マーゴの3人が結成したグループが「クロス・カントリー」で、彼らが残した唯一のアルバムが目出度くCD化されたという訳。
 
 実はこのアルバム、現在も活動を続けているトーケンズのオフィシャル・サイトで以前からプライベート・プレスの形で販売されており、僕も一度は購入を検討したのだが、とにかく海外のサイトから物を買うと送料やら手数料やらがメチャクチャかかり、結局商品の値段の倍くらいクレジットカードから引き落とされてしまったりするケースがあるので様子見のまま随分と時間がたってしまっていた。そんな中での日本盤発売、豪華な紙ジャケ仕様で分不相応ともいえる扱いだが、いずれにしてもいい音でレアな音源が聴けるようになったのは有り難い。
 
 このアルバムが発表されたのは1973年、以前も書いたがこの時期の英米のポップ・グループはどれも多かれ少なかれCSN(&Y)の影響下にあり(もはや“CSN症候群”といった方がいいかも知れない)彼らもその例外ではなかった。元々コーラスを売りにしたグループだが60年代当時のドゥ・ワップを下敷きにしたスタイルではなく非常に洗練が進み、“ソフト・ロック度”でいえばトーケンズの代表作「It's A Happening World」や、やたら過大評価されている「Intercourse」などを遥かに凌ぐ内容。収録曲はヒットを記録('73米30位)したウィルソン・ピケットのカバー「In The Midnight Hour」を除く殆どがミッチ・マーゴの作品で、どれも佳曲揃い。
 
 60年代を通じて業界の大御所的ポジションを守った彼らにとって、CSNなどは「あいつら、60年代にドサ回りしてた頃から知ってるよ!」だったのではないかと思う。そんな訳で張り切って制作されたこのアルバムだが、ソフト・ロック的には大変素晴らしい内容ではあるものの、CSNが持つニュー・ロック風テイストが決定的に欠けていたため、結局当時市場に受け入れられることはなかった。21世紀の音楽リスナーの耳には非常に心地よいこのアルバム、これをもってトーケンズが全盛期に発表した作品は自己のレーベル「B.T.パピー」時代のアルバム何枚かを除いて殆どCDで聴けるようになったので、関連作品も併せて聴きつつそのキャリアをしっかり反芻してみることにしようと思う。
 
posted by yakame at 03:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Neon - The Cyrkle (Sony Music Direct)
Appaloosa - Appaloosa (Sony Music Direct)

Neon ('67) - The Cyrkle Appaloosa ('69)

 先月はゴールドブライアーズのCDを購入したソニーのソフト・ロック紙ジャケシリーズ。色々出してくれるのは本当に有り難いのだが、シリーズの多くは過去に発売されたものをただ紙ジャケ化しただけだったりするので、音源入手の上ではあまり有り難くない場合も。そんな中今月発売分で入手したのが上掲の2枚。
 
 まずはサークルが67年に発表したセカンドアルバム「ネオン」。これは“ソフト・ロックブーム”的に非常に定評のある名盤で、僕は10年ほど前に出た日本盤を長いこと愛聴していたが、今回は遂に買い換え。何故ならこのCDにはボーナス・トラックが“18曲も”入っているから!よくやったもんです、数年前に出た米サンデイズド盤を散々迷った末スルーした僕は偉い子だったねっ!正直いってボーナスにそれほど珍しい音源がある訳ではないのだが、とにかくこの大盤振る舞い(因みにアルバム本編は11曲)は評価したい。アルバムの内容はソフト・ロック系のサイトで散々語り尽くされているだろうから余計なことは書かないが、聴いてみたら10年前のCDとは全然違う音になっててビックリ!これは買い直しの価値充分ありでしょう。
 
 ボーナス・トラックは66年の「Please Don't Ever Leave Me」以降彼らがリリースした7枚のシングル音源(モノ・バージョン)が中心。この一枚さえあれば彼らの中期〜後期の録音はすべて聴ける訳だから、かなり親切といえる。サークルはこの後密かに制作されたポルノ映画のサントラ「Minx ('69)」の評価が近年やたらと高いが、あれはいい曲とそうでない曲の差が大きいので、まずはこちらを聴いてしっかり地盤を固め、その後そちらに移行する・・というのがいいのではないだろうか。僕個人的にはとにかく、リマスターされた音の迫力に驚かされた。
 
 で、もう一枚は未知のグループ「アパルーザ」1969年のアルバム、こちらは全然前知識なく「アル・クーパーがプロデュース」の文言だけで購入。一番の理由は「アメリカ盤より安いから」だったのだが、たまにはこういうことをしてみないと聴く対象が広がらない。で、聴いた結果はこれが当たり!彼らはボストン出身のアシッド・フォークグループで、バンドにチェロやビオラを弾くメンバーがいるのがユニーク。中心メンバー、ジョン・コンプトンのボーカルは、ライナーノーツではドノヴァンとか、はたまたボビー・ヴィーなどを引き合いに出して語られているが、「MTV世代」な僕は、そのクラシカルな雰囲気とか、ヘタウマでナルシスティックな感じに「ドリーム・アカデミー」のニック・レアード・クロウズに通じるものを感じた。
 
 アルバムの内容はドノヴァンでいえば「A Gift From A Flower To A Garden」、他のアーティストならボー・ブラメルズの「Triangle」、あとは同じくボストン出身のオルフェウスあたりに近いか。不思議な浮遊感がなんとも魅力的で、ここ数日ヘビー・ローテーションになっている。コンプトンとグループのメンバー、ロビン・バトウは他にも録音を残しているそうなので、そちらも探し出して聴いてみたい。
 
posted by yakame at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月20日

The Legendary Hi Albums Volume 1&2 - Al Green (Edsel)

Legendary Hi Albums Vol.1 - Al Green Legendary Hi Albums Vol.2 - Al Green


Al Green 昨年のゴールデンウィークにアメリカを旅行した際、運よくアル・グリーンのライブをシカゴで観ることが出来て・・・という話を人にすると必ず「ライブっていってもゴスペルばっかり歌ったり、説教臭かったりするんでしょ?」と言われる。とんでもないっ!現在の彼は完全にエンターテインメントの世界に戻っていて、歌うのは往年のヒット曲ばかり!大量に赤いバラを用意してポンポン客席に放り込みながら歌い、白人のオバちゃんたち(50代くらいの)がキャアキャア言って盛り上がっている、と、そんな感じのノリなのだ。


Al Green そんな彼の全盛期、70年代に在籍したハイ・レコード時代のアルバムが「The Legendary Hi Albums」のタイトルで現在一まとめにCD化され始めている。まず「Vol.1」は最初の4枚「Green Is Blues ('69)」「Al Green Gets Next To You ('71)」「Let's Stay Together ('71)」「I'm Still In Love With You ('72)」を2枚のCDにカップリング。ブレイク前の「〜 Blues」は60年代のヒット曲のカバーを中心に、不発に終わった自作のシングル曲なども収録。バックの演奏は意外なくらいにファンキーで、ジャケットの気合いの入った顔(柄悪っ!)ともども、後のロマンチックなアル・グリーンの世界とは一線を画す雰囲気。ボーナスとして追加されたハイにおける最初のシングル「I Want To Hold Your Hand(ビートルズの!)」も結構いい感じ。続く「〜 Next To You」はブレイク作「I Can't Get Next To You」と「Tired Of Being Alone」をフィーチャー。前作から2年ほど時間があいているので彼及びバックを務めるハイ・リズムの面々の成長が著しく、演奏のファンキーさがますますアップ。恐ろしさすら感じるくらい。

 で、同年発表の「Let's Stay Together」で彼の黄金期は始まる。ここから先は説明の必要なし、アルバムにタイトル曲以外のヒットが入っていなくてもまったく気にならない。ビー・ジーズの「How Can you Mend A Broken Heart」のカバーに至っては、もはや“歴史的名唱”。次の「I'm Still In Love With You」は彼の絶頂期を記録した名盤で、こんなにも素晴らしい音楽を、彼にもたらした神に感謝したいくらい。タイトル曲が名作なのは当然だが、「Love And Happiness」、このレコーディングに比肩し得る70年代R&Bって一体幾つあるんだろう?と思うくらいの空前絶後。でもこの曲は当時シングル・カットしてないんだって。信じられないっ!
 
 などと熱くなりながら話は「Vol.2」へ。こちらは「Call Me ('73)」「Livin' For You ('73)」「Al Green Explores Your Mind ('74)」「Al Green Is Love ('75)」の4枚分の音源を収録。「Call Me」では前作の好調を維持、有名なタイトル曲をはじめ「Have You Been Making Out OK」「Your Love Is Like The Morning Sun」など、キャリアの絶頂を迎えた彼のスウィートネスを存分に味わえる内容になっている。同年矢継ぎ早にリリースされた「Livin' For You」は4曲目のR&Bナンバー1ヒットとなったタイトル曲をフィーチャーしているが、この頃になるとサウンドにややわざとらしさが感じられるように。勿論内容は悪くないのだが「Let's Get Married」あたりになるとあまりにも同パターンが続き過ぎ「もういいよ。」という気持ちになってしまう。。
 
 その印象は「〜 Explores Your Mind」と「〜 Is Love」も同じ。「Sha-La-La」や「L-O-V-E」といった大ヒットは勿論いいが、サウンドにかつての勢いが感じられない。中にはいい曲もあるかな、という程度。他のアーティストの作品と比較すれば、依然高いレベルを保ってはいるのだが。
 
 ということで、駆け足でアルバム8枚分の紹介はお終い。アルバムから漏れたシングル音源も網羅しているので、このシリーズを揃えれば70年代最重要R&Bシンガーの一人、アル・グリーンのすべてを安価に聴くことができる。、76〜78年に発表した音源をまとめた「Vol.3」も、入手出来次第紹介したい

posted by yakame at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月16日

My Thing/The Other Side Of - The Moments (Collectables)

My Thing ('73)/The Other Side Of ('71) - The Moments

 70年代R&B界で最もスイートなボーカル・グループ、モーメンツのオリジナル・アルバム2イン1。「My Thing」が発表された73年には彼らの活動は「中期」に差しかかっており、サウンドはかなり洗練が進んでいて初期の“ゴツゴツ感”はないが、大変耳に心地いい。ヒット曲としてはタイトル曲('73R&B19位)と「Gotta Find Away(同16位)」を収録、どちらもハリー・レイのファルセットが冴える佳曲。

 カップリングの「The Other Side Of」は71年に発表されたスタンダード集。ジェイムス・ブラウンの「It's A Man's Man's Man's World」を手がけたことで知られるサミー・ロウがプロデュースとアレンジを務めたこのアルバムの主役はアル・グッドマンで、レイの歌声は殆ど登場しないため通して聴いてもあまりモーメンツのアルバムという実感がわかない。単独だったら買わなかったかも。

 彼らの初期のアルバムは5年くらい前にイギリスでまとめて2イン1化されているのだが、現在はどれも入手困難らしいのが残念。「ミス・ブラック・アメリカ・コンテスト」でのライブ(72年)と、ニューヨーク州の女子刑務所でのライブ(71年)を1枚のCDに収めて「Live from Heaven and Hell」とタイトルをつけたセンスは非常に好きだったのだが。今後も彼らのアルバムのCD化が続くのであれば、次は希有の名曲「Sexy Mama」収録の「The Sexy Moments」になるはずなので、その到着も楽しみ。

Not On The Outside, But On The Inside Strong ('69)/The Moments On Top ('70) A Moments with The Moments ('70)/The Other Side of The Moments ('71) The Moments Live at the New York State Womans Prison ('71)/Live at the Miss Black America Pagent ('72)
posted by yakame at 08:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月15日

1955 British Hit Parade: Britain's Greatest Hits Volume 4 Part 1&2 (Acrobat)

1955 British Hit Parade Part.1 1955 British Hit Parade Part.2

 イギリスのヒットチャートが初めて発表された1952年の暮以降「すべての」チャート・ヒットをCD化していくというアクロバット社の狂った企画「British Hit Parade」の1955年編が届いた。UKチャートはこの前年から毎週TOP20が発表されるようになったので登場曲は飛躍的に増えて今回は全143曲、6枚のCDを2箱に分けてのリリースとなった。
 
 収録曲はリストを作ったのでそちらを見ていただくとして、1955年というと一般的には「R&R時代幕開けの年」とされているのだが、実際には驚くほどその手は少ない。「Rock Around The Clock」のビル・ヘイリーが3曲を送り込んでいるのを別とすると、他にR&Rアーティストといえるのは「Seventeen」のボイド・ベネットくらい。まだチャック・ベリーもリトル・リチャードも、勿論エルヴィスも登場しない“花鳥風月”なポピュラー・ミュージック時代のヒットをのんびり楽しむことができる。
 
 収録曲リストに英米のチャート成績をつけたが、イギリス人アーティストの台頭は当然としても、アメリカ人アーティストによる“イギリスのみヒット”の多さも興味深い。全米チャートをチェックしているだけでは見落としがちな人気曲を、これだけたくさん聴ける機会は他にないだろう。逆に全米チャート・マニアにはやや不満の残る内容かも知れないが、ここに収録されているフェルコ・ストリング・バンドの「Alabama Jubilee(米14位/英20位)」は以前CD化されたのが再録バージョンだったので、オリジナル録音を探していた人には有り難いのではないだろうか。
 
 この年のイギリスは何故か“メドレー・ブーム”だったようで、様々なスタイルのメドレー・ナンバーが収録されているのも「企画もの好き」な僕には嬉しい。人気を集めて何人ものアーティストの競作ヒットになった「Hey There(4バージョン)」「Let Me Go Lover(4バージョン)」「Unchained Melody(4バージョン)」「Stranger In Paradise(6バージョン!)」あたりは、いちいち聴いているのが面倒臭くなるが。これは「全曲収録」の弊害の方。
 
 このシリーズも4年目に突入、これさえ持っていれば1950年代のイギリスもののCDは他に買う必要がないので非常に重宝、しかも安価なので本当に素晴らしい企画ではあるのだが、とにかく曲が多過ぎて聴くのが大変。。資料として持っているだけでもいいとは思うんだけど。これを使って今度「UKチャート人気投票(1955年編)」でもやってみるか?

The First British Hit Parade, November 1952 1953 British Hit Parade 1954 British Hit Parade

「1955 British Hit Parade」収録曲

posted by yakame at 17:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月13日

How'd We Ever Get This/Rainbow Ride
Baby I Love You/Andy Kim
- Andy Kim (Collector's Choice Music)

How'd We Ever Get This ('68)/Rainbow Ride ('69) - Andy Kim Baby I Love You ('69)/Andy Kim ('73)

Andy Kim Greatest Hits アンディ・キムが1974年に放った全米ナンバー1ヒット「Rock Me Gentry」って知ってる?チャートファンなら当然か。じゃ、彼が60年代後半には既に人気スターだったことは??アンディ・キムが60年代後半〜70年代前半に発表した4枚のアルバムが2枚のCDにまとめられたので、これを手がかりに彼のキャリアをたどってみよう。

 話は60年代を代表するポップ・ソングライター、ジェフ・バリーから始まる。奥方エリー・グリニッチとコンビでロネッツの「Be My Baby」やクリスタルズの「Da Doo Ron Ron」など“究極の60年代ポップス”を生み出した彼は、64年にビートルズがアメリカに襲来して以降、音楽シーンが一変しても相変わらず旺盛な創作ペースで名曲を生み出していった。現在も「音楽史上最も素晴らしいレコーディング」の一つといわれるアイク&ティナ・ターナー1966年の「River Deep, Mountain High」は彼の作品だし、同年にはトミー・ジェイムスが「Hanky Panky(録音は63年)」で全米ナンバー1を記録。そんな中もっとも大きな成功を収めたのがバリーが後ろ盾となりデビューを果たした後輩シンガーソングライター、ニール・ダイアモンドで、彼はその後アメリカ音楽産業を象徴するスターに。この成功に続いてバリーが世に送り出したのが、当時まだ10代のアンディ・キムだった。

 “アメリカン・ポップス界のキム兄やん”こと(??)アンディの才能に注目したバリーは、彼とソングライター契約を結ぶと同時にアーティストとしても売り出しを図り、新興レーベル「Steed」から68年にリリースした「How'd We Ever Get This Way」が見事TOP40入り。続く「Shoot'em Up Baby」もヒットを記録し、リリースされたのがファースト・アルバム「How'd 〜」。殆どすべてがバリーとキムの共作曲で占められている本作は「バブルガム・ポップ」なソフト・サウンドで彩られ、音楽的にも非常に質の高い一枚に仕上がった。続いて翌年リリースされたセカンド「Rainbow Ride」では音楽性が若干ソフト・サイケ寄りに移行、しかしポップさも健在でこれまたなかなかの出来。モンキーズ・タイプのタイトル曲はじめ、楽しめる曲が幾つも収録されている。

The Archies バリーとキムのコンビはこのポップな世界を更に推し進め、結果生まれたプロジェクトがアニメのキャラクター・バンド「アーチーズ」。ロン・ダンテがボーカルを務めた「Sugar, Sugar」は1969年最大のヒットとなり、キムのソングライターとしての評判を更に高めることに。また彼自身もロネッツの「Baby I Love You(バリーとグリニッチがフィル・スペクターと共作)」のカバーで初めてTOP10入りを果たし、最高の状態で発表された・・はずのサード・アルバムが「Baby I Love You」。しかし本作では彼がアーティスティックな方向へ進みたいのか、それともアダルトなボーカリストになりたがっているのか迷いが窺える内容になってしまい、アルバム半々を占めるカバー、オリジナル曲共に中途半端な出来に終わってしまった。

 その後彼は70〜71年にかけてあと5曲のチャートヒットを放ったが、今回のCDにこれらのボーナス収録はなし(何故!?)。近日中に彼の「シングルス・コレクション」が出されることを願いつつ話を進めると、彼がレコード会社を移籍し、73年に発表したレアなアルバムが、その名も「Andy Kim」。先輩ニール・ダイアモンドに相当なライバル心を燃やしていたであろう彼は、前年までダイアモンドが在籍していた「Uni」と契約し、まったくのダイアモンド・スタイルでアルバムを作り上げてしまったのだ。ダイアモンドをコロンビアに奪われ“ポスト・ダイアモンド”となるアーティストを欲していた「Uni」の思惑もあったのだと思うが、聴いてみるとこれは相当「笑える」珍品。ニール・ダイアモンドマニアは是非ともご一聴いただきたい。

 結局彼は翌74年には単純明快なポップ・ロックスタイルに戻り、前述の「Rock Me Gentry」を大ヒットさせることになるのだが、その頃にはもうかつての魅力は失われていた。。そんな訳で今回のCD2枚、1枚目はソフト・ロック寄りのポップス(トミー・ロウやブライアン・ハイランド、ボイス&ハートなど)としてはかなりの高水準、もう1枚の方では彼最大のヒット「Baby I Love You」が聴けるし、後半は殆どギャグ(笑)ということで、ポップス・ファンには非常に楽しい内容。にしても、彼の残りのヒット曲はいつCD化されるのか・・。





posted by yakame at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月11日

Singles As & Bs - The Lovin' Spoonful (Repertoire)

Singles As & Bs - The Lovin' Spoonful

Fritz Richmond Tribute in Tokyo Apr.2nd 2006 皆さんはローリングストーンズの来日公演、行きましたか?僕は行きませんでした。彼らが「さいたまスーパーアリーナ」でライブをやった4月2日、僕は渋谷の「DUO」にいたのです。何故ならばそこでジョン・セバスチャンの演奏が聴けるから!

 この日開催されたライブ「フリッツ・リッチモンド・トリビュート」は昨年亡くなったジャグ・バンド・ミュージシャン、リッチモンドを追悼するためにジム・クエスキン、ジェフ・マルダー、そしてセバスチャンというアメリカ音楽界の伝説的なミュージシャンたちが顔を揃える、本国でもなかなか実現しない貴重なもの。そこで披露された演奏はサプライズ・ゲストとして細野晴臣まで加わった素晴らしい内容で、その詳細はここには書きませんが、会場をギッシリと埋めたすべてのオーディエンスにとって素晴らしい思い出になったはず。

 ライブの半ばに登場したセバスチャン(1987年に中止になった来日公演以来19年の念願が叶ったステージ!)は喉の調子がよくなかったらしく、かなり苦しげな歌声ながらも「Younger Girl」「Do You Believe In Magic」「Daydream」などを披露してくれ、満場の喝采を浴びていた。ライブ終了後帰宅してラヴィン・スプーンフルのCDでこの日の光景を反芻しようと思ったら、僕が持っている彼らのCDは1980年代に発売されたもので録音レベルが低く、聴いてみてそのサウンドに若干不満が・・。翌週レコード屋に出かけて購入したのが最近ドイツのRepertoireから発売された最新ベスト盤。

 この2枚組は彼らが本国アメリカ、そしてドイツでリリースしたシングル全32曲を収録。シングル集を謳っているが別にモノラル・ミックスではなくチャンネル毎にかなり分離のはっきりしたステレオ、しかも曲によってはシングルとアルバムでバージョンがはっきり異なるものもあるはずなのに、その違いは認識できなかったので多分アルバムのマスターをそのまま使用しているのだろう(ドイツのシングルはこのバージョンだった?)。音はクリアなものの特に新発見があるCDではなかったが、彼らが60年代半ば〜後半に生み出した「音楽の魔法」をたっぷり楽しめる内容になっている。

 こういうコンピレーションで聴くと、普段アルバムでは飛ばしてしまう「Bald Headed Lena」や「Run With You」といった曲も改めて聴き直すことができ、今まで気づかなかった彼らの一面を認識できたりもする。RepertoireのCDは、どういう訳かネットを通して買うよりタワー・レコードの店頭に並んでいるものを探した方が安い場合が多いので、同社のCD入手を検討される場合は、まずお近くのタワレコへ。


posted by yakame at 13:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月09日

Marvin, Welch & Farrar/Second Opinion (BGO)

Marvin Welch Farrar/Second Opinion - Marvin Welch & Farrar

 イギリスの国民的インスト・バンド「シャドウズ」が60年代末に一旦解散した後、メンバーのハンク・マーヴィンとブルース・ウェルチがオーストラリアで知り合ったミュージシャン、ジョン・ファーラーと結成したユニットが「マーヴィン、ウェルチ&ファーラー」。彼らが残した2枚のアルバムとシングル音源を一まとめにしたCDがリリースされた。

 この時期の彼らはボーカル&インストゥルメント・グループを目指しており、インスト曲の収録はなし。当時の音楽界に多大な影響力を誇っていたクロスビー、スティルス&ナッシュのボーカル・スタイルを模したとされているが(ユニット名からしてそれは明らか)そのハーモニーはCSNというよりは、グラハム・ナッシュ脱退後のホリーズに近い。この前紹介したD.B.M & Tのアルバムにも通じる雰囲気があるので、これは当時のブリット・ポップ界の一つの流れだったのだろう。

 最初のアルバム「Marvin, Welch & Farrar(71年)」は全曲がメンバーのペンによるオリジナル。コーラスの美しいナンバーが何曲も聴けるが、出来のいい曲とそうでもない曲の差が結構ある。彼らの盟友クリフ・リチャードが69年にヒットさせた「Throw Down A Line(マーヴィンの作曲)」の作者バージョンも収録。続いて72年に発表された「Second Opinion」のレコーディングにはブライアン・ベネットも参加し、シャドウズの4分の3が顔を揃えたことになるが名義は変えず(彼らはツアーに出た際、ヨーロッパ各地のプロモーターから再三ネーム・バリューのある「シャドウズ」を名乗るよう求められたという)。収録作品も彼らのコーラスもより高度なものになっているが、残念ながらファンが彼らに求めたのはこのような音楽ではなく、ツアーでは徐々に懐かしのシャドウズ・ナンバーが演奏リストの主要部分を占めていったという。

 結局このユニットは成功を収められなかったが、ウェルチとファーラーはオーストラリアで知り合った女性シンガー(当時ウェルチのガールフレンドでもあった)オリビア・ニュートン・ジョンを手がけて英米で大成功、プロデューサー/ソングライターとして多忙を極めることに。一方クリフ・リチャードのTVショーやツアーのサポートで重要な役割を果たしていたマーヴィンはこの翌年にシャドウズを再編(ファーラーもこれに参加した)、彼らは再びインスト・ナンバーを中心に演奏していくこととなった。

 シャドウズの長い歴史の中では異色作といえるこの2枚だが、ホリーズ・タイプのポップロックをお好みの音楽ファンであれば、非常に好感を持って聴くことが出来る作品群であろう。その後オリビアだけでなく御大クリフも念願のアメリカにおけるブレイクを実現させる彼らの、プロデュース・ワークの出発点という意味でも押さえておいて損はない1枚。

posted by yakame at 09:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月05日

Together - Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich (Repertoire)
Fresh Ear - D.B.M & T (Repertoire)

Together - Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich ('69) Fresh Ear - D.B.M&T ('70)

 1960年代後半、イギリスで大変な人気を博したポップ・グループ、デイヴ・ディー、ドジー、ビーキー、ミック&ティッチ(長い!)の初期のオリジナル・アルバム3種がヨーロッパでCD化されたのは今から約2年前のこと。当時meantimeのホームページでそれらを紹介したが、彼らの残りの音源については既に当時「出ても買わないかも。」とそこに書いていた。どんな内容なのか予想がつくから。でも実際に出たとなると、やはりすべて揃えたくなるのが人情。グループ後期、というか末期のアルバム2枚も結局入手してしまった。

 1968年に全英ナンバー1ヒット「The Legend of Xanadu(キサナドゥーの伝説)」を放った彼らだが、翌69年にはそれまでヒットチャートで隆盛を誇っていたポップ・グループたちは勢いを失いつつあり、替わりにニューロック勢が台頭。ビートルズの「アビーロード」をレッド・ツェッペリンのファースト・アルバムがUKアルバム・チャートのトップから蹴落とした時代、と書けばなんとなく雰囲気は伝わるだろうか・・?でも彼らは相変わらずひたすら脳天気にポップ街道をまっしぐら、長年の制作パートナーであるケン・ハワードとアラン・ブレイクリーの作品を7曲収録したアルバム「Together」は「〜 Xanadu」タイプのエスニックな雰囲気をもつ良曲が揃ったなかなかの内容だったが、やはり峠を越した感は否めず。ここで聴ける「Don Juan」と「Snake In The Grass」が彼らにとって最後の全英ヒットになってしまった。

 人気の退潮を見てとったデイヴ・ディーはグループからの独立を決意。ソロで音楽や演技の道を志すことになったが、残されたメンバーたちは一転団結、グループ名を「D.B.M and T」に改め(って大して変わってないじゃん!)70年夏にリリースしたシングル「Mr. President」を最高33位のヒットに。一足先にリリースしたデイヴ・ディーのソロ・デビュー曲「My Woman's Man」が最高42位に終わっていたので、彼らはさぞかし喜んだことだろう(?)。この勢いにのってリリースされたのがアルバム「Fresh Ear」で、彼らが張り切ってニューロック路線に挑戦し、少々空回りぎみながらもそこそこポップに作品をまとめあげた様子が聴ける。かつての超ポップな彼らを期待するとやや違和感があるが、同時代のグループ(ホリーズとかマーマレードとか)が同様な試行錯誤を繰り返していたことを考えると、この作風にも納得はいく。気合の入ったコーラス・ワークはちょっとした聞きもの。

 とはいえ彼らの魅力を味わうという点では、やはり初期の3作には適わない。まずはそちらを入手した上で、まだ彼らの世界につきあってみようという奇特な方にのみこちらのCDはお薦めしたい。なお標記2枚にはボーナス・トラックとして彼らが70〜80年代に残した再結成録音を多数追加。これも超マニア向け。

Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick And Tich ('66) If Music Be The Food Of Love ('66) If No One Sang ('68)

収録曲等詳細(発売元のサイト)
posted by yakame at 01:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする